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新時代の折りたたみ自転車”モバイル変身自転車”「iruka」記事まとめ
2019年に発売された独創的な折りたたみ自転車「iruka」のまとめ記事です。2018年に登場した量産サンプル車やインタビュー記事等をまとめました。
モバイル変身折りたたみ自転車「iruka 量産サンプル車」を紹介 ブロンプトンの比較も
自転車を小さく折りたたみ、簡単に持ち運べる折りたたみ自転車。折りたたみ自転車には、車輪を小さくし超小型化した折りたたみ自転車や、ロードバイク並に走れるのを売りにした折りたたみ自転車等、様々なモデルがある。しかし、折りたたみ時のコンパクトさと走行性能を両立させた折りたたみ自転車は少ない。
今回、紹介する折りたたみ自転車は「iruka」。2008年に創業した株式会社イルカの折りたたみ自転車。「モバイル変身自転車」というキャッチコピーが売りのこの折りたたみ自転車は、独創的なデザインと実用性を両立している。長らく注目されていたirukaだが、2019年に発売される。
2018年11月2日現在、irukaは発売されていない。2018年前半に試作車のiruka T7.1が一部イベントで公開されていた程度だ。今回、株式会社イルカの協力で量産サンプル車に試乗することができた。
https://www.cyclorider.com/archives/25166
上場ネット企業役員を辞め、折りたたみ自転車に挑む小林正樹氏が語るirukaの秘話と拘り(インタビュー)
理想の折りたたみ自転車を作り、多くの人にその魅力を広めたい――。そんな思いから、インターネット広告代理店「株式会社オプト」の取締役CFO(最高財務責任者)を辞め、「株式会社イルカ」を設立した小林正樹氏。約10年間にわたって折りたたみ自転車の開発を続け、ついに2019年5月にirukaが発売される。リリースに先立ち、折りたたみ自転車irukaの開発秘話や、拘った所を語ってもらった。
https://www.cyclorider.com/archives/29992
モバイル変身自転車「iruka」がインドネシア・香港・シンガポールで販売決定
2019年11月に、インドネシアのSPINWARRIERS、香港のWing Fung (Asia) Co., Ltd. 、シンガポールのMighty Veloでirukaの取り扱いを行うと発表した…
https://www.cyclorider.com/archives/33021
irukaのカラーバリエーションに「ストームグレー」と「ブラック」を追加
1月31日、折りたたみ自転車「iruka」のカラーバリエーションに「ストームグレー」と「ブラック」を加えた3色での展開を行うと発表した。「ストームグレー」は嵐の海の色を思わせる繊細なグレーの、最も優美で高級感のあるカラーリング。「ブラック」はirukaの上品でスマートな印象を覆す「ワルい」雰囲気を与えている…
https://www.cyclorider.com/archives/33974
公式サイト:https://www.iruka.tokyo/
モバイル変身自転車「iruka」から、ストームグレーとブラックの新色が登場
折りたたみ自転車で有名なイルカは、1月31日、折りたたみ自転車「iruka」のカラーバリエーションに「ストームグレー」と「ブラック」を加えた3色での展開を行うと発表した。
irukaは10年の開発期間を経て2019年6月に販売開始。発売から半年の間に日本国内20の小径自転車プロショップ、およびインドネシア・香港・台湾・シンガポールに販売網を広げている。フレームはA6061アルミニウム合金製、サンドブラスティング(微粒研磨材を圧縮空気により高速で金属表面に吹き付ける加工法)によって表面に梨地を生成した後、アルマイト加工(酸化皮膜処理)を施している。アルマイト加工は電解液中でアルミニウム材を陽極として電流を流すことで表面に人工的に酸化皮膜を形成させる表面処理法。MacBookやiMacなどアップル社のアルミニウム筐体製品に多く用いられており、耐食性・耐摩耗性を高める効果があり、皮膜上にできる直径10nm(1mmの百万分の一)程度の微細孔に有機染料を吸着させることで着色する。
「ストームグレー」と「ブラック」新色2色の登場によって、irukaは以下の3色のラインナップとなる。
・シルバー
アルミニウムの無垢な素材感を生かしたirukaのシグネチャーカラー。これまでの自転車にはない上質で洗練された質感は、登場時に驚きをもって迎えられました。海の上を躍動するイルカのように、太陽の光を浴びてまぶしく輝きます。
・ストームグレー(新色)
嵐の海の色を思わせる繊細なグレーの、最も優美で高級感のあるiruka。やや紫がかった複雑で深みのある風合いは、他の2色のミニマルな美しさとは一線を画します。
・ブラック(新色)
irukaの上品でスマートな印象を覆す「ワルい」一台。空間を切り抜いたかのような漆黒の車体が、光の角度によって時折武器のように鈍く光ります。
イルカ創業者/代表取締役の小林のコメント
「これからirukaを購入してフリッパー*になる方には、どの色にするか難しい選択を迫ることになってしまいました。かくいう僕も、どの色を自分のメインバイクにするか悩んでいます。シンボルカラーのシルバーか、ストームグレーでシックにキメるか、はたまたブラックでワイルドに攻めるか。フリッパー予備軍のみなさんも、しばし僕と同じように楽しくも悩ましい時間を過ごしましょう。どの色を選んだとしても、その美しさに満足してもらえることは間違いありません」
*フリッパー:iruka製品オーナーの総称
公式サイト:https://www.iruka.tokyo/
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— CycloRider (@CycloriderJapan) February 2, 2020
モバイル変身自転車「iruka」がインドネシア・香港・シンガポールで販売決定
株式会社イルカ(以下イルカ)は、折りたたみ自転車「iruka」の販売エリアを、日本に続いてインドネシア・香港・シンガポールに拡大すると発表した。
irukaは弧を描くジャックナイフフレームと左側一本の片持ちフロントフォークといった折りたたみ機構を採用した折りたたみ自転車。発売当初は東京・神奈川の小径車プロショップ9店舗から販売をスタートし、国内では現在までに宮城・群馬・愛知・静岡・京都・大阪・岡山・福岡を加えた計19店舗がirukaの正規販売店となっている。海外ではインドネシア・香港・シンガポールの3ヶ国で、以下の企業がそれぞれの国の独占ディストリビューターとなることが決定し、順次各国でirukaの販売を開始するとのこと。
インドネシア
社名:SPINWARRIERS (https://spinwarriors.com/)
代表者:Tjandra Kisnata
他の主要取扱ブランド:Brompton, Alex Moulton, Tyrell
香港
社名:Wing Fung (Asia) Co., Ltd. (https://www.wfc.com.hk/)
代表者:Joseph Lee
他の主要取扱ブランド:Alex Moulton, Tyrell
シンガポール
社名:Mighty Velo (https://www.mightyvelo.com/)
代表者:Steven Lim
他の主要取扱ブランド:Birdy, CarryMe
イルカは、インドネシア・香港・シンガポールにとどまらず、今後も世界各国に販売エリアを広げていく方針とのこと。
iruka製品概要
国内価格:212,800円(税別)
フレーム素材:A6061アルミニウム
ホイール径:18インチ
