軽くて洒落たシティ系E-Bike「Specialized Turbo Como SL」を解説 グレードの違いによる走行感覚の違いも紹介

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日本では軽さを重視したE-Bikeで一躍有名になったアメリカの自転車ブランド「Specialized」。SpecializedのE-Bikeと言えば、ロードバイクタイプのTurbo Creo SLや、マウンテンバイクタイプのTurbo Levo SL、Turbo Kenevo SL、クロスバイクタイプのTurbo Vado SLなど、様々なE-Bikeを展開している。

数あるSpecialized製E-Bikeの中でも異色なのがTurbo Como SLだろう。今回、Turbo Como SLに触れる機会があったので、Turbo Como SLに関して紹介しよう。

Turbo Como SLの車体、走行感覚をチェック

Specialized Turbo Como SL 5.0

Turbo Como SLで特徴的なのが前カゴ。多くのシティコミューター系E-Bikeでは、前カゴがついていない事が多いが、Turbo Como SLには標準装備されている。前カゴは樹脂製でたわむようになっている。前カゴには最大15キロの荷物を積むことが可能だ。

Specialized Turbo Como SL 5.0

前カゴは、車体に装着されたフロントキャリアに取り付ける方式。そのため、ハンドルを切っても、かごは動かないようになっている。これにより、重い荷物を搭載してもハンドリングに影響が無い。ただし、ハンドルを曲げてもカゴが動かないので、慣れが必要だ。かごを外しても大型のフロントキャリアになるので、飽きたら前カゴを外すのも面白いかもしれない。

Specialized Turbo Como SL 4.0

独特の形状を採用したハンドルは、やや手前に曲がっており、長時間走行しても手首が痛くなりにくい。ハンドルは高い位置にあるため、アップライトな乗車姿勢となる。構造上ステムと一体になっているため、ハンドル交換によるカスタマイズはできない。

Specialized Turbo Como SL 5.0

油圧ブレーキのオイルラインや、シフトワイヤーはハンドル内蔵型を採用し、すっきりとしたスタイリングを実現した。スイッチに関してはトップチューブに装着されたTCU(Turbo Control Unit)のみで、ハンドルにはスイッチは装備されていない。そのため、アシストモードの変更を行う場合ハンドルから手を離して行う必要がある。

Specialized Turbo Como SL 4.0

車体(フレーム)は、一般的なスポーツサイクルでは見られない、跨ぎやすいデザインを実現。乗車姿勢は、VADO SLよりもアップライトなのが特徴だ。

走行時の感覚はクロスバイクタイプのVADO SLとは全く違う。筆者はSpecialized Turbo VADO SLを所有しているが(記事)、VADO SLは直進安定性とハンドリングのバランスをとったスポーツサイクルらしい走りが楽しめるE-Bikeだ。

一方、Turbo Como SLは、直進安定性を重視している。直進安定性が高いと低い速度でも、自然と車体が直進するため、体に力を入れない状態でゆったりと走ることができる。また、Turbo Como SLは、直進安定性を高くしているために、車体中心部から後輪の車軸部分(リアセンター)を長くして、後輪荷重を抑え、車体の前後荷重バランスを取っているのも注目したい。アップライトポジションを取る場合、リアセンターを長くしないと、後輪に極端な荷重がかかり、後輪のタイヤがベタベタとした摩擦がある感覚が残る。

しかし、Turbo Como SLはリアセンターを長くしているため、後輪荷重が良い塩梅で、ベタベタとした感覚が無く、漕ぐのをやめた状態でもスッと綺麗に車輪が転がっていく。タイヤも2.3インチと太めで、スリックタイプのタイヤを装着しているので段差や荒れた道もリラックスして走行できる。アップライトな乗車姿勢と、低速でも安心して、スピードを重視しない独特の気持ちよさを持っていると感じた。

ドライブユニットはSpecialized SL1.1。SpecializedのE-ロードバイク「Turbo Creo SL」や、E-MTB「Turbo Levo SL」に搭載されている。一般的なE-Bike用ドライブユニット(定格出力250Wクラス)よりも、最大出力240Wと低出力で、最大トルク35Nmと低トルクにすることで、ドライブユニットの重量を僅か1.95キロと軽くすることに成功した。

Specialized SL1.1のアシストの味付けは、モーターの力に頼らせないで、人力で漕いでいる感覚を重視していること。人力走行時に発生する不快な領域をカットしてくれる感覚だ。

Turbo Como SL 5.0とTurbo Como SL 4.0の違いとは?

