デイリーアーカイブ Nov 8, 2025
スズキ、「エブリイ」特別仕様車 Jリミテッド を発売 レジャー志向の外装強化で差別化
スズキは8月20日、軽商用車「エブリイ」に特別仕様車「Jリミテッド」を設定して発売した。ベースは「エブリイ JOIN ターボ」で、趣味やレジャー利用を意識した装備を追加することで、従来の業務用途中心の印象から一歩踏み込んだ味付けを施している。
外観の変更点は視覚的なインパクトが中心だ。車体には専用デカールを配し、ホイールキャップをガンメタリック塗装に変更。ドアハンドル、フロントバンパー、ドアミラー、B/Cピラーをブラックで仕上げ、ヘッドランプは専用のLEDユニットを採用して「精悍さ」を強調している。
これにより標準モデルでは商用車の雰囲気が強かった外観が、流行のアウトドア仕様車の印象となり、個人ユーザーのレジャー需要に応える狙いが明確となった。
価格は2WD仕様が1,835,900円、4WD仕様が1,989,900円(税込)と発表された。標準のJOINターボに比べて専用加飾分の価格上乗せがあるが、装備の差分を考慮すれば競争力のある価格帯に収まっている。
仕様面では、Jリミテッドの出自がJOINターボであることから、後席両側ワンアクションパワースライドドアやフルオートエアコンといった快適装備を備える点はそのまま継承される。安全面でも「サポカーSワイド」対応や、国土交通省の「ペダル踏み間違い急発進抑制装置(PMPD)」認定車に該当するなど、普段使いの安心感を確保している。軽ワンボックスバンでも初期から機能が豊富なのは、JOINターボというグレードが、荷物を沢山運ぶ商用的な使い方だけでなく、通常の街乗りやドライブを両立したい人向けのグレードだというのもある。
では通常のエブリイ(JOINターボ含む)と何が違うか。根本的には走行メカニズムや室内基本仕様、パワートレインは同一であり、走行性能や実用性に大きな差はない。差分は主に外観の専用化と一部の外装・照明のアップデート、ならびに装備の「見せ方」である。つまり、仕事用ユースの効率重視モデルと比べ、見た目の個性やレジャーで映えるスタイリングを優先したモデルと言える
スズキは今回のJリミテッドを「仕事も遊びもこなす」選択肢として位置付け、軽バン市場での用途拡大を図る。軽商用車が個人の趣味用途へ取り込まれるトレンドを反映した一手であり、アウトドアや自転車、サーフィンなどのレジャーと組み合わせた提案が今後の販売戦略の柱となりそうだ。
エブリイ Jリミテッド|スズキ
Luup、三輪・小型の「ユニモ」発表 “誰もが使える”短距離モビリティで公共交通の隙間を埋める
電動キックボードなどのシェアサービス「LUUP」を展開するLuupは8月5日、三輪・小型のユニバーサルカー「Unimo(ユニモ)」のコンセプトモデルを発表した。年齢や性別を問わず“できるだけ多くの人が使える移動手段”を掲げ、2026年度中の複数地域での実証実験を目標に据える。車両区分は特定小型原動機付自転車で、16歳以上は免許不要。車道は最高20km/h、一部の歩道や路側帯では6km/hで走行できる。まずは8月25〜31日に大阪・関西万博の「ロボット&モビリティステーション」で一般初公開される予定だ。
https://youtu.be/1V19-9JwR1o
開発はアイシンと共同、デザインはGKダイナミックスが協力。最大の特徴はアイシンの「リーンアシスト制御」だ。車速やハンドル角から車体の傾斜を自動補助し、三輪ならではの安定性と二輪並みの取り回しを両立させるという。Luupはアプリ連携により最高速度や走行補助の“パーソナライズ”も視野に入れる。車体サイズは長さ130cm、幅59.5cm、高さ120cm、重量は約60kg。既存のLUUPポートに駐輪可能な寸法に収め、IoTモジュールで遠隔管理にも対応させた。
背景には、同社サービスの利用者が20〜50代に偏る現状がある。免許返納後の移動や“最後の1マイル”の足として、より広い層に届く公共的なマイクロモビリティを目指すのが狙いだ。岡井大輝CEOは、各地域の声を聞きながら改良し、「将来的に“これが一番いい”という車両に統一する可能性もある」と構想を語る。
