マンスリーアーカイブ 4月, 2018

子供乗せや荷物も積める小径電動アシストカーゴバイク Tern GSD【海外モデル】

日本では折り畳み自転車ブランドのイメージが強いTern。しかし海外では、動画のような電動アシスト自転車がラインナップされている。 動画の電動アシスト自転車はGSDという電動アシスト自転車。フレームに折り畳み機構が無い小径カーゴバイクで、動画では子供乗せを2つ装着する場面や、前後荷台を装着してカーゴバイクとして使う場面も見ることができる。 出典:The Tern GSD - A Compact Utility eBike for Families - Tern Bicycles Tern GSDの設計で特徴的なのは、車体サイズを通常の自転車と同じ大きさにして、ステムに折り畳み機構を搭載していること。一般的なカーゴバイクはビッグスクーター並みの全長を持っているのが多いが、Tern GSDは通常の自転車と同じ全長を採用しているのでエレベーター等、日常でも使いやすい設計となっている。ハンドルステムも折り畳みが可能なので、自動車に載せることも可能だ。 Tern GSDの電動アシストユニットは、Bosch Performanceシリーズ。日本国外向けのアシストユニットのため日本市場に正式導入されるのは難しいだろう。バッテリーを2つ装着するダブルバッテリー仕様も可能。自転車界の軽トラックといった所だが、GSDの洒落たデザインは軽トラックと呼ぶのは似合わないだろう。Tern GSDは日本国内で販売されていないが、注目すべき部分は多い小径電動アシストカーゴバイクだろう。 https://www.cyclorider.com/archives/24433

ヤマハ・YPJ-Cまとめ ライトウェイトE-クロスバイクの実力は?【E-Bike】

ヤマハの電動アシストスポーツ自転車ブランド「YPJ」シリーズのクロスバイクバージョンであるYPJ-Cは、税込み価格20万円以下で買うことができるお買い得なモデルだ。YPJ-Cの航続距離は最長48キロとなっているが、実際はどのくらい走ることができるのだろうか。 休日に浜松駅近くにあるレンタサイクルショップ「はままつサイクル」からYPJ-Cを借りて、浜名湖一周を行い、はままつサイクルに戻る約100キロのサイクリングを行った。そこで今回はYPJ-Cのインプレッションを書いていきたい。因みにYPJ-CのアシストユニットはYPJ-Rと同じユニットを採用しているので、YPJ-Rを所有している人も参考になるのではないかと思う。 ※当記事はCycloassitで公開した記事を、シクロライダーに移転・再掲載した記事です 落ち着いたデザインを採用しているYPJ-C YPJ-Rがロードバイク風のスポーティなグラフィックを採用しているのに対し、YPJ-CはYPJ-Rのようなスポーティなグラフィックを採用せず、シンプルなロゴを採用している。YAMAHAやYPJのロゴも目立たないカラーとなっているので、うまくステッカー等を貼れば自分らしいYPJーCを作ることが出来るだろう。今回借りたマットブラックカラーのモデルは、個人的には高級感があり、YPJーRよりもYPJらしさがあるのではないかと思う。電動アシスト自転車は現時点では競技用のモデルは無いため非競技向けでもっとラグジュアリーな雰囲気を持つモデルのほうが良いと思うのが自分の考えなので、外観はYPJ-RよりもYPJ-Cを支持したい。 アシストモードの違いによる電動アシストのパワーの違い YPJ-CにはECO・STD・HIGHの3つのモードが存在する。この3つのモードはアシストパワーが違う。特にECOモードはアシストパワーだけでなく、アシストを行う速度もSTDモードやHIGHモードとは違う。今回は100キロ走ることができたので、ハンドルに装着されている液晶マルチファンクションディスプレイにあるパワーメーターを見ながら、ECO・STD・HIGHモードのアシストパワーやセッティングの違いについて書いていきたい。 