マンスリーアーカイブ 5月, 2018

Pacific Birdyシリーズまとめ 独特の折り畳み自転車の歴史から現行モデルまで解説

1990年代、ドイツの自転車会社「Ride and Muller」社が発売した折り畳み自転車「Birdy」は、直線的な形状を採用したフレームにメカニカルなフロント・リアサスペンションを採用し、フロント・リアサスペンションが折り畳むことで、走行性能の高さと折りたたみ性能を両立した自転車として知られていた。日本ではBD-1という名前で知られていたが、2015年に日本での販売がPacific Cycles Japanに変わることによって、Birdyという名前に変わった。此の時、初代Birdyで採用されていたストレートフレームをアップデートしたBirdy Classicに、多くの改良を加えたニューBirdyモノコックが登場した。 Birdyシリーズの特徴 Birdyシリーズの特徴は、フレームは折り畳まないでフロントサスペンション、リアサスペンション(スイングアーム)が折り畳む構造だろう。折り畳み構造とサスペンション機能を両立したサスペンションは、小さい段差の衝撃を吸収し、安定感ある走りができる。 かつて、BD-1という名前で売られていた時代は、フロントサスペンションの構造上の問題か、低速になるとフラつきやすい問題があった。これはBD-1名義の時代ではスタンダードモデル(かつて所有)、モノコックフレームモデル(試乗)の両方で体験した。しかし、現行モデルのBirdyは設計を変えているのか安定して走ることができるようになった。BかつてのBD-1はインターネットオークションや中古市場でも高価で販売されている折り畳み自転車だが、操縦安定性はBirdyシリーズより劣るため、後々を考えたらBirdyシリーズを購入するのがベストだと思う。 Birdyシリーズの折りたたみ/展開方法 Birdyシリーズは全車種カラーオーダーが可能 Birdyシリーズは、ClassicからMonocoqueまで、カドワキコーティングのパウダーコーティングを使用したカラーオーダーを受けることができる。カラーバリエーションは78色と多く、フレーム・フロントフォーク・リアスイングアームを塗るシングルカラーから、フレームとフロントフォーク・リアスイングアームの色を変えるツートンカラー、モノコックフレーム限定でフロントフォークとフレーム一部分のカラーリングを変えるツートンカラーの設定がある。カラーオーダーは車体価格に追加料金が必要で、21,000~¥71,250となる。 Pacific Cycle Japan|カラーオーダーについて Birdyシリーズのラインナップ Birdyシリーズには、ストレートフレームのデザインを活かしつつ、現代の折りたたみ自転車のレベルまで上げたBirdy Classic、モノコックフレームで重量10kgを切ったモノコックフレームのエントリーモデルのBirdy Monocoque air、ディスクブレーキを装備した上級モデルのBirdy Monocoqueの3モデルがラインナップされている。 Birdy Classic|¥145,000(税別)スコッチブライト¥155,000(税別) BD-1登場時、一世を風靡したストレートフレームのデザインを意識し、現代の設計にリファインしたモデルがBirdy Classic。グレードは1種類のみ。BirdyシリーズはモノコックフレームモデルのBirdy Monocoqueの安定性が高いが、一番安いBirdy ClassicでもかつてのBD-1よりも操縦安定性は高い。カラーリングはサンセットオレンジ メタリック・フォギーブルー メタリック・セミマットブラック メタリック・スコッチブライトの4色で、スコッチブライトを選択した場合、通常モデルよりも1万円高となる。Birdy Monocoqueシリーズは20インチホイールにコンバートできる利点があるが、Birdy Classicのメカニカルなデザインも捨てがたいだろう。 Birdy Monocoque air|¥185,000(税別)スコッチブライト¥195,000(税別)   出典:http://pacific-cycles-japan.com/news/news20170509.html Birdy Monocoque airはモノコックフレームモデルのシリーズで一番安価なモデルながらBirdyシリーズで一番軽い9.87kgを達成した折りたたみ自転車だ。注目すべき所は車体価格でディスクブレーキを装着した通常のBirdy Monocoqueの車体価格が20万円を超えているのに対し、Birdi Monocoque Airは税抜価格185,000円(スコッチブライトカラーは195,000円)と20万円を切っていることだろう。 Birdyモノコックシリーズで最軽量のBirdy Monocoque Airが、モノコックシリーズでエントリーモデルの扱いになっているのは、装着されている部品がシンプルな機構を採用しているのもあると思う。通常のBirdy Monocoqueシリーズは、制動力が高いディスクブレーキやハンドルポジションの上下調整が可能な折りたたみステムを採用したのに対し、Birdy Monocoque Airは、シンプルで軽量なキャリパーブレーキ、ハンドルポジションが固定されている折りたたみステム、細いオンロード用タイヤを採用したため軽くなったのでは無いかと思う。Birdy Monocoque Airのタイヤは18×1.25インチと、通常のBirdy Monocoque(18×1.5インチ)よりも細いタイヤを採用している。販売店の画像を見ると1.25インチよりも太くすることは難しいが、ディスクブレーキ台座があるためディスクブレーキ仕様にすればタイヤを太くすることができると思う。またキャリパーブレーキのままでも20インチに大径化を行うことができるようだ。 Birdy Monocoqueシリーズ|¥225,000(税別)~¥290,000(税別) Birdyシリーズでフラグシップモデルとして位置するのが、Birdy Monocoqueシリーズ。Birdy Monocoque airとの主な違いは上下調整可能なハンドルポスト、ディスクブレーキを採用したことだ。走行性能はBirdy Classicシリーズと比較すると、低速時の安定性からコーナリングまでMonocoqueのほうが操縦安定性が高く、本格的にスポーティに走りたいのならBirdy Monocoqueを選ぶのがベストだろう。 Birdy Monocoqueには2種類のグレードがあり、シマノ・Sora9速に機械式ディスクブレーキを採用したBirdy Monocoque Standard Discとシマノ・R35010速にTRP Spyre 機械式ディスクブレーキを装備したBirdy Monocoque...

