デイリーアーカイブ Jul 12, 2025
スクランブラースタイルのE-Bike 東洋フレーム AECを解説
E-Bikeと言えば、オフロード走行を楽しむE-MTBや楽にサイクリング可能なE-クロスバイク等、スポーツモデルが多い。一方で、従来のE-Bikeには無いファッショナブルなモデルが登場している。
ロードバイクやシクロクロスのフレームを製造している東洋フレームもE-Bikeをラインナップしている。「AEC」と名付けられたE-Bikeの特徴は、E-MTBやE-クロスバイク等とは違うクルーザースタイルだということだ。
フレームはビーチクルーザーとマウンテンバイクをかけ合わせたデザインだ。それだけでなく、オートバイみたいなダブルクレードルフレームにドライブユニットを装着するなど、細かい形にもこだわっている。また、オフロード走行を行えるだけの強度を持っていると語っていた。フロントフォークはKOWA SPINNER AERIS320-15。コンポーネントは変速機からディレイラーまでシマノDEORE M6000が搭載。但し、今回試乗したのはカスタムモデル。写真上のモデルはフロントフォークをRockshox、ギアはXTに換装されていた。
E-スクランブラーという表現が合う東洋フレーム「AEC」
東洋フレーム AECをビーチクルーザータイプのE-bikeだと考えると違和感がある。それは、スポーツサイクルの雰囲気に近い車体設計とドライブユニットにある。乗車姿勢はアメリカンバイクの低く、脚を前に出したタイプではなく、アップライトな一般的な自転車のポジションだ。また、AECに装備されている「SHIMANO STEPS E8080」は、本格的なE-MTBに使われているスポーツタイプ。脚を高回転で回して楽しむためのユニットで、ゆったりとした姿勢で乗るには非常に歯がゆい。
クルーザータイプのE-bikeなら、東洋フレーム AECよりElectra Townie Go!のほうが優秀だ。Townie Go!の起き上がった姿勢と脚を前に出す乗車ポジションと、静かでトルク重視のBosch Activeline Plusユニットがマッチしており、ゆったりとした運転が楽しめる。
https://www.cyclorider.com/archives/25149
ビーチクルーザーとして見るとAECの評価は低いが、クルーザーとしての色眼鏡を外すと別の視点が見えてくる。オフロード走行可能なフレームに、マウンテンバイクの部品が装着でき、スポーツタイプのドライブユニット「SHIMANO STEPS E8080」が搭載されている。これは只のE-ビーチクルーザーではなくて山も走れるファッショナブルで多目的なE-Bikeなのだ。
https://www.youtube.com/watch?v=C8X4VMFwuvk
オートバイで例えるのならスクランブラーだろう。スクランブラーとは、オンロード用オートバイに、車高を上げブロックタイヤ等を装備しダートも走れるオートバイ。日本では、1970年代前半に道路の舗装が進み、大型オートバイとオフロード走行に特化したトレールモデルのヒットに伴い絶滅した。
https://www.youtube.com/watch?v=nWyiF1C1D70
世界的に絶滅したスクランブラーだが、海外メーカーを中心にスクランブラーが復活しつつある。これは、オンロード・ダート走行が行えるだけでなく、クラシックな雰囲気のイメージがありながら明確なイメージが定まっていないのもある。
好例がドゥカティ・スクランブラー。ダートも走れるオンロードオートバイという意味の「スクランブラー」だけでなく、掛け合わせる「スクランブル」の意味もかけ合わせ、舗装路のスポーツライドも行えるカフェレーサーや、アドベンチャータイプをラインナップした。それだけでなく、スクランブラーブランドのアパレルも用意し、従来のドゥカティとは違うファッショナブルなオートバイとして売り出している。そのため、近年はスクランブラー≒クラシックなデザインのオフロードオートバイという間違った認識(スクランブラー衰退期には国産4社はSL、RT/DT、TR、ハスラーなどのトレールモデルがあった)も生まれている。
