デイリーアーカイブ Jul 13, 2025
日本のモビリティを変える3輪電動アシスト自転車 T-TRIKE(豊田トライク)を評価する【E-bikeインプレッション】
近年の電動アシスト自転車業界では、多くの会社がスポーツモデルを中心に力を入れているが、一部の企業では実用性を重視した電動アシスト自転車に力を入れている所が存在する。前2輪電動アシスト自転車を製造する豊田トライクも其内の1つ。安定性と積載性の高さを売りにした豊田トライクは、発売前から様々な事業所から引く手あまたとのこと。
この豊田トライクは、静岡県の下田でシェアサイクル用の自転車として一般ユーザーでも乗車することができる。今回、下田にある豊田トライクに乗車したインプレッションをまとめてみた。
取り回しは重量を考えるとあまり良くない場合もある理由
豊田トライクの全長・全幅は一般的な電動アシスト自転車と変わらず、車体重量は30kgと多少重い程度。
ハンドルを握った状態での押し歩きは、前2輪機構のおかげで安定性が高いため、押した状態は比較的安定してに移動できるが、ハンドルやサドルを握った状態で車体を持ち上げることは難しい。そのため、車体を持ち上げたい場合でも、ハンドルを動かして移動しないといけないため、非常に狭い路地で車体を持ち上げてUターンしようとするような場面では大変だと思う。
アシストの感覚は必要十分レベル
豊田トライクにはヤマハ製PASタイプの一般車用アシストユニットを採用している。一般車用のアシストユニットは、早めにシフトアップして、ややのんびり漕ぐとアシストが強くかかる特徴を持っているが、豊田トライクの場合、通常のPASユニットと比較すると必要十分だが、アシストパワーにゆとりがないと思った。理由は不明だが、考えられるのは以下の3つだ。
車体重量が重い
クランクセンサーの設定がセミリカンベントに合っていない(http://www.jbpi.or.jp/report_pdf/as1.pdf参照)
サドル位置が合っていない(今回乗ったモデルはサドルの上下調整ができなかった)
豊田トライクは積載重量100kg以上を売りにしているが、この状態で100kg以上の荷物を積載したら相当しんどいと思う。ギアはネクサス・インター5内装5段変速を搭載しており、ギアを積極的に切り替えて走る必要がある。
完成度が非常に高いシンクロシステム
豊田トライクの特徴として有名なのが「シンクロシステム」というサスペンションだろう。左右2輪をチェーンで連結し、前2輪を連動させることで片輪が上昇すると一方の片輪が下降するシステムだ。豊田トライクのWebサイトの説明によると「今までにない安定性で、自転車事故の最も多い、段差の斜め上がりや濡れた路面でのカーブにおける転倒を防ぐ」と書いてある。
実際に豊田トライクで、荒れた舗装路が多い下田の町中を走った感想を書くと、フロントは雲の上に乗っているかのような乗り心地で、路面のドタバタを感じさせなかった。歩道の段差を通過してもサスペンションが柔らかいため、衝撃が殆ど無いのに通過すること。従来のサスペンションではできなかった、道路上の小さな突起すらサスペンションがいなしてしまう。サスペンションはやわらかいが上下に揺すられる感覚はなく、直進安定性も通常の自転車よりも高い。横揺れによる頭の揺れが無いため、下手な自動車よりも乗り心地は良いのではないかと思う。また、前カゴにペットボトル飲料を入れてポタリングをしたが、ペットボトル飲料がカゴの中で暴れることはなかった。イメージとしてはスカイフックサスペンションに近いと思う。
左右独立サスペンション「シンクロシステム」の凄い所は、歩道に安全に上がることができることだ。通常の自転車で歩道の段差に上がる時、できるだけ歩道と垂直に上がるように入らないといけない。しかし豊田トライクはそのような事を考えなくても段差に上がることが出来る。写真の状態でも豊田トライクは安全に段差に上がることができるが、通常の自転車では確実に転倒するだろう。このような事が可能なのも、段差をなめるようにいなしてくれるシンクロシステムのおかげだ。
シンクロシステムは砂利道を走行する時も安定性を発揮する。一般的に車輪径が小さい小径車で砂利道を走ると、車輪が砂利にとられそうになる。豊田トライクのシンクロシステムはこのような砂利道すらサスペンションがいなしてくれる。乱暴にUターンをしてもサスペンションのおかげで安定して走ることができる。
