モペットスタイルの洒落たE-Bike「FANTIC ISSIMO(日本仕様)」をインプレッション

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E-Bikeが一般的な人力自転車や原動機付き自転車と違うのは、可処分所得が高い人を狙っているため、従来の枠には囚われない面白いタイプのモデルが登場していることだろう。

その中でも、今回紹介するのはFANTIC  ISSIMOだ。FANTICは1968年に誕生したイタリアのオートバイブランド。小排気量のスクランブラー、オフロードオートバイ、トライアルタイプのオートバイで有名になったオートバイブランド。その後倒産するが、現在は投資会社の支援により華々しく復活した。近年では、2020年10月にヤマハモーターヨーロッパが、イタリア二輪車エンジン製造会社「モトーリ・ミナレリ」の株式をFANTICに譲渡したことでも知られているだろう。

FANTIC XTF1.5 CARBON

日本市場では、FANTIC製E-Bikeに関しては、ドイツ「Brose」社のドライブユニット「Brose Sシリーズ」を搭載した、日本国内での公道走行不可、EU仕様のE-MTBシリーズと、型式認定を取得し日本国内での公道走行が可能がシティモデル「ISSIMO」を展開している。

ISSIMOは、かつてFANTICのラインナップにあったエンジン付き自転車「モペッド」の名前を受け継いだE-Bike。トラスフレームに前後ライト、ファットタイヤを採用することで、他にはない個性的なスタイルが特徴的なモデルだ。2018年のミラノモーターサイクルショー(EICMA)でコンセプトモデルが登場、2019年にユーロバイクアワード2019を受賞。2021年6月に公益財団法人日本交通管理技術協会が推進している型式認定を取得し、日本仕様が登場した。

ISSIMOにはコミューター向けのモデルで、VEE-TIRE Speedster 20×4インチスリックタイヤにリアキャリアを装備した「URBAN」と、オフロード走行を意識したVEE-TIRE Mission Command 20×4インチタイヤと、ミニマムなリアフェンダーを採用した「FUN」の2モデルを展開している。今回インプレするのはリアキャリア付きの日本仕様のURBAN。価格は36万円(税抜)。

FANTIC ISSIMOの車体をチェック

FANTIC ISSIMOは、かつて存在したペダル付き原動機付き自転車「モペッド」の名前から取っている。ただ、かつてのISSIMOが一般的なデザインのモペッドで実用車のイメージなのに対し、E-Bike化した現代のISSIMOは、独特のゴツいスタイリングで、ファッショナブルなスタイリングを実現した。

 

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このような、跨ぎやすいステップスルースタイルを採用した自転車は、人力自転車やE-Bikeでは、できるだけ優しいデザインを採用するのが一般的。しかし、ISSIMOは20×4インチの太いファットタイヤに、オートバイを連想させるトラスフレームなどを採用することで、マッシブなデザインを実現した。

車体重量は33キロ。一般的なE-Bikeが20キロ台なのを考えると重い。バッテリーはシートチューブに縦置きされている。

フロントライトはTrelock Veo 50。ライト自体は汎用品のようだが、ブラックのプラスチックカバーをかぶせることで、ひと目で見てISSIMOだとわかるデザインを実現した。E-BikeではBianchiの「e-SUV」(記事)や「E-OMNIA」(記事)、HaiBikeの「XDURO」など独自性を出すためにフロントグリルやフロントライトを採用しているモデルがあるが、汎用ライトとプラスチックカバーを組み合わせることで、コストや故障時の交換での時間を抑えつつ独自性を出すことができたISSIMOの手法は賢い。

サドルにはISSIMOのロゴが入っている。幅は広めで厚めのサドルとなっており、アップライトな乗車姿勢に対応している。

車体後方にはテールライトを標準装備。URBANに標準装備されているリアキャリアは小物入れとなっている。小物入れは鍵で開閉できるが、500mlペットボトルを入れることができないほど浅い。細いワイヤーロックや小物などを入れる簡易的なスペースで見た目重視だ。

フロントにはサスペンションフォークを搭載。80ミリトラベルでブランド名は不明。本格的なオフロードを走るのかというよりは街乗り向けだ。

変速機はシマノNEXUS内装5段変速。ブレーキはシマノ製油圧ディスクブレーキを搭載。リング錠など、車体にはカギは無い。

ドライブユニットはBAFANG M500。定格出力250W、最大トルク80Nmを発生する。

ハンドルにはスピードなどを表示する液晶ディスプレイ、アシストのモード切替などを行うスイッチ、グリップタイプのシフトレバーを装備した。

ちなみに、ISSIMOには様々なパーツがオプションで用意されている。例えば車体にはトラスフレームを隠すカバーを装備することが可能。フレームカバーはソリッドタイプから半透明仕様まで用意されており、自分好みのISSIMOにカスタマイズ可能だ。

