クロスバイク・トレッキングバイク グラベルロード

MTB風味を持つグラベルバイク GIANT TOUGHROAD SLR

2016年モデルで登場した、GIANTの新世代ツーリング自転車「TOUGHROAD SLR」シリーズ。マウンテンバイクみたいに太いタイヤを履き、道を選ばないツーリング自転車だ。

フレーム素材は、ALUXX-SLRというGIANTのアルミの中でも軽量を売りにしている。GIANTの自転車の中でも高価なモデルに採用されている種類のアルミだ。フレームはマウンテンバイクみたいだが、ヘッドチューブが長く、サスペンションの装着は想定していないように見える。全体的な形状もGIANTの近年のハードテールマウンテンバイクのように、極端にスローピングせず、各部の隙間もMTBよりも狭いように見える。

シートポストは、D型形状のD-FUSEシートピラーを採用。撓りやすいシートピラーを特徴としていて乗り心地を良くする一方、汎用性が低くなる。フロントフォークはサスペンションが無いリジッドフォークでカーボン製だ。

ギア比はマウンテンバイク用で軽いギアが有り、上級モデルのSLR1は前2段と流行のダブルギアを採用している。タイヤはマウンテンバイク用。29インチは700のリムと径が同じなので、700のクロスバイク用タイヤの装着が可能と思われる。スプロケットは36Tと大型のギアを装備している。SLR1は、前後キャリアやチェーンステーカバーを装備している。前後キャリアは溶接から見て恐らくアルミ製。前キャリアは片側7.5kg、リアキャリアは25kgまでの荷物を積むことができる。また、荷台を使用しないで車体に装着するバッグ「SCOUTシリーズ」を装着することもできる。

GIANT TOUGHROADに乗ってみた

今回、サイクルハーバー青梅でレンタサイクルとして使われているGIANT TOUGHROADに試乗することができた。このTOUGHROADは、SRAMの1×11速仕様に、後付でハブダイナモを装備している。

最初に見て、クロスバイクと大きく違うように感じるのがタイヤとホイールだ。ホイールの大きさは29インチと、マウンテンバイクに使われている規格だ。車輪径を大きく障害物が乗り越えやすい29インチは、クロスカントリーMTBレースでよく見る形式だ。

TOUGHROAD SLRの標準タイヤはグラベル重視のブロックタイヤを装備しているが、今回試乗したTOUGHROADはWTB Thickslick 29×2.1というスリックタイヤを装備。タイヤの重量は786g。

舗装路では、GIANT Escape R3などのスピードクロスバイクと比較すると安定感が高いのが特徴だ。カーブを曲がる時の感覚も同じで、細いタイヤを装着したロードバイクやクロスバイクのひらひらとした軽快感とは対称的な走りとなっている。公道にある段差も特に気にしないで通過できるため、

漕ぎ出しに関しては、タイヤが太いためオンロード用スポーツサイクルと比べると重いが、マウンテンバイクよりも軽快だ。Specialized Diverge E5+パナレーサー・グラベルキング700×38Cと比較した場合、Diverge E5のほうが軽快だろう。しかし、スピードを出さなければ、これで舗装路の長距離サイクリングもできるレベルだろう。

ギア関連に関してはSRAM GX1000 36T+SRAM PG1130 11S 11-42T。1×11ながら、ギア比1以下のギアが装備されているので、長距離サイクリングでの山越えも可能だ。

舗装路では、タイヤの太さを生かして安定感がある走りが楽しめるTOUGHROADだが、ジープロードでもその良さを実感できる。今回、TOUGHROADで林道の下りを走行したが、スピードは遅いながら”操縦”して下ることができた。このような砂利道だと、一般的なクロスバイクは恐る恐る走行しないといけない一方、TOUGHROADが安定して走行できたのは、29インチホイールの走破性もあるだろう。

TOUGHROADが合っている人は、嘗てマウンテンバイクでサイクリングを楽しんでいた人だろう。ジャンプやハードなコースは走らないが、砂利道は安定して走行できる頑丈さを求める人は今でもいる。今のマウンテンバイクは、オフロード走行に特化した影響で、低価格のエントリーモデルでも重装備となっており、舗装路はマウンテンバイクよりも軽快に走行でき、砂利道はクロスバイクよりも安定して走れるTOUGHROADは貴重な自転車だ。

注意点を挙げるとするならタイヤだろう。TOUGHROADに採用されている29インチタイヤは、MTB用のブロックタイヤか、重い街乗り用タイヤしかない状況だ。流行のグラベルロードでは、650B×47Cというロードプラス規格を使用できる自転車がある。こちらでは軽量なタイヤが用意されており、600gを切る太いスリックタイヤも存在する。(パナレーサー・グラベルキング 27.5×1.90:584g)舗装路走行がメインの人なら軽量タイヤが装備できるグラベルロードを選ぶのも1つ。TOUGHROADはグラベルをメインに楽しみ、オンロードはマウンテンバイクよりも軽快に走行したい人のためのグラベルツーリングバイクだろう。

車両協力:サイクルハーバー青梅

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