変速機:SHIMANO Alfine 8S(内装8段変速)
ブレーキ:機械式ディスクブレーキ
その他の仕様は「irukaとは|仕様(https://www.iruka.tokyo/overview/specs)」をご覧ください。
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2020年モデルの注目の折りたたみ自転車まとめ
当記事では、シクロライダーが注目している2020年モデルの折りたたみ自転車・電動アシスト折りたたみ自転車を紹介する。
BESV
E-Bike(電動アシストスポーツ自転車)ブランドとして有名なBESV。2020年モデルではインチューブバッテリーを採用したE-MTBや、E-ミニベロ「PSシリーズ」の折りたたみ自転車バージョンのPSA1が登場した。
PSF1(E-フォールディングバイク)
https://www.cyclorider.com/archives/30782
PSF1はBESV初の折りたたみ自転車。PSF1と名前がついているように、E-ミニベロのPSシリーズの1車種として展開する。PSシリーズ独特の近未来的なフレームデザインを活用しつつ、フロントフォークとリアスイングアームが折りたたむことにより、コンパクトに折り畳めるのを実現した。
サイクルベースあさひ
自転車チェーン店「サイクルベースあさひ」では、プライベートブランドの自転車も展開。折りたたみ自転車ではハンドルステムが折りたためる超小径折りたたみ自転車「アウトランク」に電動アシスト自転車版の「アウトランクe」が登場した。
アウトランクe(E-フォールディングバイク)
https://www.cyclorider.com/archives/31476
超小径折りたたみ自転車「アウトランク」の電動アシスト自転車バージョンがアウトランクe。軽量小型バッテリーを採用し、航続距離よりも車体重量を軽くするのにこだわっている。
iruka
https://www.cyclorider.com/archives/25166
2018年10月にいち早くシクロライダーが量産サンプル車(殆ど量産車と同じモデル)の記事を公開したことでも知られているiruka。超小径折りたたみ自転車「ルノー・ウルトラライト7」よりも折りたたみ高が低いのが特徴のスポーティコミューターバイクだ。
Tern
折りたたみ自転車だけでなくファッショナブルなシティスポーツバイクや、E-BikeもラインナップしているTern。2020年モデルでは3つ折形折りたたみ自転車の「BYB」や、ハンドルポストが折りたためるE-カーゴバイク「HSD」が登場した。
BYB
https://www.cyclorider.com/archives/30594
フレーム3つ折り機構を採用することで、従来の横折れ式折りたたみ自転車よりもコンパクトに折りたためる。折りたたみサイズは33x81x51cm(BYB S11)。一番安いモデルは10万円台前半というのも魅力的だろう。
HSD(E-カーゴバイク)
https://www.cyclorider.com/archives/31543
TernのE-カーゴバイク「HSD」はハンドルポストが折りたためるため、こちらに記載した。荷物はたくさん積めるが、一般的なスポーツ自転車よりも扱いにくいカーゴバイクの欠点を解消するため、ハンドルポストを折りたたむことにより、ミニバンやSUV等のクルマに簡単に積めることが可能になった。
ルノー・ライトシリーズ
自動車ブランドの自転車で知られているGicの中で、マニアックなユーザーに注目されているのがルノー・ライトシリーズ。5万円で車体重量7㎏台を実現したウルトラライト7シリーズの成功により、高価格帯のモデルにも力を入れている。
ミラクルライトシリーズ
https://www.cyclorider.com/archives/31253
メッキを施した独特のフレームカラーと高級感あるパーツを採用したルノー・ライトシリーズのハイエンドモデルがミラクルライトシリーズ。2020年モデルでは新たに16インチモデルと20インチモデルが加わった。
上場ネット企業役員を辞め、折りたたみ自転車に挑む小林正樹氏が語るirukaの秘話と拘り
理想の折りたたみ自転車を作り、多くの人にその魅力を広めたい――。そんな思いから、インターネット広告代理店「株式会社オプト」の取締役CFO(最高財務責任者)を辞め、「株式会社イルカ」を設立した小林正樹氏。約10年間にわたって折りたたみ自転車の開発を続け、ついに2019年5月にirukaが発売される。リリースに先立ち、折りたたみ自転車irukaの開発秘話や、拘った所を語ってもらった。
開発に10年かかった理由
-irukaは自転車発売までに10年ほどかかりましたが、時間がかかった理由を教えていただけますでしょうか。
基本設計にも一年以上かかりましたが、次に問題になったのが工場探しです。irukaを開発する際、台湾や中国の自転車工場に協力を打診しました。
しかし、殆どが「無理」だという反応でした。irukaは独特な機構を採用しているため、開発・製造は難しいという理由です。
工場の社長に設計データやスケルトンモデルを見せたところ、気に入ってくれ、開発を引き受けてくれた工場もありましたが、実際に進めると上手くいかず、また工場探しに戻ることがありました。
そんな状態が7年続き、最後に「絶対にできるのでやろう!」という工場が現れました。そして3年ほどの開発期間を経て、ようやく完成したのです。
-開発で最も苦労したのはどんなところでしょうか。
構造です。irukaはフレーム中央にスリット(穴)があり、折りたたみ時はそこに車輪を入れる構造を採用しています。そのため、折りたたみ状態で移動するときに、車輪を転がして移動することが可能なのです。
しかし、僅かな誤差でも、折りたたみ時に車輪がフレームと干渉してしまう問題が発生しました。根元ではコンマ0何ミリの誤差でも、先端に近づくと大きな誤差になるのです。そこで設計から生産まで見直しを行い、ようやくクリアでき市販化が可能になりました。
その他にもフロントフォークの折りたたみ構造やハンドルポストの設計を変更・改良し、剛性を強化することで、安定したハンドリングを実現するなど、細かい所にも拘っています。
-開発期間中、他社からirukaのような折りたたみ自転車が先に登場しないか、不安になりませんでしたか?また、開発を諦めようと思ったことはありますか?
開発に失敗し、工場探しに戻るときが何度かありましたが、やはり落ち込みました。しかし、irukaを作るのを辞めようと思ったことは一度も無かったです。ここまで作るのが大変なら、irukaみたいな折りたたみ自転車は簡単に出てこないだろうと感じたのです。そういう意味で、不安はありませんでした。
機能とデザインを両立するためにこだわった所
-irukaは感性に訴えるカッコよさを重視するとブログに書いてありましたが、どのような部分を拘ったのか教えてください。
一般のスポーツサイクルユーザーだけでなく、自転車に興味がない人でも楽しんでもらえるよう、様々な拘りがあります。
例えば、折りたたみ時のデザイン。一般の折りたたみ自転車は、折りたたみ時の奥行きを小さくするため、前後の車輪が重ならないデザインとなっています。
しかしirukaは、前後輪が重なって折りたためるようになっています。これは、折りたたんだときに車輪で移動するためだけでなく、左右対称で美しく見えるからです。形状も、縦横比が黄金比になり、視覚的にも安定して映るようになっています。
出典:iruka
-irukaは車輪中央部に穴が空いているため、雨天走行は服が汚れやすいと思います。泥除けを装着することは可能でしょうか。
可能です。量産車ではダボ穴をつけ、汎用品の泥除けがつけられます。将来的にはiruka純正品の泥除けも考えています。
-部品に関して拘った所はありますか?
