最近、SNSで話題になっているEバイクブランドといえば「MOVE」だろう。日本発のEバイクブランドを売りにしているMOVEは、主にファットタイヤのeバイクや折りたたみタイプのEバイク、AspadzのオートバイスタイルのEバイク「CAVAT」の販売を行っていることで知られている。
登場初期に展開していたのはMOVE株式会社だったが、2025年現在は株式会社WinCが展開。MOVE株式会社は株式会社WinCに吸収合併されている。
コレすごくない?
新車の電チャリで「ギアが下がらない」ってトラブル。
そらチェーンがタイヤに当たるから入らないわ。
販売元に問い合わせたら「ウチも困ってるんだけどお金払うから対策できない?」
じゃねーわ。
そもそもマトモなもん作れ pic.twitter.com/77McCIE1Nu— 塩鯖苺タルト (@ezweb_docomo02) June 21, 2025
SNSでは折りたたみタイプのeバイク「MOVE XS」で、一番軽いギアに変速できないという問題が注目されている。変速できない問題というのは様々あるが、MOVE XSの場合は一番軽いギアに入れようとしてもチェーンがタイヤに接触してしまう状況だ。この問題を解決するには、スプロケットにスペーサーを入れて位置をずらす、BBトルクセンサーの軸長を変える、リアハブモーターなどの部品選択を変更してチェーンを当たらないようにするしかないだろう。
MOVEはお洒落なEバイクとして販売しているが、電動アシスト自転車業界を知る人なら、あの手の車体は中国の卸売サイトで沢山販売されている物を黒くしてお洒落なロゴを入れて、値段だけを高くして高級そうに見せているというシロモノ扱い。物を知っている人なら、同じ金を出すのなら、もっとクオリティが高い大手自転車ブランドのEバイクを買うのが普通だ。
また、気になるのが型式認定。MOVEはファットタイヤの折りたたみEバイクであるMOVE XSと、折りたたみEバイクのMOVE Sで型式認定を取得しているが、今回問題になっているMOVE XSは型式認定を取得している。
電動アシスト自転車の型式認定はアシスト比率だけを測っていると思われているが、電動アシスト自転車の型式認定はアシスト比率測定だけでなく、車体自体も検査している。実際、企業によってはアシスト比率は問題無かったが、審査中に別の部品に気になる所があるので認定しなかったという事例がある。
MOVE XSは型式認定を取得しているとのことだが、変速機が1段使えない状態で型式認定が取れたのかという疑問が残る。変速機が1段使えないそのままの車両で型式認定を取得していたのであれば、型式認定は設計不良の電動アシスト自転車でも通ることができるので、型式認定の威光は消える。逆に型式認定審査時に変速機が正常に動いているのであれば、検査を受けた車両は実際の市販車とは違うということなので、それも問題だろう。
MOVEはシリーズ全車種で型式認定の取得を目指し、卸店舗への展開を加速するとプレスリリースで書いてあったが、変速機が1段使えない設計不良の車両をそのまま販売するということは見る目が無いということ。小売店からすれば、このような設計不良のEバイクを製造する企業の商品を販売したいとは思わないだろう。