AECをE-ビーチクルーザーではなく、スクランブラースタイルと見ると別の評価になる。カスタムしたくなる独特の形状のフレームに、マウンテンバイクのパーツが装着できる設計で改造しやすい。ドライブユニットはShimano STEPS E8080なのでスポーティな走りも可能で、フレームもオフロード走行できるため、林道ぐらいなら楽しめるだろう。
スクランブラースタイルとも言えるE-bikeの東洋フレーム AEC。欠点は価格で450,000円(税抜き)と高価な所。125ccのカスタムオートバイのコンプリートモデルよりも少し安いだけで、カスタムE-Bikeのコンプリートモデルとして認識されるかが課題だろう。
https://toyoframe.com/
盗難補償があるスポーツ自転車 ブリヂストン・CYLVAシリーズを解説
ブリヂストンの街乗り用自転車ブランド「グリーンレーベル」の中で、CYLVAシリーズはケレン味がないロードバイク、クロスバイク、折りたたみ自転車をラインナップしている。2017年モデルからはストリート系のグラフィックは廃止し、BRIDGESTONE GREEN LABELロゴをフレームに貼り、落ち着いたスタイリングになった。
出典:CYLVA F24|CYLVA|BRIDGESTONE GREEN LABEL
CYLVAシリーズで一番注目する所は、三年間盗難補償がある事だ。
三年間盗難保証は、条件を満たした場合で自転車が盗難された場合、僅かなお金で自転車を手に入れることができる制度。一般的なスポーツ自転車には採用されていないが、CYLVAシリーズには全車に盗難補償が付帯されている。
参考:各種補償制度、防犯登録 | お客様サポート | ブリヂストンサイクル株式会社
この3年間盗難補償はお買上げと同一車種(生産中止又は価格変動等が発生した場合は最近似の自転車・盗難補償は1回のみ有効)を自転車は3,000円(税抜き)、電動アシスト自転車は標準現金価格の30%で代替車として購入できると、非常にお買い得な制度だ。ちなみに従来の1年間盗難補償の場合、お買い上げ車と同じ新車(生産中止、または価格変動の場合は最近似の自転車)を標準現金販売価格の60%に消費税と組立手数料(大人車2,500円(税抜き)、幼児・子供車2,000円(税抜き))を加えた価格で代替車として購入できるとなっているため、以下にお買い得な制度なのかがわかるだろう。
CYLVA FR16:フラットバーロードバイク
CYLVAシリーズ唯一のフラットバーロードバイクなのがCYLVA FR16。クロスバイクのCYLVA F24に似ているが、FR16はやや前傾姿勢で乗れるため、スポーティな乗車姿勢を実現した。
ブレーキはロードバイクタイプのキャリパーブレーキを採用。FR16のブレーキは、通常のロードバイクタイプのキャリパーブレーキよりも、サイズが大きいロングアーチブレーキを採用している。ギアはロードバイク用の前二段、後ろ八段を採用し、クロスバイクのF24よりも細かいギア比を採用しているスピード重視のギア比となっている。タイヤ幅も28ミリの細めタイヤを採用し、舗装路をスポーティに走れる物を装着した。
CYLVA FR16の一番の特徴は、純正ドロップハンドルキットがオプションで存在する事だ。あとからドロップハンドルが装着できるので、初心者でも安心の自転車とも言える。
全体的な設計は、汎用性が高いフラットバーロードバイクだ。一般的なフラットバーロードバイクは、ロードバイクの設計のままフラットハンドルを装着するため、荷台や泥除けが装着できない、直進安定性を犠牲にしてクイックなコーナーリングを重視したため、街乗りでは不安定という欠点がある。
CYLVA FR16は、本格的ロードバイクのレーシーな設計をやめた一方、サイドスタンドや泥除け、荷台が装着できるため、他のフラットバーロードバイクでは珍しい汎用性を持っている。
CYLVA F24:クロスバイク
初心者にも乗りやすくてお買い得なクロスバイクの1つがCYLVA F24だ。タイヤ幅は32ミリとママチャリよりも少し細いだけのタイヤ幅は、歩道の段差の通過にも安心感があり、タイヤもパンクリスクを軽減するプロテクターをタイヤに搭載している。フレームサイズは4種類と比較的幅広い身長に合わせることができる。普通のクロスバイクでは標準装備されないスタンド、ライトが標準装備されているため、後から購入しなくてもいい。