一般ユーザーにも街乗りを楽しめる部品を採用した所です。例えば変速機は、内装変速機「シマノ・アルフィーネ 8S」という、内装8段変速機を採用しました。外装変速機は軽量で価格も安く、スポーツ走行では便利です。しかし、停車中に変速できない、細かい調整が必要など、街乗りでは不便な所もあります。一方、内装変速機は変速ギアが露出していなく、停車中でも変速でき、頻繁にメンテナンスをしなくても良いため、街乗りでは計り知れないメリットがあると思い採用しました。
-車体には、外装変速機が装着できる台座がありますが、装着している理由を教えてください。
外装変速機の台座は装着していますが、どうしても外装変速機にしたいユーザーに向けて装着しました。普通に外装変速機を搭載した場合、チェーンラインの関係で全段動かすことができないため注意してください。
-「シマノ・アルフィーネ 8S」を採用した理由を聞かせてください。
変速時のタッチや精度がよく、スポーティに走れるのと、サイレントクラッチが装備されており静かに走れるため採用しました。
アルフィーネには内装11段変速仕様があります。しかし、irukaは街乗りを重視した折りたたみ自転車というコンセプトを考えると、11段仕様はギアの段数が多く、高価なため採用を見送りました。
-ブログではirukaは1車種1カラーのみで勝負するとのことでしたが、その理由は何でしょう。
irukaはこれからデビューする後発の折りたたみ自転車なので、アイデンティティを持たせるために、1車種1カラーでスタートしたいと思いました。ただ、将来的には限定カラーを発売することも検討したいと考えております。
-iruka「iPad」などに通じる、他の自転車にはないクールなカラーリングですが、どういった理由でからでしょうか?
irukaのカラーリングに関してはアルマイトを採用しました。この塗装を採用した理由は、塗装では出せない美しさが出るのと、ひっかき傷でも剥がれないためです。
-2018年4月にLORO世田谷で試作車(iruka T7.1)を公開したとのことですが、評判はいかかでしょうか。また、なぜ市販前に先立ち公開したのでしょか。
長年ブログやSNSで開発までの工程を公開していたため、早くみたいという人が多く、試作車を公開しました。LORO世田谷の方の話によると、動員数は異例なほど多かったとのことでした。評判として、折りたたみのギミックと走行感が良いという声が多くありました。
-irukaのカタログ写真には、日本的な物を加えている写真が多いですが、その理由を教えてください。
出典:iruka
irukaはWEBサイトのドメインをiruka.tokyoにするなど、東京発のブランドであることを売りにしています。そのため、東京情緒がある写真を採用しています。
-海外市場は検討していますか?
海外へ販売するのは決定しています。まず、日本とほぼ同時期に台湾で販売し、その後はヨーロッパ、ASEANとワールドワイドに販売する予定です。
東日本大震災で再実感した自転車のポテンシャル
-初期のブログでは、電動アシスト自転車版も出す予定と書いてありましたが、現在も考えていますか?
現在は考えていないです。理由は2つあり、1つはアシストのON・OFFの作動感覚が合わないからです。開発中に何台か電動アシスト自転車に乗ったのですが、感覚が合わなくてよってしまい、中止にしました。
もう1つの理由は東日本大震災です。
-と言いますと?
私は東京のオフィスで震災に遭遇しました。公共交通機関が麻痺し、いたるところに人が溢れていて、家に帰れなくなったのです。妻も23区の会社に努めていたのですが、非常事態なので一緒にいたいと思い、オフィスに置いてあった研究用の2台の折りたたみ自転車で、妻のところへ向かいました。1台は私が乗り、もう1台は妻の会社がある方向へ行きたいという方に、かわりばんこで乗ってもらい、自転車のポテンシャルを再実感しました。
-どのような所で、ポテンシャルを実感したのですか?
タイヤに空気が入っていてワイヤー類が切れていなければ、多くの人が自転車に乗れます。法的には乗り物ですが、実際は眼鏡や義足など体の一部に近いと感じ、それが自転車の本質であり、凄いポテンシャルがあると実感しました。
電動アシスト自転車の場合、電池が切れると重い自転車になってしまい、その魅力の一部分がスポイルされてしまうと思ったのです。電動アシスト自転車の有効性は十分理解していますが、そちらに関しては他社さんにまかせたいと考えております。
-「自転車を主な移動手段とするライフスタイル」を広めるとのことですが、何かしらのアプローチを行うことは考えておりますか?
ポップアップストアの出店を検討しています。自転車に関しては実用性が高いアクセサリー「iruCart」「iruCarry」「iruCatch」をラインナップし、自転車を移動手段としたライフスタイルをアプローチします。
出典:iruka
irucartは、コンパクトで荷台になるカートです。私は元々、サイクルトレーラーを使っておりました。積載能力が増えるので素晴らしいのですが、問題もありました。東京で使った場合、小径自転車2台分なみに車体が長くなり、駐輪が難しく、内輪差も大きく使いづらいのです。しまなみ海道では問題にならなかったのですが。そのため、irucartはコンパクトで、都市部でも使えるサイクルトレーラーにしました。
-irukaに装着する荷台「irucarry」の特徴を教えてください。
出典:iruka
irucarryは、シートポストのクランプに装着し、サドルに装着したカプラーとベルトで吊り下げる荷台です。一般的な折りたたみ自転車はフレームにキャリアを装着しますが、これは折りたたみすると、荷物を外す必要があります。irukaは折りたたみ状態で駐輪や転がし移動を想定しているため、その都度荷物を外すのは違和感があります。irucarryは荷物を装着したままでも駐輪や転がし移動が可能です。また、取り外しもクランプとベルトを外すだけの簡単設計となっています。
-irucatchとは、どういう部品でしょうか?
出典:iruka
irucatchはハンドル中心部に装着したホルダーです。一般的な自転車用バッグは自転車専用品が殆どで、ファッションに合わないデザインや、中に入っているバッグを出し入れしないといけない問題があります。そのため、汎用性があるバッグを引っ掛けるホルダーを作りました。
これらのアクセサリーはirukaだけでなく、多くの折りたたみ自転車に使用できるように設計しています。irukaには、標準装備でサドルにオプションパーツを装着するカプラーがあり、そちらも販売します。
-販売計画はどのように考えていますか?
現在、ファーストロッドは150台を予定しております。また、最初の販売は関東圏に絞り込もうと考えております。その理由として、irukaが東京発を売りにしているのと、サポート体制をじっくりと立ち上げて販売したいからです。最終的には全国に販売する予定です。
株式会社オプトを退職し、自転車会社「イルカ」を立ち上げた小林氏の道程は長く険しかった。理想の折りたたみ自転車を求めるため、何年もかけて工場探しの旅をすることになったが、それでも諦めなかった。そして、完成したirukaは、独創性と実用性を両立した他社にはない折りたたみ自転車で、完成度は非常に高い。しかし、irukaはまだ泳ぎ始めたばかり。モビリティに新しい風を吹かせるか注目したい。
文:マツモトケンタロウ
協力:株式会社イルカ/小林正樹
http://iruka.tokyo/
新時代の折りたたみ自転車と言える”モバイル変身自転車”「iruka」記事まとめ https://t.co/t0yTsOOfw5 pic.twitter.com/RC2XtRyyWR— CycloRider (@CycloriderJapan) February 2, 2020
イギリスの折りたたみ自転車「ブロンプトン」を解説 利点や欠点・ライバルも紹介
世界には多種多様な折り畳み自転車がある。その中でも長年にわたり、多くの人に愛用されている折り畳み自転車と言えばブロンプトンだろう。快適に街中を走ることができ小さく折り畳むことができるシティコミューターとして乗る人がおり、さまざまな折り畳み自転車ブランドがライバルが登場していることでも知られている。今回はブロンプトンの利点と欠点、ライバル車などについてまとめてみた。
ブロンプトンの利点と欠点
ブロンプトンの利点といえば、折り畳み性能と走行性能を両立した所だろう。折り畳みに関しては横60×縦58×奥行き30cmと小さく折り畳める。参考を上げるとするとDahon Routeの場合横89×縦64×奥行き34cmなので、いかにコンパクトなのかがわかる。そのため、大サイズのコインロッカーなら余裕で入れることが可能だ。
https://www.cyclorider.com/archives/18669
ブロンプトンよりも小さく折り畳むことができる折り畳み自転車はあるが、このような折りたたみ自転車は、車輪の大きさを極端に小さくしている物が多い。そのため歩道の段差程度でも躊躇してしまう物がある。一方、ブロンプトンは16インチの車輪径を採用したため、歩道の段差程度なら気を使わずに通過できる。また、ハンドルからサドルまでの距離が長くとっているため、身長が高い人でも窮屈せず運転が可能だ。フレームやフロントフォーク、シートポストまで様々な所にスチール素材を採用しつつも、重さは12kgクラスと比較的軽量なのも大きい利点だ。
欠点は、折り畳み性能と街乗り性能を追求したため改造は非常に難しい事。たとえばブロンプトンのブレーキレバーは極端に下を向いているが、これは折り畳み時の奥行きを短くするためだ。またブロンプトンは特殊な変速機を採用しており、後輪がパンクした場合修理に時間がかかる。
ブロンプトン 後輪の外し方(グリーンサイクルステーション):http://www.gcs-yokohama.com/entry/15737/
ブロンプトンは完成度が非常に高い一方で伸びしろが殆ど無い折り畳み自転車だ。購入する時はそれを理解して試乗して買おう。
BD-1・BirdyとBromptonは何が違うか?
