デイリーアーカイブ Sep 18, 2025
ヤマハ Y-01W AWD 2輪駆動を採用した何でもありのコンセプトEバイク
2023年10月28日から11月5日まで一般公開を行っているイベント「ジャパンモビリティショー2023」(会場:東京ビッグサイト)のヤマハ発動機ブースではコンセプトEバイク「Y-01W AWD」が展示されていた。
Y-01W AWDは、センターモーターと前輪ハブモーターを組み合わせた、両輪駆動のアドベンチャーEバイク。ツインモーターの協調制御、長距離ライドを可能にするツインバッテリーや幅広タイヤ等の採用による走破性で、走れるフィールドの拡大を提案するコンセプトモデルだ。
Y-01W AWDはドロップハンドルを採用しているが、車体設計自体はハードテールマウンテンバイクとなっている。但し、車体に固定されているリアキャリアやハンドル上部に装着したエアロバーを装着しており、グラベルロードやトレッキングバイクの要素をミックスしている。フロントサスペンションはY-00Z MTBと同じくKYB製の倒立フロントフォーク。フォークにはフロントキャリアや4灯式ヘッドライトを装備しており、迫力あるデザインを実現した。
Y-01W AWDの一番の特徴と言えるのがミッドドライブモーターとフロントインホイールモーターを組み合わせた2WD機構だろう。今迄、2WD機構を採用したEバイクは何社か存在したが、多くが前輪と後輪にインホイールモーターを搭載しており、Y-01W AWDのようにミッドモーターとフロントインホイールモーターの組み合わせは珍しい。また、2WD仕様のEバイクは大手のEバイクブランドや部品メーカーは展開しておらず、コンセプトモデルでも大手¥から登場したのは貴重だ。
モーターアシストの前後比率に関しては、基本的には後輪の比率が高いが、急坂や泥濘などの滑りやすい道で後輪のスリップを検知すると前輪のアシスト比率が大きくなるように設計されているとのことだ。また、バッテリーも2個装着したデュアルバッテリーとなっており長距離走行に対応している。
Y-01W AWDの派手なデザインや大手Eバイクメーカーでは見かけない2WDという機構を採用しているのでコンセプトモデルだけで終わるかもしれないが、海外のEバイクでは、自動変速や内蔵ギアボックス、ABS、インフォテイメントシステムが市販車で搭載されているのを見ると、Y-01W AWDのような2WD仕様のEバイクは登場する可能性はあるかもしれない。
文:松本健多朗
ジャパンモビリティショー2023 – イベント | ヤマハ発動機株式会社 (yamaha-motor.com)
Japan Mobility Show (japan-mobility-show.com)
ヤマハ Y-00Z MTB 電動パワステや分割式ドライブユニット構造を採用したコンセプトEバイク
2023年10月28日から11月5日まで一般公開を行っているイベント「ジャパンモビリティショー2023」(会場:東京ビッグサイト)のヤマハ発動機ブースではコンセプトEバイク「Y-00Z MTB」が展示されていた。
Y-00Z MTBは「Yamaha Motor Off-Road DNA」をコンセプトに開発したE-MTBの技術提案。分割式ドライブユニット構造と、電動アシスト自転車「PAS」で実績のある磁歪式(じわいしき)トルクセンサーを搭載したEPS(エレクトリック・パワー・ステアリング)の組み合わせで、オフロード走行における優れた操作性と安定性の両立を実現すると謳っている。
Y-00Z MTBの車体はヤマハ YPJ-MT Proの売りである「デュアルツインフレーム」の発展形。車体デザインの特徴としては、段差や岩に後輪が当たっても、リアスイングアームが上方向に動き高速で走ることができるハイピボットを採用。ペダリングに対して余計な負荷が掛かるキックバックという欠点はあるが、Eバイクに関しては大きな問題にはならないだろう。サスペンションはKYB製で前は倒立フロントフォークとオートバイさながらのデザインとなっている
モーターの特徴は、トルクセンサーとモーターを別体化したということ。ハイピボット化による設計との声が多いが、これは設計の自由度が上がるのと、車体に大穴を開けない事による製造品質向上、リアチェーンステーを短くすることによるハンドリング性能向上などの利点がある。モータースペックに関しては公表されていないが、現在発売されているのとは同レベルのスペックを目標としている。変速機はハブ内蔵の内装9段変速。
ハンドルには電動パワーステアリングを搭載。この機構は既にヤマハのオフロードオートバイ「YZ」の試作モデルで搭載されていたのをE-MTB用に改良したもの。路面のギャップなどでハンドルが取られてしまう場面でも、安定して走行できる特性を採用しているとのこと。一般的な乗用車のパワーステアリングとは違いオートバイのステアリングダンパーの発展形に近いだろう。
https://youtu.be/x0Px4VKikTc
Eバイク業界ではハイテク装備が注目されており、その中でも優勢なのがボッシュだ。ABSやスマートフォンとの接続機能など様々なハイテク装備がある。ハイテクに関してはヤマハ発動機は遅れているが、Y-00Z MTBを見ると、対ボッシュを見据えているように見えた。
文:松本健多朗
ジャパンモビリティショー2023 - イベント | ヤマハ発動機株式会社 (yamaha-motor.com)
Japan Mobility Show (japan-mobility-show.com)
トヨタ ランドホッパー 大企業のトヨタが作る3輪マイクロモビリティは市販化するか
2023年10月28日から11月5日まで一般公開を行っているイベント「ジャパンモビリティショー2023」(会場:東京ビッグサイト)のトヨタブースではランドホッパーが展示されていた。
ランドホッパーは折りたたみタイプの3輪電動パーソナルモビリティ。折りたたみの車体を採用することで、コンパクトカーへの積み込みができる。特定小型原動機付自転車をイメージしており、16歳以上なら誰でも運転できることを想定している。バッテリーはハンドルに装着されているが、これは折りたたみ機構で干渉しないためでもある。
このランドホッパー、市販化を行う噂があるが、筆者が見る限りではその可能性は高いだろう。詳しくない人が見ると派手なコンセプトモデルに見えるが、殆どの部品は市販化が可能なケレン味の無い設計となっている。
特徴的なリーン式の前サスペンションも、形状からしておそらくケイズ技研のシンクロシステムだろう。このシステムはランドウォーカーや豊田トライクに使われていた実績があるので、問題ないだろうお。
特定小型原付と言えば電動キックボードタイプが注目されているが、電動キックボードタイプは重心が高く、車輪が小さいので乗りにくいという問題がある。車体の折りたたみサイズも電動キックボードよりもコンパクトになる。ランドホッパーが高価格帯の電動キックボードと同程度の価格で販売するとなれば、電動キックボードの勝ち目は無いだろう。
文:松本健多朗
関連リンク
トヨタ インフォメーション | JAPAN MOBILITY SHOW 2023 |Find Your Future | トヨタ自動車WEBサイト (toyota.jp)
ケイズ技研 – 技術のケイズ技研株式会社 (kslabo.jp)