デイリーアーカイブ Jul 6, 2025
ARGYLE(アーガイル) アップサイクル糸使用の自転車ソックス登場
スポーツソックス、機能ソックスを手掛けてきたウネビは6月9日、同社のオリジナルブランド「ARGYLE(アーガイル)」がアップサイクル糸使用の自転車ソックスを発表した。
ウネビは、ファッション産業で地球環境保全を考えた企業活動やSDGsに貢献する対応が求められる中、同社は靴下を製造する際に発生した編みくずや、カットくずなどを廃棄せずに再生利用したアップサイクル糸「Looplus(ループラス)」を使用し環境負荷低減を目指した自転車用ソックスを開発した。
本体に使用しているアップサイクル糸「Looplus(ループラス)」とは、クラボウが開発した、繊維製品の製造途中に発生するの廃棄素材を糸に再生する取り組みから生み出された素材。本製品に使用する糸には靴下の生産途中に発生したカットくず、編みくずなどが素材として含まれている。
ソックスの本体構造は2021年に発売され、同社ブランド「ARGYLE(アーガイル)」自転車ソックスをベースに、同ソックスの機能特長である伸縮性の高い編み方による足とソックスのズレや回転防止機能、滑り止め効果のあるマイクロファイバーをつま先・踵に採用し足のグリップ力向上、再帰反射糸の採用による夜間時走行の視認性向上などを活かしながら、本体に使用する「Looplus(ループラス)」に最適となるように編み方に改良を加えたとのこと。
同社「本製品の製造・販売を通じ、これまで廃棄されていた素材の活用と資源使用量の削減を実現することで、環境負荷低減につながることが期待される」と述べている。
カラーは全2色で価格は1650円(税込)。発売日は2022年6月22日。同社公式オンラインショップを通じて販売する予定。
関連リンク
ウネビ http://unebi-corp.jp/
カワサキ「noslisu 電動アシスト自転車カーゴ仕様」発表 120Lの積載スペースを実現し商用からレジャーまで対応
カワサキモータースは6月13日、電動3輪ビークル「noslisu(ノスリス)」シリーズの新モデル「noslisu電動アシスト自転車カーゴ仕様」(以下、noslisuカーゴ仕様)を発表した。
「noslisu」は、豊富な積載性と安定感のある走行を両立した電動3輪ビークル。今回、発表された「noslisu カーゴ仕様」は、「より大容量の荷物を積載したい」という多くの要望に応えるために開発された。車体中央に積載スペースを確保することで、「noslisu 電動アシスト自転車仕様」、「noslisu EV仕様」を大幅に上回る大容量の積載性を実現。宅配業や小売での配送業務や工場内の搬送など、さまざまな物流シーンでの活用が可能と謳っている。
「noslisu カーゴ仕様」は新形状フレームと、これまでの「noslisu」をベースにリンクを追加した独自の前2輪操舵機構を採用し、大容量の積載スペースを確保しながら、2輪自転車に近いハンドリング特性を両立。また、モーターサイクルの設計技術を活かし、荷物の積載に最適化したレイアウトを実現し、120Lの積載スペースを装備した。他にも、荷物を積載した状態でも安定感のある走行を可能にするために、ステアリング およびシートの位置を見直し、車体中央付近の低い位置に積載スペースを設定している。
ベース車両は「noslisu 電動アシスト自転車仕様」を採用しているため、物流業界におけるカーボンニュートラルの実現、運転免許を持たない方など多様な人材の活用、用途に応じて自動車に代わる代替輸送手段として貢献すると謳っている。
2022年7月より「noslisuカーゴ仕様」を日本郵便株式会社に貸与し、郵便業務での活用の可能性について実証実験を行う予定。今後は、事業用途だけでなく、一般消費者に向けた販売も予定している。
関連リンク
noslisu https://noslisu.jp/
【レビュー】THIRDBIKES FESMOTOR 10万円台の本格クロスバイクタイプE-Bikeの実力は?