ブロンプトンとよく比較された折り畳み自転車と言えばBD-1だろう。かつて、BD-1はブロンプトンと同じ輸入代理店で売られていた。価格帯も近く、自転車本やネットでも比較される事がある。
かつて筆者はBD-1・スタンダートフレーム(セーフティーサスペンション装着)を所有していた事がある。ハンドリングは、ブロンプトンのほうがBD-1よりも安定している。かつてBD-1は、落ち着きがないハンドリングで知られていた。これは、特徴的な前サスペンションが原因と言われており、一部ユーザーはBD-1に通常のリジッドフォークを装着すると、ハンドリングが安定したという話もあるほどだ。因みに現行モデルのBirdyに関しては不安定なハンドリングは解消されている。
タイヤは、Bromptonは16 x 1- 3/8でBD-1は18×1.5。乗り心地については、BD-1は前後にサスペンションがあるので、社外品等の部品を使えば乗り心地を変えられる利点がある。
ギア比はBD-1が有利だ。BD-1は一般的な外装変速を採用しているため、ギア比のセッティングは比較的自由だ。ブロンプトンは外装2段、内装3段、外装2段×内装3段の6段変速仕様の3タイプがある。外装2段は汎用性が低く平地重視のマニアックな仕様。内装3段は街乗り程度の坂なら対応可能な街乗り仕様、外装2段×内装3段の6段変速は、外装2段は坂の多さ等時と場所によって位置を固定して、内装3段変速をメインに使う汎用的な仕様だ。脚を速く回すスポーティーな走りよりも、ゆったり走るのが向いている。
乗車姿勢は、両車とも体が大きい外国人用に考えたのか、非常に大柄な自転車だと感じる。身長180cmの筆者が乗っても普通に乗れる。個人的にはブロンプトンのほうが、乗車姿勢はアップライトでコンパクトに感じた。
車体デザインの割には、走り系では無いがギア比が豊富なBD-1と、車体デザインの割にはよく走るがギア比が少ないブロンプトン。価格に関してはBD-1のほうがラインナップが豊富で安いが、それでも15万円近くする。
BD-1とブロンプトンは、折りたたみ自転車というジャンルの自転車ではなく、「BD-1」と「ブロンプトン」という1つのジャンルのような自転車だろう。BD-1とブロンプトンは両車とも高価で簡単に買う自転車ではない。自分には何が欲しいのか、何を捨てるかを考え、試乗をして選ぶのを薦める。
https://www.cyclorider.com/archives/16561
社外品ヒンジクランプは要注意
ブロンプトンは細かい部品を交換可能にすることで、長く使うことが可能だ。例えばシートスリーブは交換可能になっている。
Brompton シートスリーブの交換です②(bici termini):https://bicitermini.com/2019/01/18/19033/
折り畳みヒンジは驚くほどシンプルだ。このヒンジは交換可能なため、劣化しても交換すれば長く使えることだろう。ヒンジクランプに関しては純正品だけでなく社外品が売られているが、社外品の購入はやめたほうがいい。
ブロンプトンの折りたたみヒンジクランプはコの字形状となっており、底部分との隙間が少なくなると交換と言われている。しかし、一部の社外クランプは新品時ですら要交換状態の隙間が少ない物も存在する。また、社外ヒンジクランプを使用することによりフレームが破損する事例がある。また、輸入代理店はサードパーティ製品を使用したフレームの不具合につきましては保証対象外となる。
Brompton ヒンジクランプ交換です。(bici termini):https://bicitermini.com/2016/03/07/12656/
Brompton ヒンジ 破損事例です。(bici termini):https://bicitermini.com/2014/05/03/9121/
Bropmton ヒンジクランプについて。(bici termini):https://bicitermini.com/2017/01/12/14197/
ブロンプトンのヒンジクランプ ご確認ください!(SS-SITE店長日記):http://sssite721.blog.fc2.com/blog-entry-51.html
製造物責任法等の問題があるため、想定外の使用にかんしてはやらないほうがいい。カーボンフレームロードバイクは荷台の装着やオフロード走行はできず、某折りたたみ自転車ブランドに関しては「非純正品のロングタイプのシートポストに交換したら保証できないのでやらないでほしい。」「バイクパッキングタイプのシートバッグを装着するとシートポストに過剰な負荷がかかるからやめてほしい。」と言う所もある。
https://www.cyclorider.com/archives/18276
ブロンプトンのライバル
Harry Quinn Roller
ルノーライトシリーズで有名なGicから販売されている折り畳み自転車。ブロンプトンよりも低価格で購入できるが、折り畳み時のおさまりが悪いためか、折り畳みサイズはブロンプトンよりも大きい。フレームはアルミフレームを採用し、内装3段変速を装備。
https://www.cyclorider.com/archives/21204
Harry Quinn Portable E-Bike
https://www.youtube.com/watch?v=_XIO_crP-i4
Harry...