超小径折りたたみ自転車「Carry-me」まとめ 特徴等を解説

折り畳み自転車ブランドで有名なPacific Cyclesには特徴的な折り畳み自転車がラインナップされている。その中でもCarry-meは8インチタイヤを採用した折り畳み自転車として知られている。超小径タイヤと縦折れ式のフレームを採用することでA4用紙サイズ程度の置き場所があれば、駐輪することができる画期的な自転車だ。日本の車椅子メーカーが、車椅子と一緒に自動車に積むことができ、車椅子と一緒に走ることができる折り畳み自転車が欲しいとPacific社に依頼したことから始まったと言われているCarry-meは、大きなベビーカーよりもコンパクトに折り畳むことが可能だ。 走行性能に関して言えば、試乗した限りではクセがある折り畳み自転車だ。8インチ車輪を採用しながら、特殊ギアを採用することで下手なママチャリよりも速く走ることができるのを売りにしており、実際に試乗した限りでは本当だと思う。ただ、多少の段差や路面のひびにも注意が必要で、歩道の段差では降りて押す等の対応が必要だろう。折り畳み自転車と考えるよりも自転車版キックボードに近いと思ったほうがいい。 折りたたみサイズは32cm(W) x 25cm(D) x 91cm(H)と、縦折れ式折り畳み自転車のため、高さ方向は高い欠点はあるが、折り畳み時の横幅と縦幅が小さいのは大きな利点だ。 CarryMeは、エアタイヤ仕様とノーパンクタイヤ仕様のどちらを選ぶのがベストか Pacificの超小径折りたたみ自転車「Carryme」には通常の空気入りタイヤ仕様とノーパンク仕様の2つがある。Carrymeの車輪は8インチと小さく、特殊なチューブを採用しているためノーパンク仕様とエアータイヤ仕様のどちらにするか迷うと思う。今回、ミニベロフェスタでノーパンク仕様とエアータイヤ仕様のCarrymeに試乗できたので、違いをまとめてみた。 ノーパンク仕様のCarry meは、綺麗な舗装路では通常のエアータイヤ仕様のCarry-meよりも乗り心地が硬い程度に感じる。空走時のスピードの落ち方もエアータイヤと比較して少し落ちやすく感じる程度だ。 しかし荒れた舗装路を走ると、振動が一気に強くなり空走時のスピードの落ち方も強くなる。一番嫌なのは乗り心地だ。路面のざらざらを直接頭に伝える乗り心地は頭がシェイクされるような気分になり、非常に不快だ。 エアータイヤ仕様のCarry meは、荒れた舗装路を走行しても、ノーパンク仕様のCarry meよりも乗り心地は良く、ノーパンク仕様特有の不快な振動もない。 ノーパンクタイヤ仕様のCarry meはパンクしない利点以外の性能は、通常のエアータイヤのほうが性能は高いと考えたほうが良いようだ。また、段差の走行はエアータイヤ仕様のほうが強く、ノーパンクタイヤ仕様は欠点が多い。 個人的にはエアータイヤ仕様からノーパンクタイヤ仕様、もしくはノーパンクタイヤ仕様からエアータイヤ仕様に変更できるオプションが欲しいと思った。ただ、ネットではそのようなオプションがない。気になるのなら取り扱い店で聞くのがベストだろう。 Pacific Carrymeにはカラーオーダーがある Pacific Cyclesの一部車種には、追加料金でカラーオーダーを行うことができる。カドワキコーティングのパウダーコーティングをフレームに塗ることが可能で、全78色を選ぶことが可能。色の塗り分けは、フレーム全体を塗るシングルカラーから、フレーム一部の色を変更するツートンカラーを選ぶことができる。ロゴパターンの色の変更も可能で、標準カラー8色から選べる。カラーオーダーは車体価格に追加料金が必要で、20,000円~となる。 Pacific Cycle Japan|カラーオーダーについて Pacific Carry Meのラインナップ 2018年現在、Pacific Carry Meは、エアータイヤ仕様とソリッドタイヤ仕様の2種類がラインナップされている。エアータイヤ仕様は¥89,800(税別)ソリッドタイヤ仕様は¥94,000(税別)と価格の差があるが、走行性能だけに関して言えば、エアータイヤのほうが有利。走行性能よりもパンクしないのを重視するのならソリッドタイヤ仕様を選ぶのがベストだろう。 https://www.cyclorider.com/archives/24296

