海外でE-Bikeに興味がある人の平均世帯年収は約1000万円? 海外E-Bikeユーザーの調査から見る今後を考える

電動アシストスポーツ自転車「E-Bike」は、日本国内で販売されている電動アシスト自転車よりも高価なのがほとんどで欧州市場や北米市場では、100万円を超えるE-Bikeもよくあり、2022年では200万円を突破したE-Bikeも登場している。

そこで気になるのが、海外市場では、どんなユーザーが日本の電動アシスト自転車よりも高価なE-Bikeに乗っているのかということ。そこで、今回は海外サイトでの調査データを参考にして、海外でのE-Bikeユーザーの動向を紹介する。

E-MOUNTAINBIKE Magazineの読者調査からE-Bikeユーザーの動向を知る

E-Bike関連サイトで世界的に有名なメディアと言えば「E-MOUNTAINBIKE Magazine」だろう。E-MOUNTAINBIKE Magazineは定期的に読者調査を行っており、2021年に世界の1万6000人以上のE-MOUNTAINBIKE Magazine読者を対象にした調査を行った。

16,251 readers have spoken – The most important findings of the 2021 E-MOUNTAINBIKE reader survey | E-MOUNTAINBIKE Magazine (ebike-mtb.com)

国籍は、ドイツが約49%、オーストリアが8%、スイスが7%。ドイツに次いで2位は英国で、10%強の読者が英国を拠点としている。ヨーロッパ以外では、アメリカの読者が最も多く、5%強を占めている。

平均年齢は50歳で、平均世帯年収は7万6000ユーロ(2022年1月時点での1ユーロ130円換算で970万円)。読者の大半は男性だ。また、E-MTBを購入するための予算は、平均5500ユーロと、1ユーロ130円の場合、日本円で約71万円となる。

アメリカでもE-Bikeは可処分所得が高い層が購入している

E-MOUNTAINBIKE Magazineでは、E-MTBに興味がある読者の平均所得が高いという結果だったが、他ではどうだろうか。ここではアメリカのE-BikeブランドEVELOの調査を紹介しよう。

EVELOは、2019年1月24日から3月15日にかけて、アメリカの成人1,157人(男性74%、E-Bike所有者61.11%)を対象にオンライン調査を実施した。

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A Survey of U.S. Electric Bike Owners and Interested Consumers | EVELO

電動アシスト自転車の所有者と関心のある消費者の調査を行った際、70パーセント以上は45歳以上、アメリカのE-Bike所有者の世帯年収に関しては少なくとも71.16パーセントが毎年5万ドル以上、または世帯当たりの週給約962ドルを得ており、おそらく個々の労働者あたりの見かけ上の米国中央値を上回っているとのこと。2018年の1ドルは平均で110円だったため、5万ドルは約550万円となる。ここからは、1ドル110円で日本円に換算する。

参考として、2018年第4四半期のアメリカの労働者の週給と給与の中央値は897ドルで、年間4万6644ドルに相当する。ただし、平均所得中央値は労働者一人当たりで報告されている。USドル/円の為替レートは1ドル110円で約513万円となる。

具体的には、回答者の15.15パーセントが世帯年収15万ドル(約1650万円)以上であった。また、10万ドル以上15万ドル(1100万円から1650万円)未満は17.40パーセント。回答者の約19.65パーセントが7万5千ドルから10万ドル(825万円から1100万円)の年収で、18.96パーセントが5万ドルから7万5千ドル(550万円から825万円)の年収だった。

また、年収2万5千ドルから5万ドル(275万円から550万円)の世帯からの回答は約17.01%、残りの11.83%は年収2万5千ドル(275万円)以下の世帯からの回答であった。

参考として日本人の平均世帯年収は、厚生労働省が公開する「2019年 国民生活基礎調査の概況」の2018年時点では552万3000円。日本人の世帯年収の中央値は437万円となる。

高年収、高価格帯のE-Bikeが世界で大量に売れる意味

海外ではE-Bikeは可処分所得が高い人が購入しているのがわかるだろう。下手なオートバイよりも高価なE-Bikeだが販売台数も非常に多く、2022年度のドイツ市場ではE-Bikeの年間販売台数が200万台を達成している。これはドイツ市場のオートバイの販売台数の10倍ほどで、いかにE-Bike市場が大きいかわかるだろう。

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ドイツ E-Bike(電動アシスト自転車)の年間販売台数200万台を達成 オートバイの10倍ほどの販売台数を記録 – シクロライダー (cyclorider.com)

これほどまで市場規模が大きいと、様々な企業が参入しており、モーターではValeoや日本電産が、完成車ブランドではMVアグスタやドゥカティ、ハーレーダビッドソンといった名だたる高級オートバイブランドが参入している。自動車会社でもポルシェは、コネクテッドE-Bikeを製造する「グレイプ」、軽量E-Bike用モーターを製造する「FAZUA」を買収し、ポルシェオリジナルのE-Bike用モーターを製造する会社を立ち上げた。

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高年収、高価格帯のE-Bikeが世界で売れることで問題になるのが、日本市場だろう。海外でE-Bikeを製造する工場では、日本の電動アシスト自転車の単価が安すぎるため、製造する旨味が無く、日本市場向けの電動アシスト自転車の製造を拒否して、単価が高い欧州市場や北米市場向けのE-Bikeの製造を行う工場がある。また、とある自転車企業の話では、日本人は欧州や北米向けの高級E-Bikeの製造工場の玄関を潜ることすらできないという話も聞く。

E-Bikeの心臓部であるモーターも、ヨーロッパや北米では最新型のモーターが登場しているのに対し、日本ではヨーロッパや北米では販売終了した一昔前のモーターが今でも販売されていたり、日本市場に導入しないという事例もある。

欧州市場や北米市場の価格が基準で、世界的なE-Bikeブームの中、日本市場向け電動アシスト自転車の価格はさらに値上がる可能性があると考えられる。日本市場向けの電動アシスト自転車の販売台数は、2020年度で110万台とドイツ市場の半分ほどで、車体単価も平均で10万円程度と欧州市場に負けており、可処分所得が高い欧州市場や北米市場に振り回されているため、安くなることは期待できない。

2022年9月現在、すでに街乗り用電動アシスト自転車でも、税込価格で18万円のモデルが登場している。しかし、国際価格がそれよりも高価なため、街乗り用電動アシスト自転車でも20万円を超えるモデルが登場してもおかしくないだろう。

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