発進のみで最低限のアシストの行うECOモード 一番航続距離が長いECOモードは発進時に最低限のアシストしかかからないようになっている。発進時はSTDモードよりもパワーが低く、パワーメーターを見ると、時速15キロ当たりからは既にアシストしていない。 ほんの僅かしかアシストしないので、電動アシストの効果があるのか疑問に思う人もいると思うがECOモードの僅かなアシストでも効果がある。発進時のペダルの重さをアシストが助けてくれるため、軽い力でペダリングできるからだ。YPJに装着されているアシストユニットはアシストOFFになっても重くならないようになっているので、平地ならECOモードでも十分に使うことができる。 発進から低速時の巡航までアシストしてくれるSTDモード STDモードはエコモードよりもパワーがある発進を行い、ECOモードでは行われない低速時の巡航でもアシストが作動し、時速24キロまでできるだけアシストするようなセッティングとなっている。そのため、ECOモードよりも楽に走ることができるが電池の消費は速いので注意が必要だ。 STDモード・HIGHモードでは時速24キロ限界ギリギリでもアシストをかけようとしてくれる。また、なぜかアシストがかからない時速25キロ以上の高速走行時でもペダルを漕いでいるとヒューンとしたモーター系の音がする。(勿論アシストはかかっていない)もしかしたら即座にアシストをかかるようにするために意図的にモーターを作動させているかもしれないがわからない。 STDモードに発進時のアシスト力を上げたHIGHモード HIGHモードはSTDモードと同じアシストセッティングに感じたが、STDモードよりもアシスト力が強くなっている。発進時のアシストは、マルチファンクションディスプレイのパワーメーターを見ると全開でアシストしてくれることもあった。そのため発進から一気に時速30キロに到達することができる走り方も行える。一番アシストが強いHIGHモードだがSTDモードよりもさらにバッテリーの減りが速いので、上り坂などのここ一番のときに使うのが良いだろう。 アシストOFFを感じさせないアシストの味付けの凄さ YPJ-R試乗時にも驚いたが、アシストOFFの時にアシストが切れた感覚を足に感じさせない、アシストの味付けは凄いとしかいいようがない。YPJ-Cに装着されているPWユニットは、PASに装着されているアシストユニットよりもパワーはないが、アシストが切れた感覚を足に感じさせないおかげで長距離を走ることができるのだろう。 アシストOFFの走り YPJ-Cの電池が切れた場合の走りに関しては平地なら意外と中距離を走れると感じた。発進時は重いが重量が重いだけの走りで、激安自転車のような摩擦がある重さとは違う。そのため一旦スピードが乗ったら、サイクリング程度のスピードの場合は比較的楽に走ることができる。また、YPJ-Cは前2段ギアを採用しているため、ギアを多用することでアシストOFFでも楽に走れる場面が多い。 ブレーキは強力ではなく必要十分レベル YPJ-Cのブレーキはシマノのロングアーチタイプのキャリパーブレーキを採用している。ブレーキの効きは悪くなく必要十分といったところだが、容易にスピードが出せるYPJ-Cの特性を考えると、ブレーキの効きはもう少し強力なのがいいのではないかと思う。自分ならブレーキシューの交換を行うか、上級モデルのロングアーチキャリパーブレーキに交換するだろう。 アシストスイッチは改善が必要 YPJ-CのアシストスイッチはYPJ-Rのアシストスイッチを流用している。YPJ-Rではステムに装着されているのに対して、YPJ-Cはハンドル左部分に装着されているので手に近い位置にスイッチがある。 しかし、個人的にはこのスイッチは不満だ。YPJで長距離を走るのなら、ECOモードとSTDモード、HIGHモードを細かく変えて走らないといけないからだ。自分なら海外向けに採用されているアシストスイッチのように手を離さなくても押しやすいスイッチを装着したい。 