レジャーバイク風の電動アシスト自転車 Coast Cycles Buzzraw【海外モデル】

世界的に白熱している電動アシスト自転車市場だが、海外では日本で見ることが出来ない様々な電動アシスト自転車が売られている。今回取り上げる電動アシスト自転車は、Coast CyclesのBuzzrawというモデルだ。 一般的な電動アシスト自転車は、通常の自転車のデザインを元にして作られた物が多いが、Coast Cycle Buzzrawは、原付にエンジンを外して電動アシストユニットを搭載した自転車に見えるデザインを採用している。このような自転車を見てホンダ・モンキーといったレジャーバイクを思い浮かべる人もいると思う。ホンダ・モンキーはスーパーカブのエンジンを搭載した公道を走行することが可能なレジャーバイクだが、海外ではColeman CT200U(日本未発売)など、ホンダ・モンキーよりも遥かに原始的なレジャーバイクが売られており、Coast Cycles Buzzlowはそのようなオートバイのインスピレーションをうけて作ったのではないかと思う。 Yay!!!...it fits on my tailgate rack!👍#minibike #colemanct200u #squishyface #dogswelove #boxer #boxerdog #boxador #boxerlab #badmotorscooter matt alholinnaさん(@mattalholinna)がシェアした投稿 - 2018年 4月月12日午後3時26分PDT Buzzrawの特徴は、原始的なレジャーバイクのデザインを元に自転車にしたということ。通常の自転車ならサドルには上下調節が可能だが、Buzzrawはモーター付きの乗り物を元にしたデザインを採用しているため、サドルは上下せずモーターサイクルのようなシートを採用している。普通の自転車ならサドルの上下調整が無いと脚が回しにくく乗りにくいが、Coast Cycle Buzzrawは電動アシスト自転車モデルがあるため、サドル調整が無くても良いと判断したかもしれない。タイヤは20×4インチと、小径ファットバイクタイヤを採用しており、迫力あるデザインに加え、走行時の安定性も期待できそうだ。 Coast Cycle Buzzrawには主に3種類のモデルがラインナップされている。通常の自転車仕様のBuzzraw。250Wのミッドドライブユニットを搭載した電動アシスト仕様のBuzzraw E250。1000Wのミッドドライブユニットを搭載した電動アシスト仕様のBuzzraw E1000の3種類がラインナップされている。また、通常の自転車仕様のBuzzrawに250Wか1000Wのアシストユニットを搭載するキットも存在するようだ。 電動アシスト仕様のBuzzrawが日本で販売するには、日本の電動アシスト自転車の規格に合わせないといけない問題がある。また、免許が必要な電動自転車として販売するには、1000W仕様のBuzzraw E1000は50CC扱いにはならない可能性もある。日本の法律ではモーターの定格出力が1kW以下の場合は第二種原動機付自転車(125CC)となるからだ。 https://www.cyclorider.com/archives/24433