スズキ、「エブリイ」特別仕様車 Jリミテッド を発売  レジャー志向の外装強化で差別化

スズキは8月20日、軽商用車「エブリイ」に特別仕様車「Jリミテッド」を設定して発売した。ベースは「エブリイ JOIN ターボ」で、趣味やレジャー利用を意識した装備を追加することで、従来の業務用途中心の印象から一歩踏み込んだ味付けを施している。

外観の変更点は視覚的なインパクトが中心だ。車体には専用デカールを配し、ホイールキャップをガンメタリック塗装に変更。ドアハンドル、フロントバンパー、ドアミラー、B/Cピラーをブラックで仕上げ、ヘッドランプは専用のLEDユニットを採用して「精悍さ」を強調している。

これにより標準モデルでは商用車の雰囲気が強かった外観が、流行のアウトドア仕様車の印象となり、個人ユーザーのレジャー需要に応える狙いが明確となった。

価格は2WD仕様が1,835,900円、4WD仕様が1,989,900円(税込)と発表された。標準のJOINターボに比べて専用加飾分の価格上乗せがあるが、装備の差分を考慮すれば競争力のある価格帯に収まっている。

仕様面では、Jリミテッドの出自がJOINターボであることから、後席両側ワンアクションパワースライドドアやフルオートエアコンといった快適装備を備える点はそのまま継承される。安全面でも「サポカーSワイド」対応や、国土交通省の「ペダル踏み間違い急発進抑制装置(PMPD)」認定車に該当するなど、普段使いの安心感を確保している。軽ワンボックスバンでも初期から機能が豊富なのは、JOINターボというグレードが、荷物を沢山運ぶ商用的な使い方だけでなく、通常の街乗りやドライブを両立したい人向けのグレードだというのもある。

では通常のエブリイ(JOINターボ含む)と何が違うか。根本的には走行メカニズムや室内基本仕様、パワートレインは同一であり、走行性能や実用性に大きな差はない。差分は主に外観の専用化と一部の外装・照明のアップデート、ならびに装備の「見せ方」である。つまり、仕事用ユースの効率重視モデルと比べ、見た目の個性やレジャーで映えるスタイリングを優先したモデルと言える

スズキは今回のJリミテッドを「仕事も遊びもこなす」選択肢として位置付け、軽バン市場での用途拡大を図る。軽商用車が個人の趣味用途へ取り込まれるトレンドを反映した一手であり、アウトドアや自転車、サーフィンなどのレジャーと組み合わせた提案が今後の販売戦略の柱となりそうだ。

エブリイ Jリミテッド|スズキ

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