E-Bikeを購入する際、気になることと言えば価格だろう。E-Bikeはモーターやバッテリーといった電気関連の部品が装備されているため、従来の自転車よりも高価だ。また、E-Bikeの主要市場である欧州では、プレミアムなマイクロモビリティとして人気があり、大手ブランドのE-Bikeだと40万円台からスタートなのが一般的だ。そのため、日本でも大手E-Bikeの価格は30万円台から40万円台の価格がスタートラインの場合が多い。
そんな中、貴重な10万円台のE-Bikeとして登場したのがTHIRDBIKES FES MOTORだ。THIRDBIKESは、ホダカの自転車ブランド。「ファン」「イージー」「セーフティー」を大切に考え、「あらゆる人が気軽に楽しめるスポーツバイク」をコンセプトにしており、低価格の街乗り用スポーツ自転車をラインナップしている。
FES MOTORは同ブランドで初めてのE-Bike。BAFANG M200ユニットや、脱着可能なインチューブバッテリーを搭載し19万8000円(税込、以下同)と、低価格で登場したことで注目されている。今回、THIRDBIKES FES MOTORを借りることができたので、レビューしよう。
THIRDBIKES FES MOTORの車体をチェック
最初にTHIRDBIKES FES MOTORの車体をチェックしよう。アルミフレームを採用した車体は、脱着式のインチューブバッテリーを採用。この価格帯の電動アシスト自転車・E-Bikeは、一般的に外付け式の出っ張ったバッテリーを採用していることが多いため、10万円台ですっきりとしたデザインは貴重だろう。
バッテリー容量は36V 10.4Ah 374Wh。コスト削減のためかフレームサイズは1種類のみ。シートポストも一番下まで下げることができるように、短いシートポストが装着されている。身長175センチメートル以上の人は、別途シートポストを購入することをオススメする。
ギアはシマノ・ターニー 外装7段変速でボスフリーを採用。ブレーキは機械式ディスクブレーキ。
ヘッドライトはHapysonで、パナソニックの電動自転車用ライト、バッテリーライト等を製造していた会社。ディスプレイはBAFANGのLED表示タイプ。LEDでアシスト力の強さやバッテリー容量を表示する低価格タイプとなっている。
コスト削減で安い部品を装備しているが、抑えている所は抑えているパーツ類
E-Bikeの本場である欧州市場では、大手ブランドのE-Bikeは40万円からスタートするのが一般的だ。日本では高価格だと思う人が多いが、ドイツでは、これだけ高価なE-Bikeがオートバイの10倍以上の年間200万台の販売台数を達成(記事)している。大手ブランドのE-Bikeの価格は、本場欧州市場の動向などから見て、値上がりはあると思われるが、値下がりはありえないと思って良いだろう。
そのような状況から見るとTHIRDBIKES FES MOTORの19万8000円は非常に安い。他社の類似モデルでも、10万円台でクロスバイクタイプのE-Bikeがあるが、そのようなE-Bikeは、ホイールにモーターを装備したインホイールモーターを採用しているのがほとんどだ。
THIRDBIKES FES MOTORに搭載されている「BAFANG M200」はBAFANGが製造するミッドモーター「Mシリーズ」のエントリーモデル。車体中央部に装着し、クランクにアシストを加えるミッドモーターは、重量配分の適正化、モーターが大きくすることができるため、出力向上を行うことができるなど、様々な利点がある。そのため、Bosch、Shimano、Yamaha、Brose、Specialized SL(MAHLE)など、大手プレミアムブランドのE-Bikeがミッドモーターを採用している。
一方で欠点は、モーター単体の重量が比較的重い、構造が複雑なのでモーターの価格が高価になること。THIRDBIKES FES MOTORのBAFANG M200モーターの価格は公表されていないが、恐らくその辺を走っている安売り電動アシスト自転車と同じか、それ以上に高価だろう。
某社いわく「我が社はBAFANG M200を搭載して、この価格に抑えるのはできない」と言わしめたほど安いTHIRDBIKES FES MOTORだが、実際に見ると、ブレーキレバーは本体にプラスチックを採用している廉価版を装着しているなど、安いパーツを採用している。ただ、タイヤはブランド名は不明ながら、E-Bikeの走行にも耐えることができる硬めのタイヤを装備しており、抑えている所はきちんと抑えている。
