デイリーアーカイブ Jul 7, 2025

バッタリン・フェニックス ハンドメイドブランドが作るスチール製オーダーメイドの電動ロードバイク

イタリアのスチール製オーダーフレームを製造することで有名なバッタリンから、スチール製オーダーメイドの電動ロードバイク「フェニックス」が登場しました。 フェニックスは、スチールフレームを採用したハンドメイドのEロードバイク。ハンドメイドを謳うEバイクでは、イタリアのトマジーニのグラベルロード「E-Art」もありますが、フェニックスは、Eバイクでも類を見ない、ライダーの体格に合わせたハンドメイドEバイクです。 サイクルロードレース「ジロ・デ・イタリア」を優勝した、イタリア、マロースティカ出身の元自転車競技選手であるジョバンニ・バッタリンは、心臓専門医からの「もう自転車には乗れない」という宣告を受けました。ジロ・ブエルタの2冠を達成に大きく貢献した心臓は、病気により制約する存在となってしまいました。 彼の長年のファンであり医師でもあるティフォソは、ジョバンニ・バッタリンのサイクリングへの情熱を理解し、Eバイクなら心臓に負担をかけずにサイクリングを楽しめると提案しました。 Eバイクは市場に多種多様に存在していましたが、ジョバンニにとって、多くのEバイクは無骨なデザインで、カーボンフレームの硬質さや大きなバッテリーやモーターにより、ジョバンニの心を引きつけるものではなかったとのこと。 また、最近のジョバンニは、柔らかな乗り心地や美しいデザインのオフィチーナ・バッタリン社製の特注スチールバイクの乗り心地に夢中になっており、ジョバンニはその魅力から離れられなくなっていたようです。 そんな中、ジョバンニはライダーの体格に合わせたカスタムメイドのスチールフレームを使用したEバイクの制作を発案。オフィチーナ・バッタリンのEロードバイクの制作は本当に可能なのか。この疑問を胸に、ジョバンニは息子のアレックスや工場の職人たちと共に新しいプロジェクトを立ち上げました。彼らの目標は、スチール製のフレームを使用して完全にカスタマイズ可能なEロードバイクを制作することだった。そして、そのバイクが持つべきは、カスタムメイドフレームの快適さとスチールの滑らかな乗り心地を併せ持つことでした。   Fenixは他のオフィチーナ・バッタリンのフィレットブレイズモデルと同じように見えるデザインを実現。フレームデザインは、コロンバスのGB81オーバーサイズ・スチール・チューブをベースに、プレミアム・モダン・ロードバイクのデザインを再現するために特注。バッテリーはダウンチューブ内に完全に隠されています。また、後方では、カセットの後ろに控えめに隠されたコンパクトなFSAハブモーターを採用しています。 フェニックスには、オフィチーナ・バッタリン独自のステムが付属。完全にCNC加工されたこのステムには、3つのパワーアシストモードにアクセスするためのボタンが組み込まれています。位置も操作も簡単なステムマウントのコントロールは、道路から目を離すことなく、移動中のライドを素早くパワーアップさせることができます。 フェニックスの2023年の生産台数はわずか30台。この限定生産は、品質、クラフトマンシップ、そしてオフィチーナ・バッタリンを選ぶサイクリストが求めるパーソナライゼーションへのこだわりを反映したものと謳っています。 フェニックスには、完成車としてのみ提供され、シマノまたはSRAMの電子制御式グループセットにのみ対応。バッタリンのワークショップでオーナーのサイズに合わせて作られたカスタムスチールフレーム、カーボンフォーク、ヘッドパーツカスタムクロモヴェラート仕上げ(オフィチーナ・バッタリン・プレミアムセレクションから1色)、オフィチーナ・バッタグリン製ステム(塗装済み 塗装済みカーボンシートポスト、塗装済みカーボンハンドルバー、シリアルナンバー入りプレート、FSAハブモーター、ビジョンSLディスクホイール、ジョバンニ・バッタリンのサイン入り証明書が付属。フェニックスの完成車価格は9900ユーロ(約154万円)から。EU圏外での販売は行っていません。 関連リンク Officina Battaglin