コーナーリングは扱いやすくて安定しているYPJ-C YPJ-Cはモーターが車体中心に低く位置しており、約500g程度のバッテリーが装着されているのでコーナーリングは通常の自転車のように安定していて普通に走ることができる。現在の電動アシスト自転車は様々な駆動方式やバッテリー搭載位置を試行錯誤しているが、今まで乗った中だとYPJ-RやYPJ-Cが一番扱いやすいのでは無いかと思う。 走りを重視したためか容量が少ないバッテリー YPJ-Cのバッテリーの容量は僅か2.4Ahと小さい。利点は僅か1時間で終わる充電時間とハンドリングに影響しない軽さ。欠点はアシストを効かせながら走ると直ぐに使い切ってしまうことだろう。今回の浜名湖1週では常時エコモードにして、上り坂など必要な時だけスタンダードモードやパワーモードに変更して走行した。ほぼ平地のため最終的には航続距離100キロを叩きだしたが、個人的にはバッテリー容量が二倍だったらSTDモードやHIGHモードを多用して走っていたと思う。個人的には大容量バッテリーのオプションや車体に装着できるサブバッテリを装着できるケースがほしい。   YPJ-Cをレンタルして浜松~浜名湖一周~浜松をしてきました。カタログ航続距離は48kmですが、アシストモードを上手く使ったら航続距離100kmを叩き出しました。 pic.twitter.com/I3OD6YFuwr — マツケン (@27matuken) 2017年3月4日   スタンドや荷台がつかない致命的欠点 YPJ-CはYPJ-Rと同じくスタンドや荷台、泥除け等の実用的なオプションがなく、自分で後付品を探さないといけない。YPJ-RやYPJ-Cは3年間のメーカーの盗難保険があるため、日常利用で使いたい人もいると思うがスタンドや荷台のオプションが無い。今回の浜名湖1週サイクリングに使用したYPJ-Cも当然スタンドはなかったが、スタンドがないため駐輪に苦労する場面が度々合った。 YPJ-Cは他社の電動アシストクロスバイクと比較してどのような所が違うのか 電動アシストスポーツ自転車のブームにより、様々な会社から電動アシストクロスバイクが登場している。2018年5月に、ミヤタの電動アシストクロスバイク「クルーズ」をレンタルして、十国峠に行ってきた。 ミヤタ・クルーズはシマノ製電動アシストユニット「STEPS E8080」を搭載した電動アシストクロスバイク。YPJ-Cとの違いは沢山あるが簡単に書くと、YPJ-Cはバッテリーを小さくし車体も軽量にした電動アシストライトウェイトスポーツモデルなのに対して、ミヤタ・クルーズは大容量バッテリーを装備し、アシストを効かせて走る電動アシストツアラーだと思えばいい。 ヤマハ・YPJ-Cがレンタルできるレンタサイクル一覧 とかっちゃレンタサイクル:E-Bike http://www.machicen.com/bicycle/ 場所:北海道帯広市西2条南12丁目帯広駅バスターミナル「おびくる」内エコバスセンターりくる 料金:1時間:¥200~300 東京裏山ベース(東京都あきる野市):E-Bike TOP of TOKYO URA-YAMA BASE 場所:東京都あきる野市舘谷219−7 料金:〜2時間まで1000円、2時間以上(19:00まで)2000円 サイクルトラベレーション ActivilityJapanで詳細を見る http://cycletravelation.com/shop/ 場所:三浦市南下浦町上宮田3316-4 料金:1日¥2,500 うみかぜサイクル ActivilityJapanで見る AsoViewで見る じゃらんで見る   https://www.miura-umikaze.jp/ 場所:三浦市南下浦町上宮田3316-4 料金:1日:¥3,000 道の駅富士川 http://yamanashi-cycle.org/rental/ 場所: 山梨県南巨摩郡富士川町青柳町1655−3 料金:3時間¥500 はままつペダル https://www.hamamatsupedal.com/ 場所:浜松市中区旭町37 料金:1日¥3,000 Karuizawa