モバイル変身折りたたみ自転車「iruka 量産サンプル車」を紹介 ブロンプトンの比較も
自転車を小さく折りたたみ、簡単に持ち運べる折りたたみ自転車。折りたたみ自転車には、車輪を小さくし超小型化した折りたたみ自転車や、ロードバイク並に走れるのを売りにした折りたたみ自転車等、様々なモデルがある。しかし、折りたたみ時のコンパクトさと走行性能を両立させた折りたたみ自転車は少ない。
今回、紹介する折りたたみ自転車は「iruka」。2008年に創業した株式会社イルカの折りたたみ自転車。「モバイル変身自転車」というキャッチコピーが売りのこの折りたたみ自転車は、独創的なデザインと実用性を両立している。長らく注目されていたirukaだが、2019年に発売される。
2018年11月2日現在、irukaは発売されていない。2018年前半に試作車のiruka T7.1が一部イベントで公開されていた程度だ。今回、株式会社イルカの協力で量産サンプル車に試乗することができた。
iruka T7.1(テスト車)と量産車の違い
今回紹介する量産車と、今まで公開されていたテストモデル「iruka T7.1」は、以下の部分が違う。
カラーリングはiruka T7.1では塗装だったが量産車はアルマイト仕上げに変更。
フレームはiruka T7.1よりも軽量化を行う。
リアスイングアームに補助ローラーを採用。輪行時の運搬が便利になった。
ジオメトリに関しては、テストモデル(T7.1)と量産車は同じ。乗り味も同じとのことだ。
irukaの折りたたみの特徴
一般的な折りたたみ自転車は、フレームにヒンジがつき車体が折れる“横折れ式”を採用している。このタイプは低いコストで折りたたみ自転車を作ることができる利点がある。しかし、車体が分割するため剛性が低く、思いっきり踏み込んだ時の進み具合が一般的なスポーツサイクルより劣るなど欠点がある。
irukaは、フレームに横折れ式の折りたたみが無い方式だ。このタイプを採用した折りたたみ自転車は高価な折りたたみ自転車が多い。irukaの場合は、後輪スイングアームと、フロントフォークが折り畳む方法を採用している。
irukaは、フレーム中央にスリットが空いており、スリットに後輪が収まる構造となっている。また、前輪と後輪が平行かつ同軸上に綺麗に畳むことができる。キャリーカートのように転がすことができ、折りたたみ状態でも安定して移動することが可能となった。通常の折りたたみ自転車に採用されている、転がし移動用のキャスターよりも大きい車輪なので、安定性は期待できるだろう。
ホイール/タイヤサイズは18×1.25インチを採用。ただ、フレーム中央のスリットは余裕があるようだ。(スリットはタイヤ幅1.5インチ以上の幅を持たせてあるが、複数種類のタイヤで検証が行われていないためメーカーは保証していない。)
ハンドルポスト、フロントフォークの折りたたみ機構はヒンジと差し込みを組み合わせた独特な方法を採用している。DAHON、KHS、Birdy、ブロンプトン等の折りたたみ自転車で採用されている物とは違い、iruka専用設計で作られている。折りたたみヒンジ部分にパイプを差し込む方式で、剛性とフェイルセーフを両立した機構のようだ。また、折りたたみ機構にはロックが採用されているので、ゴムバンドなどで固定しなくても良い。
irukaの折りたたみサイズは横置き状態で横79x縦48x奥行き35cm。縦方向の折りたたみサイズは非常に低く、これは、14インチ折りたたみ自転車「ルノー・ウルトラライト7」よりも低い。これほどまでに縦方向が低いのは、一般的な事務机に入れることができることと、縦置きすれば新幹線の座席に座った状態で足の間に置けるのを目標にしたため。但し、縦置きモードは自立ができないため注意が必要だ。横置き状態でも他の折りたたみ自転車よりも重心が低いので倒れにくいだろう。
irukaと同時開発中のコンパクトトレーラーiruCartの接続走行試験の様子。 pic.twitter.com/lxCC9jDgca
— iruka (@irukabike) 2018年10月5日
しまなみ海道ミニベロフェスティバルから帰ってきました。京都や広島などからiruka目当てに試乗ブースに来てくださった方もいらっしゃいました。とりあえず45Lのダッフルバッグも余裕で運べる純正リアキャリアiruCarry最強。 pic.twitter.com/IFZIxlFj9Z
— iruka (@irukabike) 2018年5月20日
泥除けに関しては、現時点では汎用品の取り付けを想定しているが、今後は専用品の開発も考えている所。オプションパーツは、カート兼用着脱式コンパクトトレーラー「iruCart」、着脱式吊り下げリアキャリア「iruCarry」、着脱式バッグホルダー「iruCatch」の3つがある。iruCartは、純正オプションのコンパクトトレーラー。iruCarryは折りたたみ状態でも荷物が積める吊り下げ式リアキャリア。iruCatchは一般的なバッグをハンドルに装着できるシンプルなバッグホルダーだ。「iruCarry」「iruCatch」を装着するために使う、サドルに装着されているアダプターはiruka購入時に標準装備されている。
irukaのインプレッション・ブロンプトンとの比較
今回、irukaを渋谷周辺の街中を少し走らせてもらった。独創的なデザインを採用しているが、フレームのスリットから地面が見える違和感を除けば完成度は高い。そこで今回は、irukaのライバルであるブロンプトンと比較してインプレッションする。ブロンプトンと比較した理由は、両方とも折りたたみ時の曖昧さを捨て、きっちりとした折りたたみに拘り、コンパクトさと実用性を重視しているからだ。
かつて、筆者はブロンプトンを購入したいと思い、折りたたみ自転車販売店で、外装2段+フラットハンドルのS2、内装3段変速+アップハンドルのM3L、内装3段×外装2段変速+アップハンドルのM6Lに試乗したことがある。今回、irukaの比較では、内装3段×外装2段変速+アップハンドルのM6Lと比較する。
irukaとブロンプトンは外観で既に大きな違いがある。アルミフレームにアルマイト仕様のirukaは現代的なスタイリングを採用した折りたたみ自転車だ。一方、ブロンプトンはフレームや部品など、多くの場所にクロモリや軽量スチールを採用している古典的な折りたたみ自転車だ。外観は細かい所は変化しているが、基本的には80年代に登場した初期型と大きく変わらない。また、ブロンプトンは多種多様なカラーリングを選ぶことができる。
重量はirukaとブロンプトンの比較では変わらない。irukaの公称重量はペダル・カプラー抜きで11.9kg。ブロンプトン・M6Lの場合、irukaとさほど変わらない11.8kgだ。irukaの重量が軽くない理由は、内装変速機「シマノ・アルフィーネ8S」を採用したのもある。
走行性能(長距離走行や坂道)に関してはirukaのほうが上だろう。理由は2つある。
1つ目は乗車姿勢。ブロンプトンはハンドル高の上下調整ができなく乗車姿勢が固定される。(ハンドル変更で乗車姿勢は変わる。)また、ブレーキレバーの取り付け角度が下すぎるので通常の自転車と比較して違和感があるのだ。ブレーキレバーの位置に関しては、折りたたみ時の奥行き(約30cm)を狭くするのもあるため、仕方ないとも言える。
一方、irukaはハンドル位置の上下調整が可能で、ブレーキレバーの角度も一般的な自転車と同じぐらい。折りたたみ時の奥行きは35cmと少し長いが、ブレーキレバーの角度が一般的でブロンプトンよりも違和感が少なく運転できる。
2つ目は変速機。ブロンプトンには外装2段変速、内装3段変速、内装3段×外装2段の3種類の変速機がある。外装2段、内装3段は街乗り用で、比較的重いギアが付いている。筆者の感覚からすると、外装2段×内装3段が一番旅行向けだ。試乗した感覚では内装3段×外装2段は、外装2段の場合、平地・アップダウンが多い道に合わせて変速し、細かい変速は内装3段で行う物で、スポーツサイクル的な使い方は似合わないと思った。また、ブロンプトンの内装変速機は着脱が特殊で、簡単に車輪を外すことができない。
一方、irukaはシマノ・アルフィーネ内装8段変速を装備した。スポーツサイクルにも採用されており、外装変速機のスポーツサイクルに近い感覚で変速することができ、平地でのスポーティな走りから、街中の上り坂まで対応している。後輪も工具が必要だが比較的簡単に着脱できるだろう。
ハンドリングに関しては、ブロンプトンもirukaも小径折りたたみ自転車の中では安定性は高く、街乗り程度なら特に不安感は感じなかった。ブレーキに関しては、ブロンプトンのキャリパーブレーキは街乗り用といった印象だ。ちょっとスポーティに走るのならirukaの機械式ディスクブレーキのほうが、安定して止まれるだろう。