フルサスE-MTBで重量12キロ台 デンジャーホルムがカスタムしたスコット・ルーメンeRIDEをチェック

デンジャーホルムは世界最軽量の電動マウンテンバイク(E-MTB)、スコット・ルーメンeRIDEを更に軽量化を行ったカスタムE-MTBを発表した。 スコット・ルーメン900SL eRIDEのカスタムは、単に軽量化するだけでなく、普通のマウンテンバイクに近い乗り心地を追求するというビジョンがあった。 今回のカスタムモデルでは、記録を更新した重量12.90キロの車体だけでなく、同じバイクでトレイル/ダウンカントリー向けのバージョンも用意。こちらの重量も約14キロと驚異的な軽量化を実現した。 スコット・ルーメンeRIDEシリーズは、同社の人力MTBであるスコット・スパークのEバイク版。リアサスペンションのトラベルは120mmから130mmに拡大され、TQドライブユニットとバッテリーシステムを搭載するために形状がわずかに異なるが、基本的なジオメトリーと多くの機能を共有している。 今回のカスタムではフレームの塗装を剥がし、カーボンファイバーの表面を露出させることで、ハードウェアを含めた重量は2072グラムとなった。 バイクの心臓部であるTQ HPR50ドライブユニットは、市場で最もコンパクトで軽量なドライブユニットシステムの一つで、セラミックスピードとMETIの協力を得てさらなる改良を実施。バイクのメインケーブルの軽量化、内蔵バッテリー用のカーボンファイバー製ハウジングの作成、ベアリングの交換、そしてカスタム中空チタン製取り付けボルトなどを装着するなど、一連のチューニング作業により、TQ HPR50システムの総重量は3783グラムにまで軽減された。 ドライブトレインも軽量化の対象で、11速にすることを決定。これはSRAM RED AXS XPLR 12スピードディレイラーを11速にするために、SRAM RED eTap 11速ロードディレイラーの「Pナックル」の使用や、ブラッシュド・ルックを施してさらに軽量化された。 軽量化と同時に性能も追求した結果、サスペンションはSCOTT Spark RCのリモコン式3ポジション・ロックショックスNUDE 5 RLC3リアショックとIntend Samurai TR 130mmフォークを選択。これにより、40グラム近い軽量化が可能になった。 この最軽量Eバイクには、最軽量のブレーキであるトリックスタッフ・ピッコラカーボンが採用されており、非常にスムーズで気持ちの良いレバーフィールを持ちつつ、パワフルな性能を保持しているとのこと。 ホイールは合成繊維のロープスポークを用いたPi Ropeホイールを採用。ホイールはわずか945グラムと非常に軽量で、スチール製のスポークではなく、まるで超軽量の紐のような感触の合成繊維スポークで構成されている。 関連リンク Dangerholm Dangerlumen (r2-bike.com) Dein Partner für Bike, Ski, Running & Moto | Scott (scott-sports.com)

破産したハイテクEバイクメーカー「ヴァンムーフ」 複数の企業が買収に名乗りを上げている状況

オランダで破産を宣告されたハイテクEバイクメーカー「ヴァンムーフ」は、複数の企業が買収に名乗りを上げているとのことです。 Vanmoofと言えば、スマートなデザインとハイテクを売りにしたEバイクで知られており、同社は新型コロナウイルス感染症の影響により売上を伸ばし、2021年9月に1億2800万ドル(日本円で約160億円)の資金調達を実施。同社は世界で最も資金調達したEバイク企業であると謳っていました。 しかし、2020年4月に発表したEバイク「S3」と「X3」で、配送中に発生した傷や損傷、故障など様々なトラブルが発生し、保証期間中の修理・交換費用のコストや、低価格で最大3年間の無料メンテナンスと、盗難にあったバイクが2週間以内に回収できなかった場合の代替モデルを用意するプラン「Peace of Mind保証」による多額の損失による影響で、2023年7月17日に破産しました。 ヴァンムーフの管財人として選出された2人は、既に複数の入札があったことを、オランダのメディア「BRIGHT.NL」が報じています。 Meerdere bedrijven bieden op VanMoof: redding nabij? - Bright 入札の期間は金曜日に終了し、多くの企業が入札し、最終的にはステークホルダーとの協議が行われる予定とのことです。現在、名前を公表しているのは、micromobility.com社のみで、同社は非拘束的なオファーを提出したとのことですが、同社が買収を完了するための資金を持っているのかどうかは明確ではありません。他にも複数の企業が、ヴァンムーフの買収に意欲を示したとどの企業が他に興味を示しているのかは現段階では公表されていません。 噂では、世界最大のプライベートエクイティファンドの一つであるKKRが興味を持っていると言われています。同社は昨年、オランダの大手自転車企業であるアクセルグループを買収している。但し、アクセルグループに関しては、2023年7月の報道で、経営危機に陥ったヴァンムーフに対して資本注入を拒否しています。KKRはヴァンムーフの買収に関してのコメントは行っていません。 他にも噂されているのが大手自転車企業である台湾ジャイアントとアメリカのトレックも買収先として名前が挙がっていますが、両企業もコメントしていません。ドイツからの関心に関する噂もありますが、どの企業に関するものかは明らかではありません。 ヴァンムーフを再スタートする場合は、数千万ユーロが必要だと言われていますが、そのような状況でも、複数の企業が買収に名乗りを挙げているのは、ヴァンムーフにブランド力があるという事だと思われます。ヴァンムーフのオーナーは今後の情報に注視する必要があります。 関連リンク Ride the future with our Electric Bikes | VanMoof