街を爽快に走るためのクロスバイクE-Bike「BESV JF1」をレビュー

クロスバイクタイプのE-Bikeには、大容量バッテリーとパワーを重視したミッドモーターを搭載したCorratec E-POWER SHAPE PT500や、小型バッテリーと軽さを重視したミッドモーターを搭載したSpecialized Turbo Vado SLなど、多種多様なモデルが用意されている。

その中でもBESV JF1はスマートなデザインに、車体重量16キロ台とクロスバイクタイプのE-Bikeでは軽く、価格も、カラーチェンジ変更後モデルで27万8000円(税込)と、30万円を切る価格で、お手頃価格で購入できるクロスバイクタイプのE-Bikeとして知られている。今回、BESV JAPANからBESV JF1を借用して様々な場所を走行してBESV JF1を解説する。

BESVらしいスマートなデザインを実現した車体

BESV製E-Bikeの特徴と言えば、デザインに拘っていることだろう。これは、クロスバイクタイプE-Bikeの「JF1」に関しても同じで、252Whの小型バッテリーに後輪に搭載されたインホイールモーターを採用することで、E-Bikeではスマートなデザインを実現した。

カラーリングも、一般的なスポーツ自転車のようにブランドロゴを大きく見せるのとは違い、ブランドロゴは大きく見せておらず、これもすっきりとしたデザインに一役買っているだろう。

ディスプレイはBESVオリジナルのフルカラー液晶タイプ。ディスプレイサイドにはUSB Type-Cコネクタを搭載しており、スマートフォンの充電やオプションのヘッドライトを装着することができる。

モーターはBESVオリジナルのリアインホイールモーターで定格出力250W、最大トルク不明。バッテリーは、容量252Whで脱着可能。脱着方法は鍵を使い、バッテリーを外しても蓋があるため、防犯性能も高い。バッテリーのサイズは500mlペットボトルに近く、BESV JR1やJG1といったJシリーズだけでなく、CF1 LENA、VOTANI H3、Q3にも使われている。バッテリーの価格は4万3780円。

BESV JF1は、街中やサイクリングロードを爽快に楽しく走行できるのが特徴

今回、BESV JF1を街中やサイクリングロード、峠の上り坂など様々な道を走行した。E-Bikeは、モーターや部品構成などの関係で、上り坂を走行するのが楽しいモデルや、平地を走るのが楽しいモデルなどがある。BESV JF1に関していえば、街中やサイクリングロードを走るのが楽しいクロスバイクタイプのE-Bikeだろう。

BESV JF1が街中やサイクリングロードを走るのが楽しい理由は、車体重量とモーターのアシストチューニングのおかげだろう。BESV JF1の車体重量は、車体サイズが一番小さいXSサイズで16.1キロ。一番大きいLサイズで16.5キロと軽い。車体が軽いと、アシスト比率が少なくなる時速18キロ以上の高速域で走行しても、アシストの力を感じやすい。

モーターのアシストチューニングに関しては、モーターのパワー自体は一般的だが、アシストの味付けが面白いためだ。

BESV JF1のモーターは定格出力250W、最大出力、最大トルクは不明。筆者が試乗した限りでは、Bosch Active Line Plus(定格出力250W、最大出力は非公式情報で400W中盤、最大トルク50Nm)に近い。マウンテンバイクタイプのE-Bikeに使われているShimano STEPS E8080(定格出力250W、最大トルク70Nm)や、Bosch Performance Line CX 日本仕様(定格出力250W、最大出力非公式情報500Wオーバー、最大トルク85Nm)と比較するとパワフルではないが、舗装路を走行するには必要十分の性能を持っている。

インホイールモーターの欠点は、アシスト時の”直結感”が感じるのが難しいこと。Shimano STEPSシリーズやBoschなどが採用しているミッドモーターが漕いでいる足に直接アシストがかかり、直結感を感じる一方、インホイールモーターは漕いでいる足にアシストがかからず、車輪を動かすためアシストの直結感が感じにくい。

BESV JF1のアシストは後ろからスーッと進むモーターの気持ちよさを活かしたアシストチューニングだ。イメージとしては、最大アシスト比率まで曲線的にモーターの力を働かせて静かにアシストすることで、ふわっとしつつ力強いアシストを実現した。アシスト時の直結感が感じるのが難しいというインホイールモーターの欠点を逆手に取り、インホイールモーターならではの乗り味で完成度は高いだろう。

アシストモードに関しては、航続距離重視のECO、漕いだ力でアシスト力を可変するSMART、一番パワフルなPOWERの3種類を用意している。一充電あたりの航続距離に関しては、40キロから105キロとなっている。航続距離重視のECOモードでは100キロほど走行できると書いてあるが、ECOモードは航続距離を重視したため、アシスト力が少ないため、実質的にSMARTモードか、POWERモードを多用することになるだろう。

SMARTモードの航続距離は公開されていないが、筆者が乗車した限りでは、一般的なアップダウンがある道では50キロから60キロ程度だと想定している。これはSMARTモードのアシストパワーがPOWERモードに近いほどのパワーを出しているため。体感ではSMARTモードのアシストパワーは発進時の場合、POWERモードと比較して弱いアシストパワーを出している場合でも、体感で6割以上のアシストパワーを出力して発進していることもあった。個人的にはSMARTモードのアシストは、スマートフォンで出力調整を行ったほうが良いと感じた。