長距離を走ると馬脚を表すFES MOTOR
今回、THIRDBIKES FES MOTORを街乗りからヒルクライムまで試してみることにした。FES MOTORに搭載されているモーター「BAFANG M200」のスペックは定格出力250W、最大トルク65Nmを発揮する。モーター音は無音クラスで静かなのが特徴だ。
BAFANGはモーターは供給するが、アシストのチューニングはメーカー独自で設定できる。THIRDBIKES FES MOTORのチューニングに関しては、長距離を走ると馬脚を表していると感じた。
FES MOTORのチューニングを言葉で表すと、「いきなり発進させないように弱いアシストで発進し、そのまま弱い踏力トルクの状態で漕ぐと弱いアシストで走る。さらに踏力を強くすると、モーターが力強いアシストが必要だと判断し、アシスト力を増やす」という感覚でアシストを行うようだ。
E-Bikeで時速20キロ以上で走行し、そこからさらに加速する場合、人間の脚はトルク重視で踏んで加速するより、脚を高回転で回してパワーを出したほうが速く走ることができる。この時、モーターは脚を高回転で回しており、踏力トルクが少ないため、FES MOTORのモーターは「いきなり発進させないように弱いアシストを作動させ、そのまま弱い踏力トルクの状態で漕ぐと弱いアシストで走る」と判断しているようだ。そのため、平地では他のE-Bikeと比較して、時速20キロ以上で走行する場合のアシスト力が弱い。
「いきなり発進させないように弱いアシストを作動させ、そのまま弱い踏力トルクの状態で漕ぐと弱いアシストで走る」というアシストチューニングで一番問題なのが、長い上り坂を走る場合だ。
今回、総距離約58キロ、獲得標高1618メートルのヒルクライムコースである青梅駅から柳沢峠までテストで走行した。
このような長い上り坂を走る場合、弱い踏力トルクでペダルをクルクル回すようにして上るのが一般的。これは、強い踏力でトルクをかけ続けると人間が直ぐに疲れてしまい走れなくなるのと、弱い踏力トルクでペダルをクルクル回すと脚力側のパワーが強くなる。出力(w)の式「2π xトルク(Nm)×ケイデンス(rpm)/60」を計算すれば直ぐにわかるだろう。
しかし、FES MOTORの場合、弱い踏力トルクでペダルをクルクル回すようにして走ろうとすると「そのまま弱い踏力トルクの状態で漕ぐと弱いアシストで走る」と判断し、弱いアシスト力で走ろうとする。今回の柳沢峠ヒルクライムでは、今までのE-Bikeでは、比較的アシスト力が弱いモードで走る場面でも、一番パワフルなモードを使わざるをえないことが殆どで、頂上まであと5キロの地点で電池切れとなった。
なぜ、このようなアシストチューニングになったのか推測すると「平地のみでチューニングを行った」「初心者向けで発進時の飛び出しを抑えている」だと思われる。「初心者向けで発進時の飛び出しを抑えている」に関しては、THIRDBIKESのコンセプトである「ファン」「イージー」「セーフティー」を意識しているのだろう。
可能ならアシストチューニングを「”時速0キロからの発進では”いきなり発進させないように弱いアシストで発進し、そのまま弱い踏力トルクの状態で漕ぐと弱いアシストで走る。さらに踏力を強くすると、モーターが力強いアシストが必要だと判断し、アシスト力を増やす。”走行中はいきなり発進させないように弱いアシストで発進するアシストはキャンセルし、通常のアシスト力を作動させる”」と、複雑な条件設定にすれば、飛び出し抑止とスポーティなアシストは両立すると思われる。
また、シンプルな解決方法としては、アシストチューニングを通常の仕様と同じにしつつ、ブレーキを握った時にアシストを遮断する「ブレーキカットオフ機能」を入れる方法も考えられる。
なぜ、THIRDBIKES FES MOTORのアシストチューニングが悪いと明確に言うことができるのは、THIRDBIKES FES MOTORと同じモーター「BAFANG M200」を搭載した「ESR VENTI」(記事)に乗っているからだ。
ESR VENTIのBAFANG M200(ESRチューニング)は、Bosch Active Line...