トヨタは2025年8月5日、人気コンパクトミニバン「シエンタ」に一部改良を施すとともに、カスタマイズパーツメーカーMODELLISTAと共同開発したコンプリートカー「JUNO(ジュノ)」を発売した。ベース車両となるハイブリッド車「Z」グレードの装備強化に加え、後席と荷室を一体化して“持ち運べる部屋”を実現する新たなライフスタイル提案モデルとして注目を集めている。
まず、ベースとなるシエンタの一部改良では、電動パーキングブレーキとブレーキホールド機能の全車標準化、全車速追従機能付レーダークルーズコントロールの追加、ドライバー異常時対応システムやプロアクティブドライビングアシスト(PDA)に車線内操舵支援機能を新搭載し、安全性能と運転支援機能を大幅に向上させた。
コンプリートカー「JUNO」は、架装メーカー工場で後席と荷室部分を架装した4ナンバー登録の2人乗りバン仕様。荷室部分に設置した着脱式の「家具モジュール」をお好みに応じて組み合わせることで、まるで車内に“自分だけの部屋”を持ち歩くかのような自由な空間演出が可能となっている。モジュールは「リフレッシュ」「フォーカス」「コンフォート」の4タイプのセット構成と、単品購入にも対応。用途や趣味、ワーケーションなど多様なライフシーンに合わせてフレキシブルに組替えられる点が最大の特徴だ。
インテリアは、内装色ブラック、フロマージュ、カーキの3色を設定し、シート表皮には消臭・撥水撥油機能付きファブリックを採用。モジュールの素材や色ともコーディネートしやすく、車内全体を統一感のある居住空間として演出できるよう工夫されている。
価格は、ベース車両(ハイブリッド車・2WD・2人乗り)が3,654,200円(税込)、4WD仕様が3,852,200円(税込)。家具モジュールのセット価格は、リフレッシュが220,000円、フォーカスが231,000円、コンフォートが330,000円。個別モジュールは単品販売も行うため、合計金額は用途や組合せ次第で変動する。
背景には、コロナ禍以降に需要が高まった車中泊やアウトドア、リモートワークといった新たな移動ニーズがある。トヨタとMODELLISTAは、シエンタの高い機動力と燃費性能に加え、「持ち運べる部屋」という発想を注ぎ込むことで、クルマを使った生活体験そのものを提案。
販売は全国のトヨタ店およびMODELLISTA取扱店で開始。注文生産の架装車両となるため、納車までには通常より日数を要する場合がある。問い合わせは最寄りの販売店まで。