上り坂は、前ギアが44T、後ギアが11-34Tと、上り坂では比較的重めのギア比構成を採用しているため、坂道ではモーターのパワーに頼って上る必要がある。バッテリー容量が252whと少ないため、長い峠道では電池切れになりやすいので、バッテリー2個持ちで運用するのを想定しよう。

ちなみに、BESVは、BESVオリジナルインホイールモーターを搭載したモデルは、車種ごとにアシストチューニングを変えている事があるため、JF1のアシストチューニングが、JR1やJG1に採用されているわけではないため注意しよう。

軽量E-Bike「Specialized Turbo Vado SL」と比較する

軽量系クロスバイクタイプE-BikeのBESV JF1を購入するとき、気になるのが、同じく軽量系クロスバイクタイプE-BikeのSpecialized Turbo Vado SLだろう。Specialized Turbo Vado SLは、重量15キロでバッテリー容量320WhとBESV JF1よりも軽量でバッテリー容量は多いが、バッテリーの取り外しは基本的に不可能、搭載されているモーター「Specialized SL1.1」は、定格出力240W、最大出力240W、最大トルク35Nmと、BESV JF1よりもパワー、トルクが少ない。Specialized Turbo Vado SLの価格は、39万6000円から。

Specialized Turbo Vado SLと比較に関してだが、街乗りに関してはBESV JF1が楽しい。都内の裏道はストップ&ゴーや小さなアップダウンが多いが、このような道ではSpecialized Turbo Vado SLはBESV JF1に敵わない。BESV JF1はTurbo Vado SLよりも、モーターのパワーやトルクがあるので、多少の変速動作はズボラでも楽々と発進し、都心でよく見る小さなアップダウンは、モーターの力と車体の軽さのおかげでアシスト比率が少ない高速域でもよく進む。

BESV JF1の楽なフィーリングに慣れると、Specialized Turbo Vado SLは、頻繁にシフトチェンジを行う必要があり、Specialized SL1.1モーターの音が喧しいと感じるだろう。

サイクリングロードに関しては甲乙つけがたい。BESV JF1は車体の軽さと、平地でも楽しいアシストチューニングと、Specialized Turbo Vado SLよりもパワフルなモーターのおかげで快適に走ることができる。

但し、アシストが切れる時速24キロ以上のアシスト無し領域での加速は、Specialized Turbo Vado SLのほうが速い。BESV JF1はリアインホイールモーターを採用しており、バネ下重量が重いという欠点があり、アシストが切れる高速域で再加速するときのスピードはそれほど伸びない。一方、Specialized Turbo Vado SLは、ホイールにモーターが搭載されておらずバネ下重量が軽いため、アシストが切れる速度でも、BESV JF1よりも軽々とスピードを出すことが可能だ。

ヒルクライム性能に関しては、BESV JF1は一番パワーがなく航続距離重視のECOモードは、坂道を上るのには不向きで、それ以外のモードを使用するとバッテリーの消費が大きくなる。また、バッテリー容量も252Whと少ないのが欠点だ。

一方、Specialized Turbo Vado SLはモーターのパワーやトルクはBESV JF1よりも少なく、一番パワフルなモードでも、BESV JF1よりも脚力を要する一方、車輪にモーターがなく、バネ下重量が軽いためか、弱いアシストモードでも上れるため、BESV JF1よりも長い距離をヒルクライムを走行することができる。

BESV JF1とSpecialized Turbo Vado SLは車体価格だけでなく、設計コンセプトが違うので、そのことをよく考えて購入しよう。

BESV JF1は街を軽快に走る人にお勧めのクロスバイクタイプE-Bike

BESV JF1を一言で表すと「街を軽快に走る人にお勧めのクロスバイクタイプE-Bike」だ。スマートなデザインだけでなく、都心でよく見る小さなアップダウンは、モーターの力と車体の軽さのおかげでアシスト比率が少ない高速域でもよく進んでくれる。

また、ふわっとしつつ力強いアシストを実現するインホイールモーターならではの乗り心地も、ストップアンドゴーが多い街中では気持ちよいアシストを楽しむことができる。「街を軽快に走りたい人向けのE-Bike」というキャラクターを理解していれば悪くない選択だろう。

一方で、ロングライドを行うには、容量252Whのバッテリーと、電力消費が大きいスマートモードを多用するため不安を感じる。どうしてもBESV JF1でロングライドを行うのなら、バッテリーを購入して2個持ちでの運用や、休憩場所で頻繁に充電を行うなど、様々な運用方法を考えたほうが良いだろう。

BESV JF1のスペック

  • フレーム:アルミ
  • フロントフォーク:アルミ
  • 重量:16.1kg
  • ブレーキ:シマノ油圧式ディスクブレーキ
  • ギア(前):44T
  • ギア(後):11-34t 10段段変速
  • フロントホイール:700C
  • リアホイール:700C、インホイールモーター
  • タイヤ:DURO 700×35C
  • ドライブユニット:BESV インホイールモーター(定格出力250W、最大トルク不明)
  • アシスト方式:リアインホイールモーター
  • バッテリー:36V 7Ah(252wh)
  • 充電時間:約3.5時間
  • アシストモード:2段階
  • 航続距離:105/40km

文:松本健多朗

関連リンク

BESV JF1 https://besv.jp/products/jf1/

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