デイリーアーカイブ Sep 18, 2025

スペシャライズドからエンデューロE-MTB「Kenevo SL2」が登場

スペシャライズドは11月8日、オールマウンテンスタイルのライドに最適化された新しい電動マウンテンバイク、Kenevo SL2を発表しました。 Kenevo SL 2の車体は、6種類のジオメトリーの設定が可能なFact 11rカーボンフレームを採用。6種類のセッティングからハンドリング特性を変更し、ライダーのスタイルや走る地形とマッチさせましょう。ヘッドアングルは62.5、63.5、そして64.5度に、BBハイトは上下に6mm変えられます。また、6つのバーと6つのピボットを駆使して高い安定性と反応性のあるハンドリングを目指している6バーサスペンションを搭載。重心を低く中心に配置することで、ライダーは安定しつつも、トレイルでの敏捷な乗り心地を実現できます。 他にも、ショックのコンプレッション側に新たに追加されたテンションリンクは、レバレッジレシオとアクスル軌道の独立した調整を可能にし、これによりスプリングとダンパーの性能が飛躍的に向上しました。アクスル軌道はわずかに後方に設定されており、これが障害物への衝突時にホイールを後方へ逃がすことで、衝撃をスムーズに吸収します。ペダリング時にはアンチスクワット特性を発揮し、効率的な走行を支えます。 さらに、Kenevo SL 2のレバレッジレシオ設計は、小さな凹凸を正確に捉え、ミッドストロークではしっかり踏ん張り、大きな衝撃があった際には、フルストロークで柔軟に対応する能力を持っています。このため、ライダーはモーターから供給される力をロスなく路面に伝え、高速走行でも安定したパフォーマンスを享受することができます。 モーターはLevo SL2やCreo 2に先行して搭載されていたSpecialized SL 1.2 モーターで、最大出力320W、最大トルク50Nm、急な坂も楽に登ることができ、320Whの内蔵バッテリーにより最長5時間のライドが楽しめます。さらに160Whのレンジエクステンダーを追加することで、7時間半の走行が可能になります。 車体に装着されたMasterMind TCU(Turbo Control Unit)は、ライド情報を表示し、アシストレベルをリアルタイムで調整でき、無線でのアップデート対応に加えて、Specializedアプリと連携し、アシストパワーのカスタマイズや航続距離の調節、盗難防止のためのシステムロックなど、さまざまな機能が提供されます。 同シリーズの最上位モデル「S-Works Turbo Kenevo SL 2」は、1,815,000円(税込)という価格で提供されており、S2およびS3のサイズ展開があります。カラーバリエーションは、GLOSS BLACK LIQUID METAL / BRUSHED LIQUID METAL / BLACK BRUSHED CHROMEと、GLOSS RUSTED RED / REDWOOD / WHITE MOUNTAINSの2色があります。 一方で、やや手が届きやすいモデル「Turbo Kenevo SL 2 Expert」は、1,353,000円(税込)で提供され、S2からS4までの3つのサイズが用意されています。このモデルにはGLOSS OBSIDIAN / METALLIC OBSIDIAN / TAUPEの1色のカラーバリエーションがあります。 シリーズ中でもっともお求めやすい「Turbo...

ロータスから400万円する電動ロードバイク「タイプ136」を発表 エアロダイナミクスを追求した高級Eバイク

ロータスは11月1日、電動ロードバイク「タイプ136」を発表しました。 ロータスは1948年の創業以来、今年で75周年を迎える高性能車ブランド。特に2シーター・スポーツカーの世界で名前が知られています。 ロータス136のフレームは、イタリア製のハンドメイドの軽量カーボンファイバーフレームに、翼型フォークやV字型ハンドルバー、アーチ型チェーンステーを採用しているという特徴があります。これはイギリスのトラックサイクリングチームのメダル獲得にも貢献したホープ/ロータスのトラックバイクの影響を受けています。 タイプ136の車体重量は9.8kgという軽さを実現。バッテリーは、水筒のような形状のバッテリーはボタン一つでフレームから取り外せる仕組みを備えています。 このバイクに搭載されるワット・アシスト・プロ・モーター・システムは、火星着陸船プロジェクトに起源を持っているとのこと。重量は僅か1.2キロと市場で最軽量のEバイク用モーターシステムとして謳っています。また、モーター自体の重量はわずか300gで、コンパクトさは自転車のフレームにシームレスに統合されます。 限定生産のタイプ136は、ロータスの伝統を受け継ぎ136台のみが製造され、それぞれがシリアルナンバーを持ち、モータースポーツを象徴するカラーリングが施されます。スタンダードモデルは2024年の春に発売される予定です。 ロータス・グループCEOの馮青峰は次のようにコメントしています 「ロータス・タイプ136は、私たちのハイパフォーマンス・ジャーニーの次の章として発表できることを誇りに思います。過去75年間、ロータスはロードとサーキットで革新の限界を絶え間なく押し広げてきました。タイプ136は、私たちがそうし続けていることを示しています。Eletre、Emeya、Evijaとともに発表されることで、ロータスに何を期待するかという世界的な認識がさらに広がるでしょう」 6度のオリンピックチャンピオンは、現在ロータスのブランドアンバサダーを務めているクリス・ボードマンは、タイプ136のワールドプレミアでこう語りました。 「このバイクは、ロータスのパイオニア的な努力と、長年にわたるバイクのアイコニックな地位を物語る、信じられないようなバイクだ」 ファーストエディションの価格は定価20,000ポンド(約25,000ユーロ、日本円で約400万円)。日本での発売は不明です。 関連リンク Lotus Type 136 - Track Inspired Performance Road Bike. Electrified | Lotus Cars United Kingdom

