日本で売られている電動アシスト自転車の殆どは、型式認定というのを取得している。これは、国土交通省に申請を行うことで、電動アシスト自転車として適合していると認定する制度だ。これは電動アシスト自転車に限らず、普通自転車(一般的な人力自転車)、自動車、オートバイにもある制度だ。

この型式認定があるため、電動アシスト自転車は部品を交換するだけで違法になると噂されている。ebikejournalでは、従来どおりのカスタマイズは可能。アシストユニットを改造した場合は道路交通法違反になるとの結論を出している。

eBikeって型式認定があるからパーツの交換をすると違法?:ebikejournal

これは自動車やオートバイに例えにすればわかるだろう。写真のオートバイ(ホンダ ドリームCB500FOUR)は、風防やリアキャリアを装備しており、この程度のカスタマイズなら重要機関を改造していないので特に問題にならない。しかし、操縦安定性やポジションを決めるハンドルや、環境性能や騒音が変わる社外マフラー、制動力は上がるが改造が必要なフロントダブルディスクブレーキ、排気量を上げるボアアップやエンジン換装など、重要機関を改造した場合は手続きを行う可能性があるだろう。電動アシスト自転車の場合、アシスト比とスピードが法律で定められているので、この部分を改造しなければ問題にならないと考えるのが良いだろう。

電動アシスト自転車は、型式認定を取得しなくても法律を守っていれば公道走行は可能とのこと。これは、電動アシスト自転車だけでなく、自動車やオートバイでも同じだ。実際、型式認定を取っていない並行輸入の自動車やオートバイは街中で走行している。

型式認定問題は電動アシスト自転車だけでなく自動車やオートバイが排除される危険がある

ebikejournalの記事では、自転車会社があえて型式認定を取得しているのは、事故多発により法律改正で公道走行を締め出されるのを恐れているためと書いてある。仮に型式認定を取っていれば、問題が発生しても公道走行が可能という保証を得るためとのこと。

ただ、今後、小規模の店が独自に輸入して型式認定を取らず販売する可能性がある。筆者が危惧するのは、型式認定問題が電動アシスト自転車だけでなく自動車やオートバイの逆輸入車などに飛び火する危険があることだ。スピードが出ない電動アシスト自転車で型式認定問題が発生したら、電動アシスト自転車よりも遥かにスピードが出て、事故の被害が大きい自動車やオートバイも問題になるだろう。

自動車では、海外で売られている日本車を並行輸入して公道走行する場合や、ケータハム・スーパセブンなどマニアックな自動車は、型式認定を取得していない場合がある。また、日本では自動車の製作を業とする者以外の者が作る少数生産の自動車は「組立車」という型式となる。これは、光岡自動車の初期型ゼロワンの型式として有名で年間99台しか製造販売を認めていない。因みに、光岡自動車・ゼロワンは正式に型式認定を取り、350台ほど製造されたようだ。

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オートバイでも逆輸入車と呼ばれているのは型式認定を得ていない。オートバイの逆輸入車とは日本で製造された輸出用オートバイを日本に輸入して販売すること。きっかけは第1次バイクブームで未成年による大型オートバイでの死亡事故が多発し、日本国内のオートバイメーカーが自主規制として750CC以上の大型オートバイの販売を自粛を行い(1988年にホンダGL1500ゴールドウイングが型式認定取得により撤廃)、一部の好事家達が輸出用の日本製オートバイを輸入したのが逆輸入車の始まりと言われている。70年代はカワサキ・900SuperFour(Z1)やホンダ・CBX1000、80年代はスズキ・GSX1100刀、カワサキ・GPZ900Rが有名だろう。ちなみに現在も日本独自の規制があるため逆輸入車が販売されている。

80年代バイクブームより遥かに過激な1970年代の第1次バイクブームまとめ

事故多発で規制強化は起こるかと聞かれたら、筆者は絶対起こると言う。実際、第1次バイクブームでは、1969年にCB750FOURが大ヒットして事故が多発し、僅か6年後の1975年に法律改正で400CC以上のオートバイに乗るには限定解除試験が必要となった。死亡事故が多発すれば法律は簡単に変わるのだ。

型式認定を取っていない電動アシスト自転車の保険はどうなる?

型式認定を取っていない自動車の場合、保険料が高額になる事例や保険加入が拒否される例が多いらしい。これは車種の特定が難しい理由があるとのこと。筆者が気になるのは、型式認定を受けていない電動アシスト自転車の場合、保険加入はどうなるかだ。電動アシスト自転車が普及して保険加入が厳しくなった場合、型式認定を受けていない電動アシスト自転車は、保険加入ができるだろうか?このような事を考えると、型式認定を取得していない電動アシスト自転車に乗るのはリスキーだろう。