E-Bike (電動アシストスポーツ自転車)は、通勤やレジャー用だけでなく、軍用車両としても注目されている。これは従来の自転車やオートバイよりも静かで小回りが効くため、従来の軍用車両ではできなかった扱い方ができるため、様々な軍隊が注目しているようだ。
電動アシストバイクは自動車と比べて小型で誰でも扱え、担げば狭く険しい悪路へも侵入出来る。長くて重い荷物(意味深)を運ぶことも可能
(電源の問題はあるけど)完全に紛争地帯向けなんだよなぁ
127台のe-MTBがきな臭い山岳エリアを駆け回るのをつい妄想してしまった…
— Teppei (@Teppei92983090) February 18, 2022

一例を挙げると、アメリカの「Quietkat」社(URL)は、同社のE-Bikeを軍用としてフリート販売を行うと公式サイトで掲げている。
E-Bikeを実戦導入できるかテストを行っている軍隊も存在する。オーストラリア陸軍は2021年10月に、ステルス偵察用E-Bikeを試験導入した。このE-Bikeは、最高速度90キロ、航続距離100キロを発揮し、世界的な市販E-Bikeとは違う性能を持っている。

このE-Bikeは、ボクサー戦闘偵察車のルートの確認や、小川を偵察して車両を通せるかどうかを判断したりと、偵察作業に使用されている。また従来のオートバイと比較して、パワーや騒音が少ないので、足跡も最小限で済み、敵軍から見えるような埃をあまり舞い上げない利点もあるようだ。
オーストラリア軍だけでなく、イタリア軍もE-Bike導入している噂があり、2021年3月には、Villa Bassa(BZ)にある第6アルプス連隊に、FANTIC製E-Bikeを軍事利用するテストを実施した。

テスト車種はFANTIC製のフルサスペンションE-MTBと、ファットタイヤE-MTB「FAT SPORT」。オーストラリア軍とは違い、一般的な市販E-Bikeを使用している。
イタリア軍が軍用車両としてE-Bikeを導入した理由は、アルパイン部隊の山中襲撃で得た経験から、アルパイン小隊や偵察部隊が山道や山岳戦という近代的な状況で使用するために、環境や音響への影響が少なく適切な移動手段を持つ必要があり、E-Bikeを選択したとのこと。

また、リトアニアにあるNATOエネルギー安全保障センターで、戦術・作戦環境における電動自転車の使用に関する研究の深化を目的とした協力関係を構築しているとのこと。E-Bikeが軍用車両として注目される流れは続きそうだ。
関連リンク