豊田トライクの欠点
豊田トライクで気になる点はそれなりにある。シンクロシステムに慣れてしまうとラフな運転をしてしまうため、安定性を重視してリアタイヤはもう少し太いほうが良いと思う。豊田トライクショップ山陽では、通信販売で購入できるらしいが、Tektro製油圧ブレーキやシンクロシステムなど、通常の自転車よりも独特の構造を採用しているため、実店舗での購入がベターだ。
New Bike 🖤
Pezzewol🎀さん(@pezzewol)がシェアした投稿 - 2018年 2月月18日午後12時33分PST
豊田トライクは、イスに座るような乗車姿勢のため、お尻に加重がかかりやすい。豊田トライクは一般車タイプのコンフォートサドルが装備されているが、Electra Townie等の分厚いサドルを採用したほうが、楽に乗れるだろう。
完成度は非常に高い豊田トライク
豊田トライクは2018年4月26日現在、正式に販売されていないが、乗った限りでは完成度は非常に高く、いつ発売されてもおかしくない作りだろう。気になるのはアシストユニットのパワー感だけだと思うが、まだ販売されていないため実際に乗って確かめてほしい。
「CycleTrip」でT-TRIKE SYNCHRO OMEGA Longを借りて乗ってみる
https://www.cyclorider.com/archives/24167
ロードバイク・クロスバイク・折りたたみ自転車等の2019年モデルまとめ【随時更新】
一般的に自転車の世界では、秋・冬に展示会や新車発表が行なわれるのが通例となっている。一方で、一部の自転車会社では春に新車発表を行う所もあり、春から既に2019年モデルを発表する所も存在する。このページでは、2019年モデルのロードバイク・クロスバイク・折りたたみ自転車・小径車・電動アシストスポーツサイクルなどを中心にまとめてみた。
2021年モデルに関しては「2021年モデルの自転車まとめ」で見ることができます
Bridgestone
ブリヂストンは、パンクしないタイヤを装着した自転車を2019年に実用化するとのこと。個人ユーザー向けに発売されるのかは未定だ。
ブリヂストンサイクルのパンクしない自転車が革命的な理由を解説 | | シクロライダー
DAHON
https://www.cyclorider.com/archives/22248
2018年6月に、14インチ3段変速折りたたみ自転車「DAHON K3」が先行発売するとのこと。車体重量は7.8kgと軽量でシングルギアのDoveシリーズよりも直進安定性が高い設計だ。
GIANT/Liv
2018年5月25日にGIANT/Livは2019年モデルのEscape R3(LivはEscape R3W)を発表。GIANT Escape R3はオーシャングリーン、マンゴー、ブルー、ブラックトーン、ホワイトの5色をラインナップ。Liv Escape R3 Wは、パールミント、パールホワイト、マットマゼンタ、サファイアブラックの4色がラインナップされている。GIANT Escape R3、Liv Escape R3共にオプションとして、前輪のクイックリリースを安全性が高いスキュアー式に変更できるオプションができた。
GIANT 2019 モデル「ESCAPE R3」を先行販売 - INFORMATION
Liv 2019 モデル「ESCAPE R3 W」を先行販売 - Liv / NEWS
GT
https://www.cyclorider.com/archives/22958
アメリカの自転車ブランド「GT」から、GRADEシリーズが先行発売。フレームに変更はなく、カラーリングと部品構成の変更のみ。
Khodaa-Bloom
日本の自転車会社「ホダカ」の中で、自転車専門店向けスポーツサイクルブランドとして知られているのが「Khodaa-Bloom」。2018年4月にいち早く2019年モデルのクロスバイクを発表した。先行発表されたのは、Rail700シリーズの中でミッドレンジの「Rail700」と、エントリーモデルの「Rail700A」の2台が、2019年モデルが先行発売。
Rail700は日本国内で販売中の10万円以下/前3段変速機付きクロスバイクでは最軽量の9.4kgを達成したのを売りにしている。ブレーキレバーはシマノ製に変更。従来型よりも制動時のタッチが向上したと思われる。カラーリングはレッド、ブルー、シルバー、ブラック、ホワイトの5色を採用。
