デイリーアーカイブ May 1, 2025

ヤマハ発動機 ドイツ・ブローゼ製のEバイクユニット事業会社の買収を発表

ヤマハ発動機株式会社は3月31日、ドイツの自動車部品メーカー「ブローゼ(Brose)」が展開する自転車用ドライブユニット(e-Kit)事業子会社を買収する契約を締結したと発表した。買収手続きは競争法などの必要な許認可を得たうえで2025年6月をめどに完了する見込み。あわせて3月に設立した新会社「Yamaha Motor eBike Systems(YMESG)」を本格稼働し、欧州市場を中心に事業拡大とプレゼンス向上を目指す。 ブローゼはドアシステムや電動モーターなどを手掛けるドイツの自動車部品メーカーで、2014年から自転車用ドライブユニット事業を展開。ヤマハ発動機はブローゼの開発機能を取り込み、新製品の企画・開発を強化するとともに、欧州に開発拠点を置くことで現地ニーズへの迅速な対応や新規顧客の獲得を図る。さらに、ブローゼから引き継ぐ600を超えるサービスネットワークを活用し、アフターサービス面でも強化を進めるという。 ヤマハ発動機は2025年2月に発表した新中期経営計画(2025~2027年)で、長期的な成長が見込まれる電動アシスト自転車事業を戦略事業に位置付けている。今回の買収は、同計画で掲げた競争優位性の確立と事業拡大を実現する取り組みの一環として進められるものだ。 ブローゼ製Eバイクユニットは、スペシャライズド・ターボLEVOシリーズやファンティック XシリーズやFAT SPORTといったE-MTBなどで使われていることで知られている。日本国内市場では欧州仕様(日本国内法では公道走行不可)のみの展開となっていたが、ヤマハ発動機の買収で今後の行方が注目されるところだ。 ヤマハ発動機株式会社 製品サイト Brose E-Bike System

古道に新たな息吹 ヤマハ発動機と山守人が挑む“Trail Rebirth Project”始動

山梨県市川三郷町で4月26日(土)、ヤマハ発動機と地域団体「山守人」が手を携え、忘れられつつあった古道を再生する壮大なプロジェクト「Trail Rebirth Project」が幕を開ける。過去と未来、人と自然を結び付けるこの取り組みは、地方創生への一歩として大きな注目を集めている。 プロジェクトは今後10年にわたり、山々の中に眠る古の山道を整備しながら、多くの人々が楽しめる場へとつくり上げることを目指す。会場となるのは「市川公園MTBフィールド」。富士山信仰にまつわる富士講の登山道や炭や氷をそりで運んだ生活道など、さまざまな歴史が詰まった山道を復活させることで、地域への愛着と新たな価値創出を促す狙いだ。 初回イベントでは、整備した古道をマウンテンバイクやハイキング、トレイルランニングなどで実際に走り、歩き、その魅力を体感するプログラムが用意されている。午前8時半から受付を開始し、スキル講習やウォーミングアップを経て、午前10時から現地で作業をスタート。昼食後は再び古道整備に取り組み、午後には生まれ変わった山道を思い思いに楽しむスケジュールとなっている。 参加費は無料(ランチ代1,000円のみ別途要)で、レンタルのMTBやヘルメットの貸し出しもあり、初心者でも気軽に挑戦できる。事前に保険の加入や、未成年の場合は保護者の署名が必要などの条件はあるが、安全管理に配慮したうえで参加者を受け入れる予定だ。 今回のプロジェクトを主導する山守人は、市川公園MTBフィールドの管理運営をはじめ、山梨県内でMTBツアーやイベント事業などを手がける。ヤマハ発動機も電動アシストマウンテンバイク「YPJ-MT Pro」を通じたアウトドア推進で参加し、自然とスポーツを掛け合わせる新たな地域振興を目指す。 豊かな自然や歴史、文化を有する市川三郷町は、温泉や果物、地酒など魅力あふれる土地柄。今回の古道再生をきっかけに、町の新しい姿がどのように生まれていくのか、多くの関心が寄せられている。 「Trail Rebirth Project」は、単なる道の復元ではなく、人々の思い出と物語を再び光の下へ呼び覚まし、新たな世代へつなぐ試みでもある。当日は、参加者たちが力を合わせ古道をよみがえらせる瞬間を目にしながら、歴史と未来を結ぶ大いなる一歩を実感することになりそうだ。 YAMANASHI MTB 山守人

ジヤトコ、電動アシスト自転車事業を本格拡大 次期型とCVTモデルを同時発表

台北国際サイクルショー2025が開幕した3月26日、自動車用トランスミッション大手のジヤトコ株式会社は、開発中の電動アシスト自転車用ドライブユニットに関し、バッテリーやコントローラー、センサー、操作スイッチなどを含む“駆動トータルシステム”として供給できる体制を整えたと発表した。従来はドライブユニット単体のみの提供を想定していたが、今後はハードウエアからソフトウエア適合開発まで一貫して品質保証できる点が特徴となる。 さらに、従来モデル「GA30」の後継となる次期型「GA45」と、変速機構にCVT(無段変速機)を採用したコンセプトモデル「GA-X Concept」の2種類を公開。小型化と高出力化を目指すGA45は、2027年の市場投入を目標に開発を進めている。一方、ジヤトコが得意とするCVT制御技術を応用したGA-X Conceptでは、より高いトルクへの対応に加えて、自転車のペダル位置へ搭載できるミッドドライブが採用され、これまでとは異なるタイプの車両に適合できる可能性を示した。ま自転車やEバイク(電動アシスト自転車)でのCVTは、変速機単体との組み合わせが一般的だが、モーターとCVTトランスミッションとの組み合わせは非常に珍しい。また、今回発表されたGA45とGA-X Conceptは回生充電にも対応する。   ジヤトコは50年以上にわたり自動車向けトランスミッションや電動パワートレイン技術を培っており、そのノウハウを電動アシスト自転車分野にも展開。2025年度中には、同社初のドライブユニット「GA30」がホダカ株式会社の電動アシスト自転車に搭載される予定だ。今回の発表により、製品ラインナップの拡充とともに事業領域をさらに広げ、幅広いユーザーのニーズに応えたい考えだ。 ジヤトコ株式会社 | CVTの世界トップシェア