シクロライダーコラム 特集

令和の主流になるモビリティはE-Bike・パーソナルモビリティ・自動運転車か

平成では、自動車はヒエラルキーが変化し最後は只の実用品に落ち、かつては一時代を築き上げた原動機付自転車(50CC)は死に体となり、オートバイはマニアの乗り物になった。そして電動アシスト自転車が登場した。令和では一体どのようなモビリティが主流となるのか。筆者はE-Bike・パーソナルモビリティ・自動運転車が、今後の社会の主流と考えている。その理由を紹介する。

令和時代を中心になるモビリティ

電動アシスト自転車/E-Bike

世界的に注目されているE-bike。日本でも従来型の電動アシスト自転車だけでなく、E-MTBなどのスポーツタイプのE-Bikeや、3輪カーゴバイクが注目されている。

電動アシスト自転車やE-Bikeは従来の自転車よりも自由に移動できる所だ。従来の自転車では、運転者の脚力により走行できる距離に差があったが、電動アシスト自転車はその差を縮めることができる。また、多くのモビリティの中では、スピードが出にくく機械が原因による暴走運転ができないため、免許不要で気軽に運転でき、幅広い年齢層が運転できる。

また、E-Bike/電動アシスト自転車は、原動機付自転車よりも自由な設計が可能だ。これは、世界で電動アシスト自転車やE-Bike用の部品があり、複雑な構造ではないため設計に自由がある、スピードが出ないため自由な設計ができる事が関係しているだろう。E-Bike市場では遅れている日本ですら、既にクロスバイクやE-MTB等のスポーツ自転車型から、折り畳みタイプ、カーゴバイクタイプ、高齢者用タイプなど様々な電動アシスト自転車/E-Bikeが売られている。

日本では、モペッド文化が無いため、複雑なアシストセッティングを行う必要がある。一部ではアシストをアップさせて、もっと速く走れるようにする風潮もあるが、海外でも高速走行可能なE-Bike(S-Pedelec)は原動機付自転車のように免許が必要だ。また、Trek Super Commuter+のように自転車の軽快さよりも原動機付自転車のような、重厚感があるスタイルになるだろう。

パーソナルモビリティ

町中での近距離移動を想定した乗り物として知られているパーソナルモビリティ。一般的には自転車程度の速度が出る電動モビリティの事を指す。日本ではパーソナルモビリティの殆どが公道走行できない。日本のパーソナルモビリティで有名なのはWHILLだろう。次世代の電動車椅子のWHILLは、動画のように自動運転実験やシェアリング実証実験を行っている。

 

出典:ヤマハ

また筆者が注目しているのは、ヤマハ・TRITOWNだ。停車時でも自立する立ち乗り型のパーソナルモビリティで、従来のキックボード型にはない安定感が期待できる。

パーソナルモビリティの問題点は、日本ではパーソナルモビリティに対する整備が無い事だ。これは、日本の道路事情も関係しているので一律に規制を緩めるわけにはいかないだろう。日本でもパーソナルモビリティを使用したシェアリングサービス「WIND(https://jp.wind.co/)」があるが、日本では原動機付自転車扱いになりヘルメットや免許証が必要だ。

また、既存の電動アシスト自転車の存在はパーソナルモビリティの最大の障壁になる。現行法でも運用でき、電池が切れても走行できる電動アシスト自転車は、パーソナルモビリティ普及の最大の壁になるだろう。

自動運転車

世界中で注目されている自動運転車。動画のテスラのように安定した運転を行うのもあるが、現時点では様々な不安がある。また、自動運転を行うには非常に複雑なセンサーやソフトウェアが必要なので、一般的な自動車に搭載されるには時間がかかるだろう。しかし、運転技術や知識、補償が自動運転以下の手動運転が膨大にある現在、自動運転車が普及すれば手動運転車は保険料が膨大に上がり社会的に排除される可能性が高い。これはアメリカのスポーツカーブーム衰退の原因の1つに保険料高騰があるため非現実的な話ではない。

また、自動運転車は一般的な自動車よりも、公共性が高い自動車のほうが早く採用されるだろう。例えば、DenaのRobot Shuttleのは道路界の新交通システムだ。これは、線路を敷かなくてよく、自由に道を設定できるため従来の公共交通機関のハブ交通の役割も期待できる。

DeNAはRobot Shutteだけでなく、日産製電気ミニバンタクシーを使用した、自動運転タクシー「Easy Ride」の開発も行っている。こちらはRobot Shuttleとは違い、一般の手動運転車との混合での走行も可能。2020年代前半の本格サービスの提供に向けて開発している。

歩行者扱いの電動車椅子も自動運転化が模索されている。つくば市では2019年4月22日に産業技術総合研究所とスズキ株式会社の協力のもと、「電動車いすの自動運転」の実証実験を全国に先駆けて実施した。

自動車は社会の中心から外れるか

人間が生活を行う上で重要な3項目と言えば衣・食・住だろう。その中でも自動車やオートバイ、自転車などのモビリティは住環境の付属品にしか過ぎない。そして、世の中の人が望んでいるのは自動車を運転するのではなく、楽に移動したいだけだ。多くの地域が車社会になっているのは、あくまでも現時点の選択肢で楽に移動できるだけでしかすぎない。もし既存の自動車よりも安全で楽に移動できるモビリティが登場したら、殆どの人はそちらに乗り換えるだろう。

車社会(モータリゼーション)の復活はあるか?と聞かれたら筆者はNOと答えるだろう。東京ビッグサイトで行われた「TRAN/SUM」の講演を聞いたり、様々な資料を見た限りでは、先進国では従来型車社会から決別し、人に優しい誰でも移動できる社会を目指している。それは日本でも同じでこの流れは静かに動いている。シクロライダーもこの流れに関して定期的にリポートする。

島内でも高齢者による交通事故は発生しているが「免許を返納すると、ちょっとした買い物でも自分で行けないし、病院に行くのも不便になりそうだから、返納に抵抗があるとの意見が多い」という。そして「高齢者だって事故は怖いし、子どもに叱られながら運転をしたくはない。早く自動運転を実用化してほしい」という切実な声が上がった。

離島で考える地域交通のあるべき姿(前編)SIP市民ダイアログレポート

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