RideTown https://www.youtube.com/watch?v=IwpjUqoWZ0E   じゃらんで詳細を見る AsoViewで詳細を見る http://karuizawa.ridetown.jp/ 場所:長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢東246 料金:8時間¥3,550 若狭おばま観光案内所 https://www.yamaha-motor.co.jp/pas/ypj/rentalshop/ 場所:福井県小浜市駅前町1-1 料金:要確認 若狭美浜観光協会 https://www.yamaha-motor.co.jp/pas/ypj/rentalshop/ 場所:福井県三方郡美浜町松原35-7 料金:要確認 京都みやび屋 https://k-miyabiya.jp/ 場所:京都府京都市下京区上珠数屋町323 料金:1日¥2,000 サイクルショップ川﨑商会 じゃらんで詳細を見る http://jitensya.kawacle.jp/rentacycle 場所:岡山県備前市日生町日生889-7サイクルショップ川﨑商会 料金:1日¥2,000 エコステイ東村 宿泊可能、飲食店併設している。駐車場やシャワールームも完備。 http://www.eco-rider.jp/ 場所:沖縄県国頭郡東村字有銘1033-2 料金:1日¥5,500 関連記事 https://www.cyclorider.com/archives/31406 https://www.cyclorider.com/archives/33696

シクロライダー流クロスバイクの選び方 お薦めモデルも紹介

手軽な価格でスポーツサイクル生活を楽しむことができ、通勤・通学・街乗りも行うことができるスポーツサイクルといえばクロスバイクだろう。 自分が所有している自転車(GIANT Escape RX4・GIANT Escape RX3・Specialized Diverge E5・Tern Link N8・Renault Ultra Light7・ASAMA BETA)の中で、メインマシン・メインセカンドマシンは両方ともクロスバイクのEscape RXを採用している。(セカンドマシンはSpecialized Diverge E5、サードマシンはTern Link N8・Renault UlitaLight7、フォースマシンはASAMA BETA) メインマシン/メインセカンドマシンのEscape RXの主な使い方はサイクリングだ。Escape RXで行った所は、東京都下~直江津~糸魚川・麦草峠・渋峠・奥武蔵グリーンライン・三峯神社・正丸峠・逆川林道・奥多摩周遊道路・鋸山林道・柳沢峠・琵琶湖・しまなみ海道・佐渡・能登半島・やまなみハイウェイ・桜島・佐多岬と様々な場所をサイクリングしている。様々な場所をクロスバイクで旅行した経験を踏まえて、今回はどこよりも実績的なクロスバイクの選び方を解説していきたい。   クロスバイクとはどういう自転車か、クロスバイクの種類を紹介 クロスバイクとは、一般的にロードバイクとマウンテンバイクを掛け合わせた自転車と言われている。舗装路を高速道路するために特化したロードバイクや、オフロードを走るために特化したマウンテンバイクに対し、クロスバイクは非競技用自転車のため明確にジャンルが決められた自転車ではない。 そのためクロスバイクと言っても、ロードバイクのように舗装路を快適に走るモデルから、サスペンションが装着されていて多少の砂利道を走行できるモデルまで様々なモデルが存在する。クロスバイクを購入する時はクロスバイクの特徴を見極めて買うのが良いだろう。 クロスバイクの選び方 クロスバイクの選び方には選び方についてあるサイトが多くあるが、ここでは実践的なクロスバイクの選び方を紹介したい。ちなみに自分がクロスバイクを選ぶ場合は、フレーム(車体設計)・タイヤ/ホイールサイズ、前ギアの段数をメインに見てクロスバイクを購入している。 