マウンテンバイク並に軽いギアがあるギア比は、きつい峠越えも苦にならず、裾が痛みにくい簡易ガードは装備されている(但し裾バンドは持っていたほうが良い)。泥除けや荷台の純正オプションがあるので快適街乗り仕様に変更が可能となっている。
部品構成も5万円台のクロスバイクには採用されにくい、シマノ製Vブレーキやボトムブラケットを採用し、3年間盗難補償で万が一の盗難にも対応可能と至れり尽くせりすぎるクロスバイクとなっている。非常にお買い得な一台でケチを付ける部分が無いほどだ。あえて言うのならスポーク数が少し少ないホイールだけだろう。
CYLVA F6F/F8F:折りたたみ自転車
CYLVAシリーズの折りたたみ自転車であるCYLVA F6F/F8F。一番の特徴は、ハンドルとサドル間の長さが短いため、小柄な人でも自然な乗車姿勢を実現した事だ。エントリーモデルのF6Fは、太めのタイヤを採用し、安定性を重視しているのに対し、上級モデルのF8Fは細いタイヤを装着して舗装道路のスポーティな走りを楽しめるモデルとなった。
https://www.cyclorider.com/archives/14887
トランジットコンパクト風折りたたみ自転車「MOBILLY ONE」を解説する
超小径折りたたみ自転車は、走行性能よりも折りたたんだ状態の性能を重視している。今回紹介するMOBILLY ONEはXフレームを採用し低価格で購入できる超小径折りたたみ自転車だ。
MOBILLY ONEのフレームはスチール製を採用した。車体重量は13.8kgと重いが、これはフレームの重さだけでなく、泥除けや荷台が装備されているのもある。折りたたんだ状態のサイズは755×1100×500mmと、一般的な超小径自転車としては大柄だ。これは折りたたんだ状態でも車輪で転がして移動できるためだ。
タイヤ/ホイールのサイズは、12×2-1/4インチ。車輪が非常に小さいため段差や荒れた道の運転には注意しよう。ギアはシングルギアのため短距離向けと割り切ろう。
かつて存在したブリヂストンサイクル・トランジットコンパクトと比較する
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こよっぴ(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾さん(@koyo0918)がシェアした投稿 - 2018年 6月月22日午後5時07分PDT
MOBILLY ONEを見て、多くの人が真っ先に思い浮かべるのが、かつてブリヂストンサイクルから登場したトランジットコンパクトだろう。2008年に生産終了したトランジットコンパクトは、MOBILLY ONEの先祖と言えるが、両車を見ると様々な所に改良点を加えている。
MOBILLY ONE
フレームはボトムブラケットとシートチューブ部に補強が加えられている。これはトランジットコンパクトでは見られなかった物だ。ホイールもトランジットコンパクトではプラスチック製のホイールだったが、MOBILLY ONEでは一般的な自転車と同じスポークホイールになった。強度面も向上している。また、MOBILLY ONEには泥除けと荷台が装着されているので実用性も強化された。一方、トランジットコンパクトの利点は車体重量で12.8kgと軽量だった。MOBILLY ONEは車体重量13.8kgと重いが、泥除けと荷台を外した場合の重量が気になる。
低価格で購入でき、独創的なデザインで多くの人に愛されたトランジットコンパクト。今でもネットオークションや中古市場では高値が付く状況だが、MOBILLY ONEの登場でその流れも変わるだろう。
https://www.cyclorider.com/archives/32391
https://www.cyclorider.com/archives/36313
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