TREK Fuel EXe 超小型・軽量・低騒音のTQモーターを搭載した超軽量E-MTB

TREKは7月13日、超軽量フルサスE-MTB「Fuel EXe」を発表した。

近年、世界のE-MTB市場で注目されているのが、重量20キロを切る軽量E-MTBだろう。車体を軽くするとハンドリング性能などが向上し、従来のE-MTBよりも扱いやすくなるため注目されている。

軽量E-MTBには様々なモデルが用意されており、軽量・低出力モーターを使用したSpecialized Turbo Levo SL(Specialized SL1.1、定格出力240W、最大出力240W、最大トルク35Nm)、Lapierre eZesty(FAZUA EVATION、定格出力250W、最大出力350W、最大トルク50Nm)、BH iLYNX Trail(BH 2EXMAG、定格出力250W、最大出力不明、最大トルク60Nm)から、ノーマルモーターをチューニングして、車体を軽量化したOrbea RISE(シマノ・EP8 RS、定格出力250W、最大出力不明、最大トルク60Nm)、ノーマルモーターをそのまま搭載し、小型バッテリーで軽量化を行いパワーを重視したRotWild RX375(シマノ・EP8、定格出力250W、最大出力推定500W、最大トルク85Nm)、小型モーターながら高出力化を行ったForestal Siryon(Forestal・Eon Drive、定格出力250W、最大出力800W、最大トルク60Nm)など、様々な考えで作られた軽量E-MTBが存在する。

今回登場した、Fuel EXeは、軽量モーター、軽量バッテリーを搭載したタイプで、直接のライバルはSpecialized Turbo Levo SL、Lapierre eZesty、BH iLYNX Trailと思われる。

Fuel EXeのデザインは、ペダルバイク(人力自転車)のFUEL EXをベースにしているが、E-Bikeとは思えないほどのスッキリとしたデザインを実現。同じく、FUEL EXのデザインをベースにしたRailは、大容量バッテリーとハイパワーモーターを組み合わせることでマッシブなデザインを実現したので、対称的と言えるだろう。

モーターはTQ HPR50。TQは組込みシステム、ロボットと自動化ソリューション、ヒューマノイド、コボット、外骨格、医療およびサービスロボットなどに使われるパーツ、航空システムを製造している会社。E-Bike用モーターに関しては、大型でハイパワーで有名なHPR120(定格出力250W、最大出力不明、最大トルク120Nm)を製造しており、ドイツHaiBike社のE-MTB「FLYON」に搭載されている事で有名だ。

今回登場したHPR50のスペックは定格出力推定250W、最大出力300W、最大トルク50Nm。参考としてTREK Railに搭載されているモーター「Bosch Performance Line CX」は、定格出力250W、最大出力不明(参考として日本仕様は非公式情報によると推定550W以上)、最大トルク85Nm。パワーやトルクは通常のモーターよりも少ないがモーター重量は僅か1.8キロと軽量だ。(一般的なE-MTB用モーターは2.9キロ台が多い)。Qファクターは135ミリで、通常のペダルバイク並の数値となっている。

また、モーターノイズの静かなのを売りにしており。他のE-Bikeと比較して非常に静かなモーターだと謳っている。

驚くのは形状で、モーターに見えないほど非常にコンパクトな事だろう。これは、TQ製E-Bike内部に使われているハーモニックピンリングギアが関係している。TQのハーモニックピンリングドライブは、航空宇宙、医療技術、ロボット工学の分野ですでに広く使用されている機構で、内部には、同心円状に配置された3つの精密部品、エリプティカルローラーベアリング、内歯車、外歯車が使われている。これにより、従来のギアドライブやベルトドライブと比較して、コンパクトで、強力で、調和がとれており、耐久性があると謳っている。

バッテリーは取り外し可能で容量は360Wh。充電時間は2.2時間。オプションで容量160Whのレンジエクステンダーを用意している。

ディスプレイはトップチューブと同じ高さの5cmディスプレイが搭載されており、明るい日光の下でも読みやすくなっていると謳っている。また、モーターパワー、アシスト比率、ペダルレスポンスのチューニングや、StravaとKomootに接続できるなど、様々な機能があるスマートフォンアプリ「TrekCentral」も用意している。

フレームはOCLVマウンテンカーボンを採用し、サスペンショントラベルはフロントが150ミリ、リアが140ミリ。ジオメトリは下り坂に焦点を合わせた65度のヘッドアングル、77度のシート角、チェーンステーは440mmと短く、リアサスペンションにはジオメトリをすばやく簡単に微調整できる「Mino Link」を搭載。

重量はFUEL EXe9.9XX1 AXSが18.5キロ。価格は最上級モデルのFUEL EXe9.9XX1 AXSが14999 ユーロ(約207万円)。一番安いFUEL EXe6.5が6499ユーロ(約90万円)。日本国内での販売は不明だ。

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