フレーム(車体設計) 部品交換が容易な自転車でいちばん重要なのは、フレーム(車体設計)だと思う。細かい部品をグレードアップしても基本的な車体設計は変わらないため、自分は自転車を買うときは車体設計を見る。もっとも車体設計を見て選ぶのは非常に難しい。これからクロスバイクを選ぶような普通の人がクロスバイクを見る場合はタイヤを見たほうがいい。 自転車にかぎらず自動車やオートバイなどの乗り物に装着されているタイヤは、その乗り物の使用目的に合った物が装着されていていて、車体設計も装着されているタイヤに合った設計を採用しているためだ。 タイヤを見てクロスバイクを選ぶ 自動車やオートバイや自転車に装着されているタイヤは、基本的にはその車種に合った走行場面に適したタイヤが装備されている。28ミリ幅タイヤを標準装備しているEscape RXに32ミリ幅タイヤを装着すると、車体(フレーム)とタイヤの隙間が少なくなり、車輪を覆う泥除けの装着ができなくなる。 タイヤ幅を見る場合、スペック表でタイヤの欄を見る必要がある。タイヤ欄に700×28Cや、27.5×1.5と書いてあるが、×の左がタイヤの直径で、×の右が700✕28Cだと、700は車輪の直径、28はタイヤの幅となる。700Cや650C、650Bではミリ、26インチや29インチの場合はインチとなる。 http://www.cb-asahi.co.jp/html/size-etrto.html 28C(28ミリ相当)は、ロードバイクよりは太いが一般的なクロスバイクとしては細いタイヤ幅。舗装路を速く走ることを重視しながら、段差や荒れた道を通過するのに最低限のギリギリの太さだ。 32-38ミリは、一般的なクロスバイクに採用されている太さ。一般的なシティサイクルと同じくらいのタイヤ幅で、歩道の段差や砂利道も比較的安心して走ることができる。舗装路も快適に走ることができるが、舗装路を高速で走るには向かない。 38ミリ以上のタイヤの場合、舗装路よりも砂利道や段差、乗り心地を重視した太さだ。この辺りのタイヤ幅を採用したクロスバイクは、ノブがついた砂利道走行用のタイヤを装着しているモデルもある。 因みに、26インチ、27.5インチ、29インチホイールの場合は、タイヤ幅もインチとなっている。参考として1.25インチは約31ミリ。1.75インチは約40ミリとなる。 デメリットを見て選ぶ 自転車選びなど、様々なバイヤーズ・ガイドに書いていないがデメリットを見て選ぶのは非常に重要だ。世の中の殆どの物にはデメリットが無い物は無く、同じようにメリットしかない商品も存在しない。 クルマで例えると、フェラーリみたいなスポーツカースタイルで3列シートを装備しミニバンみたいに車内が広々で車中泊ができ、舗装路ではスポーツセダン並に高速道路や峠を不安なく高速で走れ、SUVのように水たまりがあるオフロードを壊れなく走ることができ、プリウスよりも燃費が良いクルマというのは存在しない。恐らく物理的に不可能だろう。 クロスバイクのジャンル別デメリットを見る場合、自分が使用するシチュエーションを想像して、どのような場面が嫌なのか想像したほうがいいだろう。ただ、このような場面は簡単に想像できないと思うので、スポーツ自転車があるレンタサイクル・自転車ツアー で実際にクロスバイクに乗って体験したり、自転車イベントや自転車店で試乗を行うのも良いだろう。 GIANT ESCAPE RXなどのスピードクロスのデメリットは、タイヤが細いた歩道の段差には少し弱くママチャリよりも衝撃が大きい、タイヤに空気を入れる頻度は比較的多い、太いタイヤを装着するのが難しい、タイヤが細いため砂利道の通過は少し注意が必要、乗車姿勢はクロスバイクの中でも比較的前傾姿勢が強い欠点がある。 TREK FXなどのクロスバイクのデメリットは、クロスバイクの中でもスピード重視や砂利道走行に特化しているわけではないため、全て中途半端と見る場合もある。 TREK DSなどのデュアルスポーツのデメリットは、サスペンションが付いているので重い。サスペンションは稼働部品のため頻繁な点検が必要だ。