デイリーアーカイブ Sep 19, 2025

自転車用タイヤで有名なパナレーサーが創業70周年 「#ミチと出会おう。」キャンペーンを発表

自転車用タイヤで有名なパナレーサーは、2022年1月10日で創業70周年を迎えたと発表した。 パナレーサーは、1952年(昭和27年)1月10日、ナショナルタイヤ株式会社として設立。 2015年にはパナソニックがベーシック・キャピタル・マネジメントに株式を譲渡したことによりパナソニックグループから離脱し、同年4月1日より社名を「パナレーサー株式会社」となった。婦人用、子供用、電動アシスト用タイヤから、折り畳み、ミニベロ小径車、MTB、ロードバイク、トラックレーサーなどのスポーツサイクル用のタイヤ、さらに競技用を含めた車椅子用タイヤを製造していることで知られている。 パナレーサーは、70周年を記念し「#ミチと出会おう。」をテーマとして掲げ、自転車を切り口に、皆さまに楽しめるような、さまざまな活動を行うとのことだ。 パナレーサー代表取締役社長の大和竜一は、リリースで以下のように述べている。 「1952年(昭和27年)1月10日、ナショナルタイヤ株式会社として設立されました。それから70年、『日本で、たった一つの自転車タイヤ専業メーカー』として、日本で操業し、国内のみならず世界各国へ、弊社の『喜びや楽しみ、安心・安全』をお届けさせていただきました。これもひとえに皆様方のご支援の賜物と感謝申し上げます。 新型コロナウィルスの蔓延から2年が経とうとしており、また、脱炭素社会実現へ向けた取り組みなどの影響により、自転車業界をとりまく環境も急変しております。そのような環境のもと、お客様へ良い製品を、早く、多くお届けできるよう努力している次第です。 今般、皆さまへの感謝をこめ、社会環境の変化やお客様のレジャー嗜好の変化に対応するために、本年1年間を通じ創立70周年記念企画『#ミチと出会おう。』キャンペーンを実施させていただきます。 弊社製品のご提供だけにとどまらず、お客様への様々な情報のご提供等を通じ、お客様の『新たな景色・新たな発見・新たな出会い』へのお手伝いをさせていただきたいと思っております。皆さまに、以前のような落ち着きが取り戻せること、お役に立てることを切に願いつつ、この1年を精進してまいります。 引き続き、ご指導のほどよろしくお願い申し上げます」 関連リンク パナレーサー https://panaracer.com/

リポートオーシャン 電動カーゴバイクの世界市場は2027年まで年平均成長率14.40%で成長すると予想

リポートオーシャンは 1月3日、2022年1月1日に同社が発行した新しいレポートで、電動カーゴバイクの世界市場は、予測期間2021-2027年に14.40パーセント以上の健全な成長率で成長すると予測されていると発表した。 電動カーゴバイクは、大量の荷物を搭載できるように設計された電動アシスト自転車。電動カーゴバイクの世界市場は2027年に5.84億ドルに達する。電動カーゴバイクの世界市場は、2020年には約0.2797億米ドルとなり、2021年から2027年の予測期間には14.40%以上の健全な成長率で成長すると予測されているとのこと。以下、リリースから。 電動カーゴバイクは、荷物、子供、貨物、食品などを輸送する必要がある人に、適応性が高く生産性の高い輸送技術を提供します。電動自転車の典型的な利点に加え、eカーゴモデルには幅広いビジネス上の利点があります。eバイクは100%経費控除が可能なので、人々は購入したものを資本資源送金に計上でき、炭素の印象を節約し減少させることも可能です。交通渋滞に対する懸念の高まりや、排出ガス削減のための政府の取り組みが、予測期間中、電動カーゴバイクの採用につながりました。世界的に見ると、電動バイクは電気自動車を大きく上回っています。2013年に世界で販売された電気自動車は約112,000台でした。これに対して、2013年に世界で販売された電動バイクは約4,000万台です。中国では、自動車よりも電動自転車の方が多く出回っています。2013年の世界の電動自転車の販売台数は、中国が約3,200万台、ヨーロッパが180万台、日本が44万台と続いています。米国は18万5千台と予想されています。しかし、発展途上国では安全な自転車専用道路や駐車場が整備されていないなど、インフラが不十分であることが、2021年から2027年の予測期間における市場の成長を阻害しています。また、電子自転車の規制に対する政府の取り組みが、予測期間中の市場成長を高めると思われます。 電動カーゴバイクの世界市場の地域分析は、アジア太平洋、北米、ヨーロッパ、ラテンアメリカ、その他の地域などの主要地域について考察しています。ヨーロッパは、電気自動車の製造と販売を奨励するインセンティブ、補助金、スキームなどの形で政府のイニシアチブの上昇などの要因のために、市場シェアの面で世界の主要地域であり、アジア太平洋地域の電動カーゴバイク市場の有利な成長の見通しを作成します。 本レポートに含まれる主な市場関係者は以下の通りです: Jiangsu Xinri E-Vehicle Co. Ltd Rad Power Bikes LLC Cero Electric Cargo Bikes Kocass Technology Co. Ltd. Yuba Electric Cargo Bikes Douze Factory SAS, Worksman Cycles Xtracycle Butchers & Bicycles Riese & Muller GmbH 本調査の目的は、近年における様々なセグメントと国の市場規模を定義し、今後8年間の値を予測することです。本レポートは、調査対象となる各地域・各国における産業の質的・量的な側面を取り込むように設計されています。さらに、市場の将来的な成長を規定する駆動因子や課題などの重要な側面に関する詳細な情報も提供しています。さらに、主要企業の競争環境と製品提供の詳細な分析とともに、利害関係者が投資するためにミクロ市場で利用可能な機会も組み込まなければなりません。市場の詳細なセグメントとサブセグメントを以下に説明します。 製品タイプ別: 二輪車 3輪車 四輪車 バッテリータイプ別: リチウムイオン 鉛ベース ニッケルベース 地域別では、以下のように区分されます: 北米 (米国、カナダ、メキシコ) ヨーロッパ(イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、ポーランド、ロシア、オランダ、ベルギー、トルコ、北欧諸国、その他のヨーロッパ諸国)。 アジア太平洋地域(中国、インド、日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、ASEAN諸国、その他アジア太平洋地域) 中東・アフリカ(UAE、サウジアラビア、南アフリカ、イスラエル、クウェート、カタール、オマーン、MEAのその他地域) 南米(アルゼンチン、ブラジル、その他の南米地域) 関連リンク レポートオーシャン https://reportocean.com/industry-verticals/sample-request?report_id=bw2518