自転車専門店向けのクロスバイクで税抜き価格45,000円と低価格を売りにしたRail700A。2017年モデルとの違いは、リフレクトデカールを装備したフロントフォークに、シマノ製Vブレーキを採用したこと。カラーリングはブルー・ライトグリーン・ガンメタル・ホワイトの4色となっている。
コーダーブルーム(ニュースリリース)
NESTO
2018年5月現在セールス氏いわく、売れ行き好調のため時代のニーズに合った車種を登場させていくとのこと。
MAGIC
https://www.cyclorider.com/archives/22258
ルノー・マグネシウムシリーズで知られていたマグネシウム製折りたたみ自転車が、「MAGIC」ブランドで復活するようだ。ルノー・マグネシウムシリーズで売られていた14インチ、16インチモデルが復活し、あらたに20インチモデルの登場するとのこと。
Panasonic
パナソニックは、実質的に2019年モデルとして電動アシストスポーツサイクル「XU1・XM1・XM2」を発表。スポーツドライブユニットを搭載したモデルをXシリーズと統一するようだ。XU1はクロスバイクでXシリーズのエントリーモデル。XM2は内装2段変速ドライブユニットを搭載したハイエンドモデルだ。
https://www.cyclorider.com/archives/21896
Renault
https://www.cyclorider.com/archives/22236
ヨコハマサイクルスタイル2018では、リアサスペンション付きウルトラライト7「ウルトラライト7・NEXT」が展示されていた。登場時期は2019年モデルか?
STIJIN CYCLES
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ハリークインからブロンプトン風の折りたたみ自転車「Roller」が登場
ルノーライトシリーズで有名な自転車会社のGicは、イギリス系自転車ブランド「ハリークイン」の自転車の販売している。ハリークインブランドでは、主に小径車や14インチの超軽量折りたたみ自転車がラインナップされているが、Amazonでは新しいハリークインの折り畳み自転車が公開されている。
写真のハリークインの折り畳み自転車を見ればわかる通り、明らかにブロンプトンを真似した折りたたみ自転車となっている。変速機はスターメアーチャーの内装3段変速を採用しているが、ブロンプトンもスターメーアーチャー製の内装3段変速仕様もラインナップされているため、全体的な車体デザインだけでなく部品構成もブロンプトンを意識していると思う。
ハリークインの折り畳み自転車には、ブロンプトンと違う設計を採用している部分もある。ハンドルステムは上下伸縮機構を採用し、ハンドルにもクイックレバーを装着することでハンドル角度の調節も容易になっている。一方、ブロンプトンはハンドルステムの上下伸縮機構は無くハンドル角度の調節は工具を使用しないといけない。ただ、ブロンプトンは折り畳み機構をシンプルにして、折り畳み部分の調整を少なくした利点を持っているので一長一短だろう。
フレーム素材はアルミ素材を採用している。本家ブロンプトンは鉄系統のクロモリ素材を採用しており、単純に考えるとアルミ素材を採用したハリークインのほうが軽いと思うかもしれない。しかし、車体重量はハリークインが12.5kgなのに対し、ブロンプトンはリアキャリア付き・3段変速仕様のM3Rが12.0kgとブロンプトンのほうが若干軽い。ブロンプトンはアルミ素材を採用している部分が少なく、寿命が長く折りたたみ時にすり減りにくいスチール素材をフレーム・ハンドルステム・シートポスト等にメインとして採用しているのを考えると、ブロンプトンのほうが優秀と言えるだろう。
ハリークインの折りたたみ自転車は、Amazonでは5万円台となっている。2018年4月23日時点では、公式サイトで詳しい情報は公開されていない。
電動アシスト自転車バージョン「PORTABLE E-BIKE」も登場
2018年10月にハリークインから、電動アシスト自転車バージョン「PORTABLE E-BIKE」が登場した。
https://www.cyclorider.com/archives/25158
https://www.cyclorider.com/archives/17120