ハンドルやフレームにはISSIMO専用のバッグを装着可能。また、リアキャリアを標準装備したURBANは、リアキャリア左右にサイドバッグを装着できる。

FANTIC ISSIMOをインプレ

今回、白馬エリアでFANTIC ISSIMOに時間をかけて試乗することができた。

最初に注意したいのはサドル高。サドル高に関しては、身長180センチメートルの筆者でも両足つま先立ちで乗ることができる。ただ、ISSIMOは車体重量が33キロと重いため、スポーツサイクルのように両足つま先立ちの状態だと、慣れていないと立ちゴケする不安がある。そのため、サドル高は少し低めにして乗るのがいいだろう。

ちなみに日本人の女性の平均身長(約157センチメートル)でも乗れるとのこと。ただし、その場合はサドル高を一番低くしても両足かかとまでべったりとした状態で足を地面に下ろすことはできず、片足をかかとまでべったりとつける状態で乗るようだ。

乗り心地に関しては、4インチの太いタイヤとフロントサスペンションにより、乗り心地が良く、多少の荒れた砂利道でも躊躇せず走ることができる。乗車姿勢はハンドル位置が高い、シティサイクルのようなアップライトなポジションなので、スポーツサイクルのようにスポーティに走るのではなく、ゆったりと走るのが良いだろう。

走行性能に関しては、車体重量が33キロと重く、一般的な自転車よりも太いファットタイヤのためか、長距離走行を行うのは不向きで街乗り向けだ。アシストレベルに関しては5段階あるが、弱いアシストを使う場面はほとんど無く、一番パワフルなモードを常時使うだろう。アシスト音はヒューン系で比較的静かな部類に入り、シマノSTEPS E6180と同等かそれよりは少し静かなレベルだ。

E-Bikeは自転車なので、アシストを切った状態で人力走行を行うこともできる。ISSIMOもアシストを切って人力走行を行うのは可能だが、車体重量が重く、タイヤが太いため人力走行はあくまでもおまけといったところだ。

ハンドリングに関しては、重いバッテリーを縦置きにしているため、バランスがおかしいE-Bikeにある、起き上がりこぼしのように、車体が倒れなくて持ち上がる感覚は無いが、車体全体が重く太いタイヤで抵抗が大きいのか、倒し込みが重い。ただISSIMOは街乗り用E-Bikeなので、特に問題はないだろう。

押し歩きに関しても車体が重いため、人によっては気になる人もいるだろう。購入する前には一度、試乗を行うのをお薦めする。

FANTIC ISSIMOはデザイン重視の街乗りE-Bikeが欲しい人向け

オートバイを意識したオートバイスタイルのE-Bikeと言うと、近年流行しているのが、かつて存在したミニバイク「カワサキ・コヨーテ」のデザインをコピーしたモデルだろう。

 

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このようなデザインを採用した電動アシスト自転車やE-Bikeは既にBRONXやROCKA FLAMEといったブランドが20万円以下と低価格で購入できるモデルがあるため、独自性を打ち出しにくい状況になりつつある。

ISSIMOはかつてのモペットの名前を復活させつつ、オートバイスタイルのE-Bikeの中では、トラスフレームなどを採用することで、非常に独自性が高いデザインを実現した。

また、注目すべき所はカスタマイズが比較的容易なこと。例えばオプションでトラスフレームにカバーを装着することができる。FANTICの広告を作るアーティストやFANTICのオートバイを使うカスタムビルダーに、フレームカバーをカスタマイズしてもらうのも面白いだろう。

 

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オートバイを意識したE-Bikeと言うと、単純にオートバイに似せただけのデザインにしてしまうのが少なくない中、ISSIMOはあくまでもオートバイのデザインはエッセンスだけにとどめてており、ガレージにFANTICのオートバイと一緒に置いていても負けないスタイリングなのは大きな魅力だろう。

欠点は販売店が少ない、車体重量が33キロと重い、タイヤが太いため一般的な駐輪用ラックに入らないということ。ただ、ISSIMOを購入する人はデザインに惹かれて購入すると思うので、この辺りの欠点は問題と感じない人が少なくないかもしれない。

FANTIC ISSIMOのスペック

 

  • フレーム:アルミフレーム
  • フロントフォーク:サスペンションフォーク 80ミリトラベル
  • 重量:-
  • ブレーキ:SHIMANO 油圧式ディスクブレーキ
  • ギア(前):-
  • ギア(後):シマノネクサス Inter-5E 内装5段変速
  • フロントホイール:20インチ
  • リアホイール:20インチ
  • タイヤ:
    Urban:Vee-tire Co Fat、20インチ×4.0 – ロードトレッド付き
    FUN:Vee-tire Co Fat、20インチ×4.0ミッションコマンド、ラグトレッド付
  • ドライブユニット:BAFANG M500(定格出力250W、最大トルク80Nm)
  • アシスト方式:ミッドドライブ
  • バッテリー:630Wh
  • 充電時間:-
  • アシストモード:5段階
  • 航続距離:-

文:松本健多朗

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