乗り心地等に関しては甲乙付け難い。車体中央部にスリットがあるirukaは、キワモノ的なイメージがあるが、車体、部品ともガッチリしているが変な硬さが無い乗り心地だ。また、重いギアにして走らせても普通に走る。安い横折れ式折りたたみ自転車にある、ガチガチに乗り心地が硬く、進まない自転車があるが、irukaはそのような自転車とは走りが違う。安い横折れ式折りたたみ自転車のように、ガチガチで踏み込んでも速度が伸びないというのはない。
一方、ブロンプトンにも有利な所がある。それは乗り心地。しなりやすいクロモリ製車体や部品を採用したブロンプトンは。小径折りたたみ自転車としては乗り心地が良い。特にアップライトな乗車姿勢になるMハンドル仕様はハンドルも僅かにしなるのか、小径折りたたみ自転車の中では乗り心地が良い部類に入る。乗り心地に関しては実際に試乗して確認してほしい。
折りたたみ時のサイズはブロンプトンの場合:横60×縦58×奥行き30cm。一方irukaは横79x縦48x奥行き35cm。横方向が短いブロンプトンと、縦方向が短いirukaを選ぶかは、その人のライフスタイルによるだろう。
irukaの利点と欠点
irukaの一番の利点は、スポーティなコミューターとしてよく練られている所だ。今回、短時間しか試乗できなかったが、フロント折りたたみフォークやゴムバンドを使わなくても固定される折りたたみロック機構、スポーツサイクルに近い走行性能、アップダウンが多い日本の街中でも対応する内装8段変速や制動力が高いディスクブレーキ等、今までのコミュータータイプの折りたたみ自転車の欠点であった部分を解決した。
一方、欠点は2つある。1つ目は、全体的な設計がカッチリしているので、改造は想定されていない所だ。例えば、irukaには外装変速機の台座があるが、これは、どうしても外装変速機にしたい向けの装備とのこと。普通に外装変速機を搭載すると、チェーンラインの関係で全段動かすことができないため注意が必要だ。irukaをスポーティなコミューターから、折りたたみスポーツサイクルにカスタマイズするのは非常に難しい。筆者なら、大掛かりな改造はしないで普通に乗るだろう。
2つ目は信頼と実績。高価格帯の折りたたみ自転車にはPacific Birdyシリーズやブロンプトンなど、信頼と実績を積んだ折りたたみ自転車がある。貴重なお金を出して折りたたみ自転車を買う場合、信頼と実績がある折りたたみ自転車を選びたくなるのが一般的だ。irukaはできるだけ早くユーザーの評価を得る必要がある。
2018年10月現在の情報では、irukaのファーストロットは150台。予定金額は正式には公表されていないが伺った所、ブロンプトンやBirdyモノコック等、他社の折りたたみ自転車と比較して競争力がある価格を予定しているようだ。 信頼と実績が手に入れば、有名ブランドの折りたたみ自転車と肩を並べるだろう。
文:マツモトケンタロウ
協力:株式会社イルカ/小林正樹
http://iruka.tokyo/
新時代の折りたたみ自転車と言える”モバイル変身自転車”「iruka」記事まとめ https://t.co/t0yTsOOfw5 pic.twitter.com/RC2XtRyyWR
— CycloRider (@CycloriderJapan) February...
折り畳み自転車の折り畳みサイズを比較・まとめ【8インチ~20インチ】
折り畳み自転車の利点は車体が小さく折りたたむことで、持ち運びが簡単なことだ。しかし、折り畳み自転車といっても折りたたみ方法から車輪サイズまで沢山種類がある。そこで、日本国内で販売されている、もしくは発売予定の主要折りたたみ自転車の折りたたみサイズをまとめてみた。数値に関しては幅×高さ×奥行きで、単位はcmとなる。
20インチ
低価格な街乗り向けタイプから、高価格のスポーツタイプまで様々な種類があるのが20インチ。似たような設計を採用した折りたたみ自転車が多いが、折りたたみ時の寸法に差が大きいジャンルだ。低価格でコンパクトに折り畳める自転車が欲しいのならDahonやTernを選ぶのがベター。DahonやTernに関しては、グレードや車種によって折り畳み寸法が違う場合がある。
20インチ折り畳み自転車の中でも注目したいのがTech One Caracle-S、PATTO BIKE SC451、Tartaruga Type Sportsの3台。Caracle-Sはスーツケースに入れるのをメインにしているため、横折れ式折り畳み自転車の中では、縦方向に長い。Patto Bikeはフレームに折り畳み機構が無いが、DAHONやTernよりもコンパクトになり、この中では一番奥行きを取らない。Tartaruga Type Sportsは、折り畳みを行う時は前後輪やハンドルを外す必要があり、折り畳み自転車としては亜流とも言えるが、折り畳みサイズはPatto Bikeよりも少し奥行きが大きい数値だ。
Dahon Route:89×64×34
Tern Link N8:79×72×38
ブリヂストンサイクル Cylva F6F:83.5×72.5×44
Tech One Caracle-S:47×64.5×33
PATTO BIKE...
折りたたみ高48cmと脅威の低さを実現した折りたたみ自転車 「iruka」
「君、小さいね!」
「君こそ!」
「驚いたなあ。僕より車輪が大きくてそんなに小さくなる自転車は初めて見たよ」
「僕まだ作られたばかりでよくわからないんだ」
「そうなんだ。ねえ、僕たち友達にならない?」
「本当?うれしいな!僕はiruka」
「僕はブロンプトン。よろしくiruka」 pic.twitter.com/EZUnR9LPhh
— iruka (@irukabike) 2017年9月28日
コンパクトに折りたたむことができる折りたたみ自転車には様々な物がある。コストと折りたたみ性能のバランスが良いDAHON・Tern、スーツケースに入れることができるTech one Caracle-s・Patto Bike451シリーズ、60cm四方に収まり、弄りようがないほど完成されているBrompton。14インチホイールのリスクはあるが中型コインロッカーに収まるパナソニックトレンクル・BYA412系列の折りたたみ自転車など、様々な折りたたみ自転車が世の中に存在する。
今回注目する折りたたみ自転車はIrukaという18インチの小径ホイールの折りたたみ自転車。フレームに折りたたみヒンジはなくリアスイングアームとフロントフォークが折りたたむことで小さくなる折りたたみ自転車。ギアはシマノAlfine8段変速を採用し、オプションで独創的な3種類のキャリアアタッチメントを登場させるようだ(2017年10月20日現在、ティザーサイトには公開されていない)
折りたたみサイズはW79cm x H48cm x D35cm。注目する部分は折りたたみ高で48cmと50cmを切っていること。14インチ折りたたみ自転車「ルノーウルトラライト7」の折りたたみ高さが59cmなのを考えると、18インチの折りたたみ自転車で、折りたたみ高48cmは驚異的といえるだろう。
https://www.cyclorider.com/archives/18891
これほど折りたたみ高が短いのは、創業者がDAHON Helios(20インチ横俺式折りたたみ自転車)に乗っていた時、オフィスの机の下に入らない、新幹線の席の間に置けない欠点があったので、折りたたみ高を限界まで追求したのでは無いかと思う。
以前も書きましたが、前職では職場のビルに駐輪場がなかったので、自転車通勤の際はDAHONヘリオスを折りたたんでオフィスに持ち込んでいました。
当初はオフィスにポツポツと空きスペースがあったので置き場所には困りませんでしたが、年に2倍のペースで人が増え続けていたので、スペースが足りなくなったらまずいなあと、結構気をもんでいました。
まあ最悪、自分の机の下に突っこめばいいだろう、そう思ってある日試してみたら、何と入りません。
机の高さは70cm、DAHONヘリオスの折りたたみ時の高さは65cm。ぱっと見は入りそうでしたが、机の天板と引出の厚みがある分だけ足りないのです。
というわけで、irukaは最初から一般的な事務机の下に入る折りたたみ形状・サイズにしようと考えていました。
高さ60cmを切ることを目標に設計を考え始めましたが、そのうち、どうせなら50cmを切りたいと思うようになりました。
というのも、新幹線は前の座席との間(座面前端から前席の背もたれまでの距離)が50cm強なので、折りたたみ時の高さが50cmを切り、厚みが30-40cm程度で縦置きが可能な形状であれば、足の間に置けるのです。
