イギリスの折りたたみ自転車「ブロンプトン」を解説 利点や欠点・ライバルも紹介

2013-11-04 14.46.28

世界には多種多様な折り畳み自転車がある。その中でも長年にわたり、多くの人に愛用されている折り畳み自転車と言えばブロンプトンだろう。快適に街中を走ることができ小さく折り畳むことができるシティコミューターとして乗る人がおり、さまざまな折り畳み自転車ブランドがライバルが登場していることでも知られている。今回はブロンプトンの利点と欠点、ライバル車などについてまとめてみた。

ブロンプトンの利点と欠点

ブロンプトンの利点といえば、折り畳み性能と走行性能を両立した所だろう。折り畳みに関しては横60×縦58×奥行き30cmと小さく折り畳める。参考を上げるとするとDahon Routeの場合横89×縦64×奥行き34cmなので、いかにコンパクトなのかがわかる。そのため、大サイズのコインロッカーなら余裕で入れることが可能だ。

コインロッカーに入れることができる折りたたみ自転車一覧

ブロンプトンよりも小さく折り畳むことができる折り畳み自転車はあるが、このような折りたたみ自転車は、車輪の大きさを極端に小さくしている物が多い。そのため歩道の段差程度でも躊躇してしまう物がある。一方、ブロンプトンは16インチの車輪径を採用したため、歩道の段差程度なら気を使わずに通過できる。また、ハンドルからサドルまでの距離が長くとっているため、身長が高い人でも窮屈せず運転が可能だ。フレームやフロントフォーク、シートポストまで様々な所にスチール素材を採用しつつも、重さは12kgクラスと比較的軽量なのも大きい利点だ。

欠点は、折り畳み性能と街乗り性能を追求したため改造は非常に難しい事。たとえばブロンプトンのブレーキレバーは極端に下を向いているが、これは折り畳み時の奥行きを短くするためだ。またブロンプトンは特殊な変速機を採用しており、後輪がパンクした場合修理に時間がかかる。

ブロンプトン 後輪の外し方(グリーンサイクルステーション):http://www.gcs-yokohama.com/entry/15737/

ブロンプトンは完成度が非常に高い一方で伸びしろが殆ど無い折り畳み自転車だ。購入する時はそれを理解して試乗して買おう。

BD-1・BirdyとBromptonは何が違うか?

ブロンプトンとよく比較された折り畳み自転車と言えばBD-1だろう。かつて、BD-1はブロンプトンと同じ輸入代理店で売られていた。価格帯も近く、自転車本やネットでも比較される事がある。

かつて筆者はBD-1・スタンダートフレーム(セーフティーサスペンション装着)を所有していた事がある。ハンドリングは、ブロンプトンのほうがBD-1よりも安定している。かつてBD-1は、落ち着きがないハンドリングで知られていた。これは、特徴的な前サスペンションが原因と言われており、一部ユーザーはBD-1に通常のリジッドフォークを装着すると、ハンドリングが安定したという話もあるほどだ。因みに現行モデルのBirdyに関しては不安定なハンドリングは解消されている。

タイヤは、Bromptonは16 x 1- 3/8でBD-1は18×1.5。乗り心地については、BD-1は前後にサスペンションがあるので、社外品等の部品を使えば乗り心地を変えられる利点がある。

ギア比はBD-1が有利だ。BD-1は一般的な外装変速を採用しているため、ギア比のセッティングは比較的自由だ。ブロンプトンは外装2段、内装3段、外装2段×内装3段の6段変速仕様の3タイプがある。外装2段は汎用性が低く平地重視のマニアックな仕様。内装3段は街乗り程度の坂なら対応可能な街乗り仕様、外装2段×内装3段の6段変速は、外装2段は坂の多さ等時と場所によって位置を固定して、内装3段変速をメインに使う汎用的な仕様だ。脚を速く回すスポーティーな走りよりも、ゆったり走るのが向いている。

乗車姿勢は、両車とも体が大きい外国人用に考えたのか、非常に大柄な自転車だと感じる。身長180cmの筆者が乗っても普通に乗れる。個人的にはブロンプトンのほうが、乗車姿勢はアップライトでコンパクトに感じた。

車体デザインの割には、走り系では無いがギア比が豊富なBD-1と、車体デザインの割にはよく走るがギア比が少ないブロンプトン。価格に関してはBD-1のほうがラインナップが豊富で安いが、それでも15万円近くする。

BD-1とブロンプトンは、折りたたみ自転車というジャンルの自転車ではなく、「BD-1」と「ブロンプトン」という1つのジャンルのような自転車だろう。BD-1とブロンプトンは両車とも高価で簡単に買う自転車ではない。自分には何が欲しいのか、何を捨てるかを考え、試乗をして選ぶのを薦める。

理想主義を貫いた折りたたみ自転車 Birdy Monocoque/Birdy Classic

社外品ヒンジクランプは要注意

ブロンプトンは細かい部品を交換可能にすることで、長く使うことが可能だ。例えばシートスリーブは交換可能になっている。

折り畳みヒンジは驚くほどシンプルだ。このヒンジは交換可能なため、劣化しても交換すれば長く使えることだろう。ヒンジクランプに関しては純正品だけでなく社外品が売られているが、社外品の購入はやめたほうがいい。