Turbo Como SLシリーズには、内装8段変速とベルトドライブを組み合わせたTurbo Como SL 5.0と、内装5段変速とチェーンドライブを組み合わせたTurbo Como SL 4.0の2モデルを用意している。ここではTurbo Como SL 5.0とTurbo Como SL 4.0の違いを紹介しよう。

Specialized Turbo Como SL 5.0

最初に試乗したのは上級モデルのTurbo Como SL 5.0。メンテナンス頻度が少ない8段変速のAlfine内装ギアハブとGatesベルトドライブを採用した上級モデル。 内装8段変速により、Como SL 4.0よりも細かく変速でき、チェーンに油がつかない利点がある。価格は46万2000円(税込)。

Specialized Turbo Como SL 5.0

Turbo Como SL 5.0は、シティサイクルのようなスタイリングだが、走りはE-Bikeと言える走りを実現している。特に良いと思ったのは、シマノ アルフィーネ 内装8段変速とGATES製ベルトドライブの組み合わせだ。

シマノ アルフィーネ 内装8段変速は、一般的な電動アシスト自転車で使われているNEXUS(ネクサス)とは違い、よりスポーティなフィーリングを実現した内装変速機。変速機内部にオイルを使うことでギアの内部抵抗を減らし、スポーツサイクルのように軽快に漕いでも摩擦が少ないのが特徴だ。

一般的な内装変速機(シマノ NEXUS)でスポーツサイクルのように漕ぐと、内部抵抗によりもっさりとした感覚があるが、アルフィーネは、そのようなもっさり感がなく軽快に走ることができる。そして、ベルドドライブは注油がいらないだけでなく、芯が入った柔らかな踏み心地という利点も持っている。Turbo Como SLは街乗り用のE-Bikeという扱いだが、Turbo Como SL 5.0は、バニアバッグを積んで、遠くに行ってみようと思う性能があり、街乗りだけではもったいないと思った。

Specialized Turbo Como SL 4.0

エントリーモデルのTurbo Como SL 4.0は、メンテナンス頻度が少ない5段変速のNEXUS内装ギアハブを採用。内装5段変速により、シティライドを重視したモデルとなっている。価格は39万6000円(税込)。

Turbo Como SL 5.0を知った後に、Turbo Como SL 4.0に乗ると一気に現実に引き戻される気分を感じた。Turbo Como SL 4.0に搭載されているシマノ NEXUS 内装5段変速は街乗り用の内装変速機で、Turbo Como SL 5.0に搭載されているアルフィーネと比較すると、ギアの段数が3段少なく、ギア比も重い。また、アルフィーネと比較すると内部ギアの摩擦が大きいと思われる。

そのため、最初の漕ぎ出しは軽快だが、Turbo Como SL 5.0と比較すると、若干のまとわりつく感覚がある。この感覚は、あくまでもTurbo Como SL 5.0と比較すればわかる程度の違いだが、この違いは大きい。Turbo Como SL 4.0は、より街乗り向けのモデルとなるだろう。

Turbo Como SLシリーズは、富裕層向けのシティコミューター

Specialized Turbo Como SL 4.0

Specialized Turbo Como SLを一言で表すと「富裕層のためのシティコミューター」。このようなシティタイプのE-Bikeは、社会的、金銭的に非常に裕福な富裕層が気軽にポンとお金を出して購入するE-Bikeだ。よくE-Bikeを購入する時、同価格帯のオートバイと比較する人がいるが、Turbo Como SLを購入する層にとっては、オートバイとE-Bikeを比較するのなら、オートバイとE-Bikeを両方購入するのが当たり前だろう。