DAHONは車両の最後尾の席の裏にしか置くことができず、輪行のときはいつもホームで列車を待ちながら、自分が乗る車両の最後尾スペースを確保できるか、やきもきしていたものでした。
irukaの絵日記: iruka T6レビュー 〜スリープモード編から引用
気になるのは泥除けの装着の有無。折りたたみ自転車をスポーツサイクルではなく、コミューターとして使うのなら、車体や人間が汚れないための泥除けの装着は必要だろう。DAHONやTernなら汎用品でOKで、Caracle-Sは純正オプションで存在し、Bromptonは標準装備、Patto Bikeはフレームにダボ穴がある。Irukaには汎用品を装着するためのダボ穴は無いように見える。また、折りたたみ時転がして移動できるが、折りたたみ時もホイールで転がし移動するため、Iruka専用の泥除けが必要なのではないかと思う。
販売時期は2018年。価格は20万円台を予定しているとのこと。試乗してみたい折りたたみ自転車だ。
https://www.cyclorider.com/archives/25166
https://www.cyclorider.com/archives/29992
http://www.iruka.tokyo/
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【全国版】ロードバイクがレンタルできるレンタサイクル店一覧
自転車ブームの良い点と言えばレンタサイクルの増加だ。かつて、レンタサイクルと言えばごく一部の観光地にしかなく、レンタルできるのは買い物用自転車しかない状況だった。しかし、現在は様々な所で、軽量で軽く走れるスポーツサイクルがレンタルできる所が増えつつある。また、少なくない所ではロードバイクに乗れるレンタサイクルも登場してきた。今回は、北は北海道から東北、関東、中部、近畿、中国、四国、九州、沖縄地方にあるロードバイクに乗ることができるレンタサイクルをまとめた。但しレンタサイクルはレンタサイクル会社の都合によって情報が変わる可能性が非常に強いため、ご自身の責任において利用してください。
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宅配レンタルサービス
Power kids オンラインストア
ロードバイクの宅配レンタルという珍しいサービスを提供しているPower Kids。ロードバイクはTREK、Cannondale、Scott等の有名ブランドのアルミフレームモデルがメイン。また、これ以外にもジュニアロードバイクもレンタルできる。
https://power-kids.co.jp/rental-bike/
場所:全国どこへでもレンタル可能
車種:
・ロードバイク:TREK、Cannondale、Scott等
この他にもジュニアロードバイクもレンタル可能。
料金:
5日間レンタル:¥15,000~
10日間レンタル: ¥25,000~
この他にも長期レンタルもある。
一般的なレンタサイクルよりも特殊なため注意事項はよく読むこと。
北海道
知床 サイクリングサポート
Specialized製のスポーツサイクルをレンタルできるのが売りの知床サイクリングサポート。一部地区は配送も可能。レンタサイクルだけでなくサイクリングツアーも行っている。
http://www.shiretokocycling.com/ja/
場所:〒099-4355b 北海道斜里郡斜里町ウトロ東96
車種:
・ロードバイク:Specialized
この他にもクロスバイク、マウンテンバイク、ジュニアMTBもレンタル可能。
料金:
一日(日没まで) :¥6,000
2時間、半日(6時間)プラン、レンタル日時追加プランもあり。
ロードバイクは、安全のためにスポーツサイクリング経験者限定。ウトロ地区内は配送料無料。一部エリアは有料で配送可能。営業期間:夏季4月下旬~11月上旬、冬季2月上旬~3月下旬のため注意。
トコトコサイクリング
北海道 富良野地方にあるトコトコサイクリングは、スタート地点、ゴール地点を自由に決めることが可能。(場所により配達やピックアップなどは有料。)レンタル可能なロードバイクはAnchorやKOGAブランドのロードバイク。3~5名でサイクリングツアーも行っている。
http://www.art-box.co.jp/rental.html
場所:中富良野町内は無料で配送可能 。
車種:
・ロードバイク:KOGA、Anchor
この他にも電動アシスト自転車、子供乗せ自転車、マウンテンバイクもレンタル可能。
料金:
一日:¥5,000
レンタル日時追加プランもあり。
花サイクルクラブ
女性のためのロードバイクサイクリングクラブ「花サイクルクラブ」は、サイクリングツアーだけでなく、宅配専門のロードバイクレンタルも行っている。対応エリアは札幌市内中心部。レンタル可能なロードバイクはアンカーの女性向けロードバイクと男性向けロードバイクをラインナップ。
http://www.hana-cycleclub.jp/menu/rental/
場所:札幌市内中心部を宅配可能。
車種:
・女性向けロードバイク:ブリヂストンアンカー ANCHOR RA5...
2021年モデル最新版 10万円以下のロードバイクまとめ ディスクロード等もピックアップ
(2020年12月2日更新)ロードバイクと言えば何十万円もするモデルや、100万円クラスの非常に高価なモデルが少なくない。そんなロードバイクの世界でも、10万円以下のロードバイクもエントリークラスの価格帯が用意されている。自転車ブランドのロードバイクなら、安価なロードバイクでも楽しく走れるだろう。
今回は10万円以下のロードバイクをピックアップ。また、参考として10万円にプラスアルファで購入できるロードバイクも紹介する。10万円に少し加えると、最新のトレンドを採用したモデルを選ぶ事ができるので、可能であれば予算は増やしたほうが良いだろう。価格は追記が無い限り税抜き表示。
2021年モデルの10万円以下のロードバイクの傾向
2021年モデルでは、10万円プラスアルファや10万円以下で購入できるロードバイクでも、ディスクブレーキ仕様が増えてきた。高価格帯のロードバイクでは定番となっているディスクブレーキロードバイク。2021年モデルでは低価格のエントリーモデルと呼ばれている物でも増えている。
また、時代の流れに合わせて、フレームとタイヤの隙間にゆとりがある車体設計が増えている。これにより、ロードバイクでも28ミリや32ミリ以上の太いタイヤを装着できるモデルが増えている。
ディスクブレーキを採用したロードバイク
ハイエンドロードバイクで主流になりつつあるディスクブレーキ付きロードバイク。10万円以下のモデルでもディスクロードが登場している。従来のキャリパーブレーキよりも軽いタッチで効くため、エントリーモデルでも普及するのは時間の問題だ。規格に関しても、殆どのモデルがハイエンドモデルと同じ規格(前後12ミリスルーアクスル、フラットマウントディスクブレーキ)を採用しているのがほとんどだ。
GT ROAD SPORT
アメリカの自転車ブランド「GT」と言えば、マウンテンバイクやBMXで有名だがロードバイクもある。GT ROAD SPORTは、GTのアイコンであるシートステイはシートチューブと接触することなくトップチューブに接続されたフローティングデザインのトリプルトライアングルを採用。10万円を切る価格では貴重なディスクロードバイクの1台。
フレームはアルミフレームで、フロントフォークはフルカーボンフォークを採用。コンポーネントはShimano Clarisで、クランクはFSA Tempo、50/34T、スプロケットはSunrace, 11-32 8速。ブレーキはPromax Render R機械式ディスクブレーキ。タイヤはVittoria Zaffiro、700x28c。価格は9万9800円。
出典:GT Bicycles
KhodaaBloom FARNA DISC Claris
KhodaaBloom FARNA DISC Clarisは8万円台で購入できる貴重なディスクロードバイク。小柄で手足が短めな日本人に合わせたフレーム設計のエンデュランスロードバイク「FARNA」をベースにしたディスクロードバイク。8万円台と低価格ながら、コスト削減しやすいクランクやスプロケットはシマノ製を採用したり、コンチネンタル製のタイヤを装着するなど、低価格ながら細かい所にこだわっている。
フレームはAll-New“EAST-L”Triple butted.SmoothWeldアルミフレームで、フロントフォークはフルカーボンフォークを採用。コンポーネントはShimano Clarisで、クランクはSHIMANO FC-R2000、50/34T、スプロケットはShimano, 11-32 8速。ブレーキはTEKTRO...