一方で現時点の課題は「コスト」。コンセプト段階ゆえ高スペックだが、量産やシェア導入に向け仕様の最適化と低コスト化を進めるという。2025年度は試乗会を重ね、姿勢制御の設定などについて幅広いユーザーの意見を取り入れていく。
発表直後からネットでも反応が広がった。「やっときたか。本命だ」と歓迎する声が上がる一方、「本当にいいものなら世界でも売れるのでは」と冷静に市場性を問うコメントも見られた。実証開始時期(2026年度)や法区分・最高速度といった基礎情報を押さえつつ、期待と慎重論が同居しているのが現時点の世論の空気だ。
Luupは近年、危険行動検知「LUDAS」やジオフェンシングといった安全対策を強化しており、ユニモでもその知見を生かす方針だ。新車両の投入で安全性・安定性・操作性を底上げしつつ、既存の自転車・キックボード・電動シートボードとあわせて用途に応じた“車両の最適解”を探る。同社は「街じゅうを『駅前化』する」インフラ事業の中核にユニモを位置づけ、公共交通の空白や高齢者の移動課題の解消に挑む。まずは万博での一般公開と試乗会を通じ、社会受容性の見極めと制度・インフラ側の磨き込みが問われる。
LUUP(ループ) | 電動キックボードシェア/シェアサイクルアプリ | Luup(ループ) | 電動キックボードシェア/シェアサイクルアプリ
トヨタ・シエンタに持ち運べる部屋になったコンプリートモデル「JUNO」が登場
トヨタは2025年8月5日、人気コンパクトミニバン「シエンタ」に一部改良を施すとともに、カスタマイズパーツメーカーMODELLISTAと共同開発したコンプリートカー「JUNO(ジュノ)」を発売した。ベース車両となるハイブリッド車「Z」グレードの装備強化に加え、後席と荷室を一体化して“持ち運べる部屋”を実現する新たなライフスタイル提案モデルとして注目を集めている。
まず、ベースとなるシエンタの一部改良では、電動パーキングブレーキとブレーキホールド機能の全車標準化、全車速追従機能付レーダークルーズコントロールの追加、ドライバー異常時対応システムやプロアクティブドライビングアシスト(PDA)に車線内操舵支援機能を新搭載し、安全性能と運転支援機能を大幅に向上させた。
コンプリートカー「JUNO」は、架装メーカー工場で後席と荷室部分を架装した4ナンバー登録の2人乗りバン仕様。荷室部分に設置した着脱式の「家具モジュール」をお好みに応じて組み合わせることで、まるで車内に“自分だけの部屋”を持ち歩くかのような自由な空間演出が可能となっている。モジュールは「リフレッシュ」「フォーカス」「コンフォート」の4タイプのセット構成と、単品購入にも対応。用途や趣味、ワーケーションなど多様なライフシーンに合わせてフレキシブルに組替えられる点が最大の特徴だ。
インテリアは、内装色ブラック、フロマージュ、カーキの3色を設定し、シート表皮には消臭・撥水撥油機能付きファブリックを採用。モジュールの素材や色ともコーディネートしやすく、車内全体を統一感のある居住空間として演出できるよう工夫されている。
価格は、ベース車両(ハイブリッド車・2WD・2人乗り)が3,654,200円(税込)、4WD仕様が3,852,200円(税込)。家具モジュールのセット価格は、リフレッシュが220,000円、フォーカスが231,000円、コンフォートが330,000円。個別モジュールは単品販売も行うため、合計金額は用途や組合せ次第で変動する。
背景には、コロナ禍以降に需要が高まった車中泊やアウトドア、リモートワークといった新たな移動ニーズがある。トヨタとMODELLISTAは、シエンタの高い機動力と燃費性能に加え、「持ち運べる部屋」という発想を注ぎ込むことで、クルマを使った生活体験そのものを提案。
販売は全国のトヨタ店およびMODELLISTA取扱店で開始。注文生産の架装車両となるため、納車までには通常より日数を要する場合がある。問い合わせは最寄りの販売店まで。
トヨタ シエンタ | 特別仕様車 | トヨタ自動車WEBサイト