自転車の値上げから見る日本のスタグフレーションの危機

新型コロナウイルス感染症の影響で、問題になっているのが世界的な需給変化による商品の値上げ。これは、自転車業界でも自転車本体や値上げが発生している。この件に関して、複数の企業から話を聞くと、筆者は、単純な値上げだけでなく、景気が後退していく中で物価上昇が同時進行する「スタグフレーション」の危険性があると感じた。なぜ、自転車の値上げからスタグフレーションの危険性があると感じたのか解説しよう。 新型コロナウイルスの蔓延で自転車の価格が高騰した理由 新型コロナウイルスの感染拡大で自転車の価格が高騰した理由は様々だ。まず、最初に挙げるのが公共交通機関の使用を回避するための交通手段や、運動手段の1つとしてサイクリングを奨励する所が多く見られ、自転車の需要が高まった。 自転車需要が増大する一方で、急激な需要の増大により供給不足が発生。工場も、新型コロナウイルスの影響により稼働停止に陥る場合もあり、生産ラインのストップや減産を行う事例も発生している。 また、輸送関連も新型コロナウイルスの影響を受け、コンテナ不足による、世界的な物流混乱が発生し、輸送費が大きく値上がり、自転車の価格が高騰している。 自転車はどれだけ値上げしたのか コロナ禍の影響で、様々な場所でパーツや車体の値上げが発生しているのを聞くことがよくある。 ついに年明けからシンコー、共和、パナレーサー、IRCが値上げ発表。 平均して1割前後かと。 一般自転車の修理価格(補修タイヤ)に反映されます....。 — ちいさな自転車家@1/5(水)から営業。1/6(木)も営業してます! (@c_jitensyaya) December 3, 2021 Bianchiの自転車、2022年モデルの価格を、平均で6.7%値上げすることといたしました。ですって〜。 2021年モデル買って良かった…。 待ってたらたぶんロードバイクは買わずに終わっていただろう…。 — ゆーき🚴‍♂️ 🎯 (@yuki0211104) December 20, 2021 特に組み立てが少なくて済む、低価格帯のシティサイクルや街乗りスポーツ自転車などは、他の自転車よりも運送費が高くなる傾向にある。そのため、今までは1万円で購入できた自転車が、1万5000円に値上がっているのもよく見る。 スポーツ自転車に関しても同様で、特にロードバイクの場合は10万円以下で購入できた所謂エントリーモデルと呼ばれるのが、10万円を超えるのも珍しくなく、10万円以下で購入できるロードバイクは非常に少なくなった。 E-Bikeの場合、Specialized Turbo Creo SLは、一番安いCreo SL E5 Comp(URL)が、2021年では55万円(税込、以下同)だったのが、2022年1月現在、73万7000円と、18万7000円に値上げ。クロスバイクタイプのSpecialized Turbo Vado SL 4.0(URL)は2021年モデルでは36万3000円だったのが、2022年1月現在、44万5000円と8万2000円ほど値上げした。 日本市場向けの電動アシスト自転車やE-Bikeを作りたくない工場が出ている コロナ禍により、自転車の値段が上がっているだけならまだ良いが、値上げ以上の不穏な動きを見せている話を聞くことがある。それは、日本市場向けの自転車の製造を拒否している工場が出ているという話だ。 とある自転車企業の話では、海外では、日本市場向けの電動アシスト自転車やE-Bikeを作りたくない工場が出ていると語ってくれた。これは、日本の電動アシスト自転車の単価が安すぎて、製造する旨味が無く、日本市場向けの電動アシスト自転車の製造を拒否し、単価が高い欧州市場や北米市場向けのE-Bikeの製造を行う工場があるようだ。 https://youtu.be/F5qbhbIZVBQ https://youtu.be/l82XE7YaNX0 日本では電動アシスト自転車の価格は10万円台が多いが、欧州市場向けは40万円がスタートラインで100万円を超えるE-Bikeも珍しくない。 