MAMORIO株式会社と大東建託株式会社は6月17日、自転車盗難防止とデザイン性を両立させた新型スマートタグ「MAMORIO Cycle Tracker Pad」を共同開発し、同日より発売を開始した。価格は13,230円(税込)。同製品は、自転車フレームに簡単に装着できる本革製フレームパッドに、世界最小クラスのスマートタグ「MAMORIO RE」を内蔵。日常のサイクルライフを損なうことなく、気軽に盗難抑止効果を高める革新的ソリューションとして注目を集めている。
「なくすを、なくす。」――開発の背景
日本の自転車所有率は約73%に達し、そのうちスポーツバイクや電動アシスト自転車など高額モデルが35%を占める。一方で、昨今は電動キックボードなど多様なモビリティの普及に伴い、盗難リスクが社会課題化。既存の盗難防止用品は取り付け煩雑で特定車種向けに限られる上、外観や乗り味が犠牲になるケースも少なくなかった。
こうした状況を受け、MAMORIO社と大東建託は「いかなる自転車にも気軽に使えて、かつデザインを損ねない盗難防止製品」をコンセプトに共同開発を決定。製品化に際し、傘や自転車へのワンポイント表示が盗難抑止に効果的との民間調査に着目し、実際に100人を対象とした匿名アンケートを実施。その結果、93%が「フレームパッドのない自転車は持ち去りやすい」と回答し、盗難抑止に有効なフレームパッド一体型スマートタグという着想に至った。
製品概要と主な機能
「MAMORIO Cycle Tracker Pad」(型番:MAMLZ-CTP-001)は、革製パッド内部に専用ポケットを設け、MAMORIO RE(型番:MAMR-001-BK-1)を内蔵。パッド自体は防水性を備えた牛革素材で、チャコールブラックとミルクベージュの2色展開。雨天走行にも耐えうるうえ、自転車の美観を損なわないシンプルかつ高質感なデザインを実現した。
取り付けはフレームやシートポスト、ハンドルなど幅25~60mmの円形部位にベルトのように巻き付けるだけ。装着・脱着が容易なため、シティサイクルからロードバイク、電動アシスト自転車、さらには電動キックボードまで幅広い車種に対応する。
スマートタグMAMORIO REは、Bluetooth Low Energy(Bluetooth4.0)通信を採用し、有効距離は約30m。CR2016リチウム電池を交換可能な構造とし、最大11か月の連続利用が可能だ。重量もわずか3.4gに抑えられており、タグそのものの存在感はほとんど感じさせない。
アプリ連携で安心のトラッキング
製品は専用スマートフォンアプリ「MAMORIO」と連携。主な機能は以下の通り。
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ロケーションタイムライン:自転車の移動履歴を地図とタイムラインで記録。置き忘れ防止のみならず、万が一の盗難時にも最後に駐輪した地点を即座に特定できる。
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クラウドトラッキング:全国のMAMORIOユーザーネットワークおよび公共交通機関のMAMORIO SPOTによる検知データを活用し、盗難された自転車の現在地や移動経路を確認可能。
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レベルメーター:混雑した駐輪場でも自転車を見つけやすくする接近感知機能。タグからの電波強度をビジュアル表示し、おおよその距離を割り出すことで短時間で自車を発見できる。
また、ユーザーが自転車から一定距離離れるとアプリに通知を送る「おでかけ通知」機能を備え、うっかり離れてしまった際の紛失も未然に防ぐ。
今後の展開と実証実験
両社は「MAMORIO Cycle Tracker Pad」の次世代機能として、駐輪場見守りソリューションを開発中。駐輪場に設置した受信機が不正な持ち出しをリアルタイム検知し、管理者へ即時通知を行う仕組みを実証実験予定。これにより、マンションや商業施設の駐輪場管理における盗難防止・無断使用防止を強化し、より安心・安全な環境整備を図る。
MAMORIO社は今後も「当たり前に、気づかせる。」をミッションに、スマートタグ技術を軸とした近接検知ソリューションを多分野に提供。大東建託は同取り組みを通じて、住宅管理やシェアサイクルサービスへの応用など、MaaS領域でのサービス拡充を目指す。
製品スペック一覧
項目 | 仕様 |
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製品名 | MAMORIO Cycle Tracker Pad |
型番 | MAMLZ-CTP-001 |
価格 | 13,230円(税込) |
寸法 | H60×W260×D3mm |
重量 | 30.7g |
対応フレーム径 | φ25~60mm |
素材 | 防水牛革(WATER PROOF LEATHER) |
カラー | Charcoal Black/Milk Beige |
同梱物 | 本体、スマートタグ「MAMORIO RE」×1 |