マンスリーアーカイブ 11月, 2019

公道仕様も登場するか?イタリア・FANTICのE-Bike【サイクルモード2019】

バイク用品やランブレッタ、FANTICのオートバイの輸入を行っているサインハウスは、サイクルモード2019で、3台のFANTICブランドのE-Bikeを出展した。 オフロード・モーターサイクルのように前輪が29インチの大径ホイールに、後輪が27.5インチの小径ホイールの前後異径タイヤを採用したE-MTB「XF1 INTEGRA 160」には2種類のモデルが用意。カーボンフレームの「XF1 INTEGRA 160 Carbon」は、36V・630WのバッテリーとRockshox Lyric RC+160ミリトラベルフロントフォークを搭載。コンポーネントはSRAM GX、ブレーキはSRAM CODE油圧ディスクブレーキ。予定価格は820,000円(税抜)。 アルミフレーム版の「XF1 INTEGRA 160」は、36V・630WのバッテリーとRockshox Yari+160ミリトラベルフロントフォークに、SRAM NXコンポーネント、ブレーキはSRAM GUIDE油圧ディスクブレーキを搭載した。予定価格は560,000円(税抜)。 トレッキングバイクのLIVINGは、27.5×2.8インチの36V・630WのバッテリーとSR SUNTOUR XCR 100ミリトラベルフロントフォークに、SRAM SX Eagleコンポーネント、ブレーキはSRAM Level2油圧ディスクブレーキを搭載した。予定価格は420,000円(税抜)。ドライブユニットは全車にBrose社のSシリーズを搭載。最高出力250W、最大トルク90Nmとオフロードコースでも対応できる高トルクを実現している。 サインハウスがFANTICのE-Bikeを輸入したのは、既にFANTICブランドのオートバイを輸入しており、その流れとして輸入したとのこと。公道走行不可のE-Bikeなのは、モトクロスライダーの練習で使うのを想定しているのもあるようだ。しかし、公道仕様の要望があれば、ドライブユニット製造会社の「Brose」に要望し、公道仕様を作りたいと語っていた。また、仮に公道仕様を発売する際、価格に関しては同価格で行いたいとの事だ。 sygnhouse.jp

ボッシュ最新のE-Bikeユニット「Performance Line CX」を試乗 その実力とは?

日本でも注目されつつある電動アシストスポーツ自転車のE-Bike。日本でもヤマハ・パナソニックなどの大手電動アシスト自転車会社が、E-Bikeを販売しているだけでなく、シマノ等の部品会社がE-Bike用ドライブユニットを供給し、注目を集めている。 そんな中、ヨーロッパで人気のE-Bikeユニットブランド「Bosch」で有名なのが、E-Bike/E-MTB用ドライブユニット「Performance Line CX」だろう。Performance Line CXは、E-MTB等のスポーツタイプのE-Bike用ドライブユニットで、開発コンセプトは「Uphill flow(坂を駆け上がる楽しみ)」で、マグネシウム材の使用と内部機構の新設計により従来モデルより25%の軽量化と48%の小型化を達成。定格出力250W、最大トルク75Nmを発揮し、日本国内で発売されているハイエンドE-Bike用ドライブユニットと同クラスの出力を実現した。 今回、シクロライダーは、11月2~4日に幕張メッセで開催した「サイクルモード2019」内のメディア向け試乗会に参加し、3台のPerformance Line CX搭載E-Bike(Corratec E-POWER X-vert、TREK Alliant+、TREK Powerfly5)の試乗を行った。今回はPerformance Line CXユニットの特性を中心に紹介しよう。 パワー・クイックレスポンス・低ノイズを実現したE-Bikeユニット 現在、日本のE-Bike界でトップクラスのドライブユニットと言えば、シマノ・STEPS E8080、パナソニック・スポーツドライブユニット、ヤマハ・PW-Xの3つだろう。この3つのドライブユニットは、急坂でも力強く進むパワーを持ち、踏んだ時に即座に反応するクイックなレスポンスを持っており、スポーツサイクルの楽しさを増幅してくれる。そして、今回試乗したBosch Performance Line CXも、トップクラスのE-Bikeユニットの1つだ。 SPORTモードやTURBOモードでの発進は自然さを残しながら力強い加速を行う。STEPSのように高ケイデンスで走行するタイプではなく、ケイデンスとトルクを重視したヤマハ等のバランス系に近い。また、アシスト切れが発生する速度(法律では24km/hまで)近くまで、ギリギリアシストを行うようだ。E-Bikeのドライブユニットは、アシスト切れが発生する速度のマージンを多く取るタイプも存在する。特に舗装路走行を行う際、21km/hと早めにアシストが切れるのと、23~24km/hまで限界ギリギリまでアシストが切れるのは、意味が全く違うのだ。 そして、注目なのがアシスト作動時の音だろう。大出力・大トルクを出すハイエンドE-Bike用ドライブユニットは、アシスト時に発するノイズが大きい。しかし、Performance Line CXは、高いノイズを発する「シマノ・STEPS E8080」や、比較的低いノイズを発する「ヤマハ・PW-X」よりも音が小さい。感覚としてはヤマハ・PW-SEと同等か少し音が大きいぐらいだ。ハイエンドE-Bikeユニットの中では静かな部類に入るだろう。 eMTBモードは名前を変えて、全車に標準装備するべき Performance Line CXシリーズの特徴と言えるのがeMTBモードだ。これは、ライダーの踏力の強弱に応じた最適なアシスト力を自動で提供してくれるモードで、従来のE-MTBが苦手とする、滑る斜面や狭いスペースでのターンなどテクニカルな場面でも、意のままにバイクをコントロール可能とのこと。Corratec E-POWER X-vertとTREK Powerfly5の2台のE-MTBで体験したが、単純にモードが切り替わり、段階的にアシスト力が上限するのではなく、意のままに滑らかにアシストの強弱を出してくれる。もはや、モーターではなく人工筋肉と言えるほどのアシスト制御を実現している。 このeMTBモードの問題は、搭載しているモデルがE-MTB(電動アシストマウンテンバイク)のみだということ。E-クロスバイクのTREK Alliant+はeMTBモードが搭載されていなかった。このモードは、滑りやすい道だけでなく、低速走行が必要な街中や曲がりくねった道など、一般公道でも有効な機能だと感じた。eMTBモードは名前を変えて、全車に標準装備するべきだ。 ベンチマークと言える性能を持っているが、問題は価格だ シクロライダーでは、日本で購入できるE-Bikeのドライブユニットの頂点は「ヤマハ・PW-X」という結論だった。しかし、今回登場したBosch Performance Line CXは静音性に優れ、eMTBモードの装備によりヤマハ・PW-Xを超えたと言っても良いだろう。(執筆時の評価) そんな、Performance CXだが一番の問題が車体価格だろう。シマノ・STEPS E8080やヤマハ・PW-X搭載車の場合、ハードテールE-MTBなら30万円台後半で購入でき、シマノ・STEPS E8080なら40万円クラスでフルサスペンションE-MTB(ミヤタ・リッジランナー8080、BESV・TRS2AM)が用意されている。 一方、日本国内で販売予定のPerformance Line CX搭載車は40万円を越えているのがほとんど。例えばハードテールE-MTBのTREK Powerfly5は46万円(税抜き)。部品構成やドライブユニットのパフォーマンスを考えても、戸惑う価格だろう。価格の面で問題があるが、ハイエンドE-bikeを購入する際は必ずBosch performance Line CX搭載車に試乗するのを薦める。シクロライダーでは、サイクルモードだけでなく公道試乗も実施してリポートを行う予定だ。 関連リンク Bosch E-Bike System 関連記事 https://www.cyclorider.com/archives/34473 https://www.cyclorider.com/archives/36463