欧州市場では、E-Bikeは元々可処分所得が高い層を狙っていたため高価格でも成功し、Riese and MullerやRotWild、HaiBikeなど、欧州の自転車ブランドには、人力自転車からほぼ撤退し、E-Bike専業になった自転車ブランドも存在する。また、大手スポーツ自転車ブランドの中には、売上の半分がE-Bikeという所もある。 可処分所得が高い層を狙っている一例を挙げるとするとドイツ E-MOUNTAINBIKE Magazineの読者調査だろう。この調査は、世界の1万6000人以上のE-MOUNTAINBIKE Magazine読者を対象にした調査で、読者層はドイツが約49パーセント、オーストリアは8パーセント、スイスは7パーセント、平均年齢は50歳。そして、E-MOUNTAINBIKE Magazineの読者の平均世帯年収が76252ユーロ(日本円にして約970万円)との結果だった。(URL) 因みに、E-MOUNTAINBIKE Magazine読者の平均世帯年収は、2020年と比較して1300ユーロ強減少(前年の推定世帯年収は日本円にして約1000万円)したが、この事に関して同誌は、「これはネガティブではなく、私たちのスポーツのアクセシビリティが向上していることのさらなる兆候だと考えています」と述べている。 欧州市場のE-Bikeは50万円台から60万円台は当たり前の時代となっている。例えば、Specialized Turbo Vado 5.0/Turbo Como 5.0はリアキャリアにGarmin Radarセンサーが内蔵され、後ろから迫ってくるクルマを知ることができるハイテク装備を搭載しており、価格は日本円で64万円。(記事) さらに、海外市場では100万円を超えるE-Bikeは珍しくない。アンドラのE-Bikeブランド「Forestal」のカーボンフレーム折りたたみE-Bike「Aryon」の価格は日本円に換算して135万円。Rotwildとコラボレーションを行った「Porsche eBike Sport」は130万円。海外ブランドでは、このような100万円を超えるE-Bikeを展開している所は少なくない。 海外市場ではE-Bikeは車体単価が高く、富裕層のマイクロモビリティという扱いか、DucatiやMV AGUSTA、BMW等の高級自動車ブランドや高級オートバイブランドが参入している。特に、高級自動車メーカーのPorscheは非常に力を入れており、RotWildとのコラボレーションモデルを出すだけでなく、クロアチアのコネクテッドE-Bikeブランド「Gyrpe」の株を取得し、オリジナルE-Bikeブランド「Cyklær(サイクラー)」を立ち上げるなど、全方位でE-Bike市場を攻めている。日本市場向けの電動アシスト自転車を製造せず、欧州市場や北米市場向けに工場が注力するのも理解できるだろう。 日本市場向けの自転車部品を調達しようとしても相手にされない場合がある 日本向けの自転車を製造するのが難しくなっているだけでなく、別の自転車企業は日本市場向けの自転車を作る際、部品を調達しようとしても、部品会社が販売を拒否するという話を語ってくれた。これは、一部の部品会社が需要が大きい欧州市場や北米市場に目を向けている一方で、日本市場をおざなりにしているとのこと。この件は、価格交渉で発生するのではなく、部品会社に日本向けの自転車を作ると打診した時点で交渉が打ち切られると語っていた。 自転車の価格は安くなるか コロナ禍により、ロードバイクやクロスバイクなど様々な自転車が値上げを行っているが、自転車の価格は安くなるのだろうか。 筆者の考えとしては、自転車の価格は安くならないと想定している。世界的な経済がインフレ傾向にあり、自転車の製造などが豊富な資金力を持つ海外に取られている中、日本だけがデフレを行うのは不可能だろう。特に電動アシスト自転車に関しては、海外市場との価格差があるため、製造元確保のためにさらなる値上げが発生する可能性もある。世界的なインフレの中、長年に渡る経済停滞の日本は、給料は上がらず物価だけが上がるスタグフレーションに陥る可能性は高いだろう。 文:松本健多朗