ボッシュ最新のE-Bikeユニット「Performance Line CX」を試乗 その実力とは?
日本でも注目されつつある電動アシストスポーツ自転車のE-Bike。日本でもヤマハ・パナソニックなどの大手電動アシスト自転車会社が、E-Bikeを販売しているだけでなく、シマノ等の部品会社がE-Bike用ドライブユニットを供給し、注目を集めている。
そんな中、ヨーロッパで人気のE-Bikeユニットブランド「Bosch」で有名なのが、E-Bike/E-MTB用ドライブユニット「Performance Line CX」だろう。Performance Line CXは、E-MTB等のスポーツタイプのE-Bike用ドライブユニットで、開発コンセプトは「Uphill flow(坂を駆け上がる楽しみ)」で、マグネシウム材の使用と内部機構の新設計により従来モデルより25%の軽量化と48%の小型化を達成。定格出力250W、最大トルク75Nmを発揮し、日本国内で発売されているハイエンドE-Bike用ドライブユニットと同クラスの出力を実現した。
今回、シクロライダーは、11月2~4日に幕張メッセで開催した「サイクルモード2019」内のメディア向け試乗会に参加し、3台のPerformance Line CX搭載E-Bike(Corratec E-POWER X-vert、TREK Alliant+、TREK Powerfly5)の試乗を行った。今回はPerformance Line CXユニットの特性を中心に紹介しよう。
パワー・クイックレスポンス・低ノイズを実現したE-Bikeユニット
現在、日本のE-Bike界でトップクラスのドライブユニットと言えば、シマノ・STEPS E8080、パナソニック・スポーツドライブユニット、ヤマハ・PW-Xの3つだろう。この3つのドライブユニットは、急坂でも力強く進むパワーを持ち、踏んだ時に即座に反応するクイックなレスポンスを持っており、スポーツサイクルの楽しさを増幅してくれる。そして、今回試乗したBosch Performance Line CXも、トップクラスのE-Bikeユニットの1つだ。
SPORTモードやTURBOモードでの発進は自然さを残しながら力強い加速を行う。STEPSのように高ケイデンスで走行するタイプではなく、ケイデンスとトルクを重視したヤマハ等のバランス系に近い。また、アシスト切れが発生する速度(法律では24km/hまで)近くまで、ギリギリアシストを行うようだ。E-Bikeのドライブユニットは、アシスト切れが発生する速度のマージンを多く取るタイプも存在する。特に舗装路走行を行う際、21km/hと早めにアシストが切れるのと、23~24km/hまで限界ギリギリまでアシストが切れるのは、意味が全く違うのだ。
そして、注目なのがアシスト作動時の音だろう。大出力・大トルクを出すハイエンドE-Bike用ドライブユニットは、アシスト時に発するノイズが大きい。しかし、Performance Line CXは、高いノイズを発する「シマノ・STEPS E8080」や、比較的低いノイズを発する「ヤマハ・PW-X」よりも音が小さい。感覚としてはヤマハ・PW-SEと同等か少し音が大きいぐらいだ。ハイエンドE-Bikeユニットの中では静かな部類に入るだろう。
eMTBモードは名前を変えて、全車に標準装備するべき
Performance Line CXシリーズの特徴と言えるのがeMTBモードだ。これは、ライダーの踏力の強弱に応じた最適なアシスト力を自動で提供してくれるモードで、従来のE-MTBが苦手とする、滑る斜面や狭いスペースでのターンなどテクニカルな場面でも、意のままにバイクをコントロール可能とのこと。Corratec E-POWER...
E-Bike界のスーパーカー「Bianchi e-SUV」シリーズ【海外モデル】
今まで、自転車の世界に無かったジャンルの1つに「スーパーカー」タイプがある。スーパーカーとは、高い運動性能とひと目を引くデザインを採用した贅沢で高価なスポーツカーの事を指す。自転車の世界でスーパーカーが無いのは、運動性能は実質的には人間が出すものと、ひと目の引くデザインを採用すると、重くなり走行性能を悪くしてしまう問題があるからだ。
そんな中、E-Bike界から、スーパーカーならぬスーパーE-Bikeが登場した。
Bianchiの海外向けE-Bike「e-SUV」は、従来のE-MTBのデザインから外れたスーパーE-Bikeと言えるモデルだ。他のE-Bikeと違うのがデザイン。ダウンチューブの造形を立体的にし、単色でも立体的に魅せるのに成功し、更にフレーム上部にエンブレムを装着した。ダウンチューブにはエアインテークを搭載し、ダウンチューブ内に内蔵されているバッテリーを冷却する効果を持っているようだ。
一番特徴的なのが、Rallyモデル装着されたフレーム一体式のフロントライト。これにより、従来の自転車には無い「顔」をつけるのに成功した。フレームとハンドルの段差をできるだけ無くすために、コラムスペーサーを無くす代わりにオートバイのカウルを意識したヘッドチューブを採用し、統一感を出している。リアスイングアームにもテールライトを装備した。
デザインだけでなくパフォーマンス面も追求しており、フレームはフレーム・リアスイングアームはカーボン製。フロント29インチ、リア27.5インチの異径ホイールを採用しており、FOX製のサスペンションには、MTB用電子制御サスペンションシステム「Live Valve」を搭載。ドライブユニットはシマノのハイエンドE-Bike用ドライブユニット「STEPS E8000」に大容量の720Whバッテリーを装備し、E-MTBの性能を追求している。
Bianchi e-SUVが従来の自転車ではできなかったデザイン性を追求できたのは、E-Bikeなのもある。例えば、内蔵ヘッドライトやテールライトは一般的な自転車なら装飾で、メンテナンス面から見てもただの重りとなるので付けないだろう。(最上級モデルのe-SUV Racerはライト無し)また、細かい調整よりもデザインを追求した所も、ポジション調整を追い込むときに欠点になる。しかし、電動アシストユニットを搭載したE-Bikeなら、多少の装飾で重くなったり、ポジション調整が雑でも電気の力で楽に走ることができるので問題にならない。
e-SUVは現時点では日本市場にやってくるかは不明だ。価格はE-SUV Racerで10.490ユーロ、E-SUV Rallyで9.490ユーロ、E-SUV Adventureで 6.790 euroユーロと、下手な小型オートバイよりも高価だ。しかし、50~250CCのオートバイには、大手ブランドで非常に高価なスーパーモデルの物が無いため、E-Bikeでスーパーモデルが登場できた事だけで、E-Bike市場の深さがわかるだろう。
従来の自転車やE-Bikeにはなかった性能とデザインを両立したスーパーE-BikeのBianchi e-SUV。価格もスーパーだが、e-SUVが成功したら、各社がスーパーE-Bikeを投入する可能性は高い。
https://www.bianchi.com/e-suv/