滋賀県の琵琶湖1週サイクリングコース「ビワイチ」がナショナルサイクルルートに指定

滋賀県にある琵琶湖岸のサイクリング「通称:ビワイチ」が、11月7日(木)、国土交通省自転車活用推進本部が指定するナショナルサイクルルート第1号として、しまなみ海道(広島県・愛媛県)、つくば霞ヶ浦りんりんロード(茨城県)と同時に選ばれた。以下、ブレスリリースから一部抜粋 ビワイチは、路面整備や案内看板設置など安全で快適な走行環境が整備されていること、サポートステーションやレンタサイクル拠点などが整備され、サイクリストから家族連れ、海外旅行者などの多様な方が安全に周遊できることが高く評価されました。 指定を受け、関係者とともにセレモニーを行った三日月大造 (みかづき たいぞう)滋賀県知事は、「とても嬉しく光栄に思う。選ばれた以上、もっともっと世界の方々や初心者など多くの層に楽しんでいただけるサイクルルートになるよう力を入れていく。安全面や案内面を向上させ、走る方、住んでいる方、社会全体が三方良しのより良いルートになるよう取り組んでいく。」と喜びと決意を語りました。 ■ナショナルサイクルルート 自転車を通じて優れた観光資源を有機的に連携するサイクルツーリズムの推進により、日本における新たな観光価値を創造し、地域の創生を図るため、国の自転車活用推進本部において、今年9月に創設された制度。日本を代表し、世界に誇りうるサイクリングルートを国内外へPRするため、魅力的で安全なルートであることなど、一定の要件を満たすサイクリングルートを対象にサイクルルートが指定されます。 ■ビワイチ 日本一の琵琶湖一周約200kmをサイクリングする「ビワイチ」は、湖岸には美しい風景が広がり、ゆっくり走る家族連れからスポーツとして楽しむサイクリストまで、それぞれのペースで快適にサイクリングを楽しむことができるサイクリングコースです。 200kmは、走り慣れたサイクリストなら1日で走れる距離ですが、おすすめは2~3日かけて宿泊し、県内をゆっくり観光・食事を楽しみながら走るビワイチです。ビワイチを完走したことで得られる達成感、高揚感、満足感に加え、ルート沿いの美しい風景や歴史遺産、滋賀の郷土食など数多くの魅力的なスポットをゆっくり楽しめるのが、大きな特徴です。また、琵琶湖大橋北側150㎞や南側50㎞だけを走るコース、さらには琵琶湖を船で横断しショートカットするコースもあります。 https://www.biwako1.jp