Specialized Turbo Como SL 4.0

今回、上級モデルのTurbo Como SL 5.0と低価格モデルのTurbo Como SL 4.0に比較する機会ができたが、筆者ならTurbo Como SL 5.0をお勧めする。

個人所有の乗り物は、ある程度高価になると、世界の広がりを見せないといけないと考えている。筆者がComo SL 5.0を評価しているのは、TREK Rail 9.7(記事)、Specialized Turbo Levo SL(記事)、YAMAHA YPJ-MT Pro(記事)、プロトタイプの「STROKE Cargo Trike T4」(記事)など、様々なE-Bikeに乗り、実際にE-Bike「Specialized Turbo Vado SL 4.0」を所有しているのもあるかもしれないが、街乗り用E-Bikeでも世界の広がりを見せる必要がある。

この記事を読み、Turbo Como SLを購入したいと考えている人は、恐らく可処分所得が非常に多い人だ。Turbo Como SLを購入するのなら、躊躇せず最上級モデルのComo SL 5.0を買おう。

Turbo Como SL 4.0のスペック

 

  • フレーム:E5 Aluminum, bottom bracket motor mount, fully integrated downtube battery, internal cable routing, fender and front rack mounts, Smooth Welds
  • フロントフォーク:Turbo Como SL one-piece-design aluminum fork, 12x110mm thru-axle
  • 重量:-
  • ブレーキ: TRP Flow Set Control, hydraulic disc
  • ギア(前):Custom alloy forged crankarms 40T
  • ギア(後):シマノ NEXUS 内装5段変速
  • フロントホイール:650b disc, double-wall alloy, pinned, 24h+Specialized alloy front hub disc, sealed cartridge bearings, 12x110mm, Center Lock™, 24h
  • リアホイール:650b disc, double-wall alloy, pinned, 32h+Shimano Alfine, 8-speed internal gear hub, SG-S7001-8, 32H, Black
  • タイヤ: Specialized Nimbus 2 Sport Reflect, 650Bx2.3
  • ドライブユニット:Specialized SL1.1(最大出力240W、最大トルク35Nm)
  • アシスト方式:ミッドドライブ
  • バッテリー:内蔵式 48V 320Wh
  • 充電時間:約2.5時間
  • アシストモード:3段階(ECO/SPORT/TURBO)
  • 航続距離:100/60/40キロ

Turbo Como SL 5.0のスペック

 

  • フレーム:E5 Aluminum, bottom bracket motor mount, fully integrated downtube battery, internal cable routing, fender and front rack mounts, Smooth Welds
  • フロントフォーク:Turbo Como SL one-piece-design aluminum fork, 12x110mm thru-axle
  • 重量:-
  • ブレーキ: TRP Flow Set Control, hydraulic disc
  • ギア(前):Gates Carbon Drive CDX 46T chainring, black
  • ギア(後):シマノ アルフィーネ 内装8段変速
  • フロントホイール:650b disc, double-wall alloy, pinned, 24h+Specialized alloy front hub disc, sealed cartridge bearings, 12x110mm, Center Lock™, 24h
  • リアホイール:650b disc, double-wall alloy, pinned, 32h+Shimano Alfine, 8-speed internal gear hub, SG-S7001-8, 32H, Black
  • タイヤ: Specialized Nimbus 2 Sport Reflect, 650Bx2.3
  • ドライブユニット:Specialized SL1.1(最大出力240W、最大トルク35Nm)
  • アシスト方式:ミッドドライブ
  • バッテリー:内蔵式 48V 320Wh
  • 充電時間:約2.5時間
  • アシストモード:3段階(ECO/SPORT/TURBO)
  • 航続距離:100/60/40キロ

Specialized Turbo Como SL ギャラリー

文:松本健多朗

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