MTBライダーが欲しがるE-Bike「Specialized Turbo LEVO SL」を解説 忍者トレイルで検証

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電動アシストスポーツ自転車”E-Bike”の中でも、様々な所で注目されているのが電動アシストマウンテンバイク”E-MTB”だ。従来の人力マウンテンバイクよりも、舗装路や長距離走行を楽しめるようになった。

一般的なフルサスE-MTBは定格出力250W、推定最大出力500W以上、最大トルク70Nm以上とパワフルなモーターと、500Wh以上の大容量バッテリーを搭載することで、楽々と力強く走行できる一方、重いバッテリーとモーターを車体に搭載したため、車体重量は22キロを超える物が多く、トレイルライドでのコーナリングの走行感が人力MTBよりも重いという欠点があった。

そんな中、軽量E-MTBとして登場したのがSpecialized Turbo LEVO SL。定格出力不明、最大出力240W、最大トルク35Nmの軽量モーター「Specialized SL1.1」と、320Whの重量2キロ以下の軽量バッテリーを組み合わせ、一般的なフルサスE-MTBでは驚異的な車体重量20キロ以下を実現。一番低価格モデルのアルミフレームモデル「Turbo LEVO SL COMP」が19.5キロ。最軽量モデルのカーボンフレームモデルの「S-Works Turbo LEVO SL」は17.3キロと軽量だ。発売時から多くの人に注目され、特にMTBを本格的に行っているライダーから高い評価を得ている。

Turbo LEVO SLをインプレするには専用MTBコースで走るのが一番だと考えていた中、小田原にあるフォレストバイク 忍者トレイルで、スペシャライズドのMTB展示試乗会「Trail Days 2020」が開催されるのをキャッチしたため、取材を実施した。

Trail Days 2020では、試乗会の他に、2021年モデルのSpecialized製マウンテンバイクの展示や、で廃タイヤを活用した輪投げやボトルをマッドガードに再利用するワークショップを実施していた。

試乗車の受け渡しを行う林間運動広場では、E-Bikeを含むSpecialized製MTBが試乗可能。エントリーモデルのロックホッパーからダウンヒルMTB「DEMO」や、トレイルタイプのMTB「StumpJumper」が用意されていた。

当然、E-Bike「Turbo LEVO SL」シリーズも用意されていた。今回、メインで試乗したのがTurbo LEVO SL Expert Carbon。

Turbo LEVO SL Expert Carbonは、LEVO SLのミドルグレード。カーボンフレームの車体にはフロントフォークはFOX Performance 34 FLOAT 29、リアショックはFOX FLOAT DPS Performanceを搭載し、SRAM GXコンポーネントを採用している。価格は86万9000円(税込)。

今回、Turbo LEVO SL Expert Carbonで走行したのはフォレストバイクの忍者トレイルだ。

忍者トレイルは、いこいの森の中にある800メートルほどのMTBコース。バームとパンプがある曲がりくねったコースを気持ちよく走ることができる。

今回、LEVO SLで忍者トレイルを走行して驚いたのがハンドリング。MTBライダーが普通と言わしめるこのハンドリングだが、なぜ普通が凄いのかと言うと、その普通と言うのが人力MTBを基準にした場合、同じハンドリングということだ。

E-MTBのハンドリングは、一般的には人力MTBよりも悪いと言われている。昔の外付バッテリータイプのハードテールE-MTBは、ツーリングレベルの筆者でさえ疑問に思うほど忍者トレイルなら人力MTBに交換して走るか、家に帰りたいと思うほどのハンドリングだった。

その後、BESV TRS2 AMやCorratec E-POWER X VERT CX、TREK Rail 9.7のようにバッテリーを車体に内蔵したインチューブタイプが登場し、重くてもきちんと曲がれるE-MTBが登場したが、E-MTBのジャンルの枠組みに入っている感覚なのが実情だ。

E-MTBを基準にした場合、LEVO SLのハンドリングは驚異的と言える。バッテリーとドライブユニットの重さを感じさせず、まるで人力MTBのようにカーブをきれいに曲がってくれるため、試乗車というのを忘れて、カーブでは筆者の限界まで試していた。

LEVO SLは従来型E-MTBのハンドリングとどのくらい違うかと言うと、一般的な定格出力250W、500Wh内蔵バッテリークラスのフルサスE-MTBで、忍者トレイルをLEVO SLの感覚で乗り手の限界までコーナーを振り回したら、恐らくコースアウトして木に激突するほどの違いがある。今回試乗したのはカーボンフレームモデルだが、車体バランスが良いため、低価格のアルミフレームモデルも期待できそうだ。

人力MTBのようなハンドリングを持ちつつE-Bikeなので、上り坂では脚力を補助してくれる。このようなMTBコースが楽しめるE-MTBでも、アシストがあると人力MTBよりも何回もコースを回ることができる。コースを心ゆくまで何回も回れるのは非常に魅力的だ。

走行中に注意したいのは、脚力ではなく気力や集中力だ。LEVO SLはE-Bikeなので体力の限界で途中で休憩するという感覚が無いまま走り回ることができる。気力や集中力はE-Bikeでも消耗しているのに、モーターアシストで体力が残っている感覚があると、気力まで残っていると騙されて走ってしまう事があるので注意しよう。

LEVO SLに搭載されているドライブユニット「Specialized SL1.1」は最大出力240W、最大トルク35Nm。一般的な定格出力250W、最大トルク70NmクラスのE-MTBと比較してパワーとトルクの両方とも力強さは無い。このユニットは、モーターパワーでパワフルに走るのではなく、ペダリングと連動してアシストが強くなる高回転型。人力自転車の不快な部分をなくして”爽快さ”を重視したタイプという、他にはない特性を持っている。パワーとトルクで楽を求めている人よりも、人力自転車の不快な部分を取り除いた爽快さを重視するスポーツライドを求めたい人に向いている。

因みにアシストを切った時の走行時の感覚は重い人力MTB。一般的な定格出力250W、最大トルク70NmクラスのE-MTBと比較した場合、アシストを切った時の走行感は平地、上り共にLEVO SLのほうが軽い。特に上り坂は一般的なE-MTBはアシストを切った状態では上りたくないが、LEVO SLなら重いが上っても良いと感じた。

数あるE-MTBの中でも、LEVO SLはトレイルの平地や下り、MTBコースを本気で楽しむには最高のE-MTBで、日本市場においてはライバルがいない独走状態だ。しかし、海外ではForestal SiryonやOrbea RISEといったLEVO SLのライバルが登場している。

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Forestal SiryonやOrbea RISEと言った軽量系E-MTBは、LEVO SLよりもパワフルで、LEVO SLと同等の軽さを売りにしている。ただ、E-Bikeはパソコンやスマートフォンのように、ファームウェアアップデートで性能が上がる事がある。実際、Boschは海外市場でE-MTB用ドライブユニット「Performance Line CX」のファームウェアアップデートを実施し、最大トルクを75Nmから85Nmへと10Nmアップさせた。Specializedが今後、どのような施策を打って出るか楽しみだ。

文:松本健多朗

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