ブロンプトンの折りたたみヒンジクランプはコの字形状となっており、底部分との隙間が少なくなると交換と言われている。しかし、一部の社外クランプは新品時ですら要交換状態の隙間が少ない物も存在する。また、社外ヒンジクランプを使用することによりフレームが破損する事例がある。また、輸入代理店はサードパーティ製品を使用したフレームの不具合につきましては保証対象外となる。

製造物責任法等の問題があるため、想定外の使用にかんしてはやらないほうがいい。カーボンフレームロードバイクは荷台の装着やオフロード走行はできず、某折りたたみ自転車ブランドに関しては「非純正品のロングタイプのシートポストに交換したら保証できないのでやらないでほしい。」「バイクパッキングタイプのシートバッグを装着するとシートポストに過剰な負荷がかかるからやめてほしい。」と言う所もある。

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ブロンプトンのライバル

Harry Quinn Roller

ルノーライトシリーズで有名なGicから販売されている折り畳み自転車。ブロンプトンよりも低価格で購入できるが、折り畳み時のおさまりが悪いためか、折り畳みサイズはブロンプトンよりも大きい。フレームはアルミフレームを採用し、内装3段変速を装備。

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Harry Quinn Portable E-Bike

Harry Quinn Rollerの電動アシスト自転車バージョンとも言える。前輪インホイールモーター仕様の電動アシスト折り畳み自転車で航続距離は最大80km。海外市場では電動アシスト自転車版のブロンプトンが売られているが、日本では販売されていないため、電動アシストブロンプトンの代用品として買う人もいるだろう。

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DAHON Curl i4

大手折り畳み自転車ブランド「Dahon」版のブロンプトンとも言えるモデル。折り畳みサイズは横58×縦54×奥行き27cmとブロンプトンよりも小さく折り畳める。

Dahon CURLとBromptonを比較する時に気にするべき部分

iruka

2019年発売予定の折り畳み自転車。コンセプトはブロンプトンと同じだが、ブロンプトンのコピーではなく独自の発想で造られている。一般的な事務机に入り、縦置きすれば新幹線の座席に座った状態で足の間に置けるように、縦方向が35cmと低くしたのが特徴だ。

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折り畳み自転車界の名車の地位にあるブロンプトン

折り畳みサイズと走行性能を両立したブロンプトンは、少なくない会社からライバルが登場している。街乗りを追求した折り畳み自転車なので、スポーツ性を求める人には向いていないが、多くの人が愛用している。折り畳み自転車界の中でも名車の1つと言えるだろう。

ブロンプトンが登場する漫画

ブロンプトンが登場する漫画で有名なのが「おりたたみ自転車はじめました」(著:星井さえこ)。「おりたたみ自転車はじめました」の作者である星井さえこさんは、折りたたみ自転車を楽しむ自転車漫画をTwitterなどで公開している事で知られている。今回のコミックエッセイは、折りたたみ自転車で井の頭恩賜公園から四万温泉、しまなみ海道をめぐるサイクリング漫画に、折りたたみ自転車に関するコラムも用意されている。

おりたたみ自転車はじめました

おりたたみ自転車はじめました

星井 さえこ
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ブロンプトンを借りることが出来るレンタサイクル一覧

ブロンプトンを買う時、一般的には試乗を行うだろう。しかし、短時間での試乗では、その自転車を理解するのが難しい場合がある。そこでお薦めしたいのがレンタサイクル。ブロンプトンをレンタルできるレンタサイクルは何件か存在するので、レンタルしてじっくり乗るのも1つだろう。

ル・サイク土浦店:茨城県

土浦駅に併設されている自転車店「ル・サイク土浦店」。様々な自転車がレンタルできるがブロンプトンも借りることができる。2018年10月現在、日付を跨いでのお貸し出しはお断りしている。

BROMPTONのレンタサイクルを開始いたします!

ル・サイク土浦店 | サイクルスポット/ル・サイク-東京を中心に展開する自転車販売店【東京:神奈川:千葉:埼玉:静岡に102店舗】

  • 場所:茨城県土浦市有明町1-30PLAYatre1階
  • 料金:1日¥2,500

スマートクルーズ:新潟県

https://ssl.niigata-furumachi.jp/smartcruise/

1日¥1,000でレンタル可能。場所に関しては公式サイト参照

パッシオーネ:京都

Tarutaruga Type Sport、Brompton、KHS F20、R&M BD-1等の小径折りたたみ自転車を借りることができる珍しいレンタサイクル。折りたたみ自転車だが、折りたたみはできないようになっている。

http://www.passione-kyoto.jp/

  • 場所:京都府京都市下京区文覚町 東中筋通七条上る文覚町389−1
  • 料金:
    ・1日3,150円
    ・半日/雨天の場合、2,100円

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