Turing Machine Alpha 高性能AIを搭載する自動運転のコンセプトカー 自動運転の課題は?

2023年10月28日から11月5日まで一般公開を行っていた「ジャパンモビリティショー2023」では、大企業だけでなくスタートアップなど様々な自動車会社が車両や部品、技術を展示していた。その中でもピックアップするのがTuringだ。 Turingは「We Overtake Tesla(私達はテスラを超える)」をミッションに、完全⾃動運転EVの量産を⽬指すスタートアップ企業。世界で初めて名人を倒した将棋AI「Ponanza」の開発者である⼭本⼀成と、カーネギーメロン⼤学で自動運転を研究し、Ph.D.を取得した⻘⽊俊介によって2021年に共同創業した企業。 Turingが開発を行っている自動運転技術は、人間のように”目”と”脳”で判断するのを謳っている。 現在、一般ユーザーが購入できる自動運転車の殆どは、運転の主体が人間で自動運転はあくまでも補助扱いのレベル2が殆ど。しかし、補助であっても様々な技術が使われている。例えば、日産プロパイロット2.0は7個のカメラ、5個のレーダー、12個のソナーと3D高精度地図データを使用している。 Turingが開発を行っている自動運転技術の場合は、カメラによる視覚情報を高度なAIが人間のように理解して運転を判断する。これにより一般的な自動運転で問題になっている標識と看板の違いが認識できない問題の解消や、高精度地図データが無い場所での自動運転が期待できるだろう。同社はAI深層学習技術を⽤いた限定領域に留まらない完全自動運転の実現を目指している。完全自動運転は、自動運転レベルで言うレベル5に相当し、どんな場所も自動で移動できる夢物語ような乗り物だが、Turingはその世界を目指しているようだ。 Turingの自動運転システムは、通常の自動運転時は人間で言う小脳相当のレベル2自動運転を使用し、突発的な事が発生した場合は大脳相当にあたる開発中の自動運転技術を使うのを予定している。 カメラによる視覚情報を高度なAIが人間のように理解して運転を判断できるかと疑問に思う人は多いと思うが、Open AIの高機能チャットボット「ChatGPT」では画像を認識する機能が搭載されている。Turingのようにカメラによる視覚情報を高度なAIが人間のように理解して運転する自動運転技術は可能だろう。 ただ、筆者が気になったのが、AIを動かすためのGPU(画像処理装置)がどれほど必要なのか。GPUは画像を描写するために使われているが、近年注目されている生成AIも膨大なデータを瞬時に計算しないといけないので、高性能なGPUが必要となる。Stable Diffusion等の画像生成AIでもデスクトップタイプのゲーミング用PCに使われているGPUが必要だ。 自動運転を行うのなら画像生成AI以上のGPUが必要になるのは明白だ。Turing Machine Alphaに搭載されているGPUに関して伺った所、NVIDIA製のAIやデータ分析に使われているGPUを3個装備しており、これだけで自動車が購入できる価格とのこと。これは、Turingのカメラ+高性能AIの自動運転システムの問題の1つだろう。この問題に関してはNVIDIAが頑張って自動運転に対応できるレベルの高性能で低価格のGPUが作れるかが重要となるだろう。 車体に関しては、日産の電気自動車「リーフ」をベースにしている。車体デザインやフレームはTuringオリジナルだが、ペダルやハンドル、座席位置はリーフと同じ位置にしているとのこと。これは保安基準に通す際、独自の位置にすると保安基準適合を行う際の時間がかかるため、あえてリーフと同じ位置にしているようだ。 Turing Machine Alphaをよく見ると乗車位置が高めだが、低く構えたスポーツカーみたいに見えるのは、フロントガラスが殆ど無く、独自デザインの鋼鉄フレームを露出させ、車体下部をブラック塗装にすることで車体を引き締めているのもあるだろう。 Turing Machine Alphaの市販は不明だが、仮に市販を行う場合は、まずは光岡自動車・ゼロワンの初期モデルのように組立車登録になるだろう。 Turingは2027年に完全自動運転EVの量産を開始し、2030年には完全自動運転EVの10,000台の生産を目標としているとのこと。どのような完全自動運転EVが登場するのか期待したい所だ。 文:松本健多朗 Turing株式会社 (turing-motors.com)