また車体が重いため車体を分解して袋に入れて運ぶ「輪行」が大変で、28ミリ等の細いタイヤを装着するのは基本的に想定されていない。 トレッキングバイクのデメリットは、アップライトな乗車姿勢になるためスピードを出す設計ではない。車体が重いため輪行が不向きだ。 ファットタイヤクロスバイクのデメリットは、太いタイヤを装着できるような車輪を装着しているため、細いタイヤの装着ができない場合があったり、車輪サイズの都合上細いタイヤのラインナップが無い場合があることだ。舗装路を高速で走る場合はタイヤが重いファットタイヤは不利になる。 サスペンションの有無 ほとんどの自動車やオートバイ(CCW・HEISTのように、レトロを追求してリジッドフレームのアメリカンオートバイもあるが)に装着されているサスペンション。サスペンションが装着されているクロスバイクは、殆どは砂利道や大きな段差の衝撃をやわらげたり、荒れた道を安定して走ることを目的とした物となっているのが殆どだ。 クロスバイクのサスペンションで注意する所は自転車は出力が非常に少ない人間エンジンで走らないといけない。また輪行など持ち運びなどを行うため重量が軽いのが重要とされている。そのため、殆どのクロスバイクでサスペンションは装着されていない。また、サスペンションは細かい振動を吸収する効果はない。細かい振動を抑えるのならしなやかなタイヤに交換したり、1サイズ太いタイヤにしてタイヤの中に入っているエアボリュームを上げるのが効果的だ。 コンポーネントのグレードはあまり気にしなくていない理由 自転車選びでよくコンポーネントのグレードを重視する意見が多いが、自分の場合はコンポーネントグレードは自転車選びのおまけ扱いで、殆ど気にしない。実際に自転車で旅行して問題になるのは、ハンドルの形状・グリップ・荷台・タイヤ・ペダル・サドル・ギア比・ブレーキの効きやレバーの形状が問題になりやすい。コンポーネントのグレードが大きく関わるのはブレーキぐらいだ。個人的にコンポーネントのグレードは少し気になったら注目する程度の存在しかない。 カタログでコンポーネントのグレードが書いてあっても、多くの安価なスポーツサイクルの場合は、リアディレイラーのグレードの意味しかなく、その他のコンポーネントは他ブランドの部品が装着されている例が殆どだ。 写真上が新車時のEscape RX4。コンポーネントのグレードはカタログではシマノアルタスと書いてあったが、アルタスが採用されている部分は精々ディレイラーとスプロケット、シフトレバー程度。部品のグレードが高かろうが低かろうが長距離を走る場合、部品は殆ど交換することになる(写真下)。交換する部品もグレードではなく自分に合っているかが重要になる。 下写真のEscape RX4が交換した部品は、タイヤ・ハンドル・グリップ・シフトレバー・ステム・サドル・シートポスト・チェーンリング・変速レバー・ペダル・リアホイール・ブレーキレバー・ブレーキシュー・ボトムブラケットを交換している。コンポーネント「シマノ・アルタス」が採用されているリアディレイラーとスプロケットは交換する必要が無いので交換していない。 よくわからない場合、ギアの枚数は前は3段、後ろは外装8段以上がベスト 能登半島/GIANT Escape RX4 クロスバイクを選ぶときギアの段数を気にする人が多いだろう。ギアに関してはキアの枚数よりも自分にあったギア比のほうが重要で、ギア比が合っているのなら寧ろ減らしたい人もいる。これは複雑な機構を採用しているとトラブルが出た場合、直すのが難しいのもあるためだ。某Y氏は3×9段変速のEscape RXWをメインマシンとしているが、今までの3×8段のクロスバイクと比較して、リア変速の調整がむずかしいと言っている。もしかしたら場合によってはリア8段に”ダウングレード”すると言うほどだ。 ただ、これから自転車を始める人はギア比についてわからないのが普通だ。ギア比は乗り込んでいって自分で見つける必要があるためだ。 初心者がサイクリング用クロスバイクを購入するとき、自分が薦めるのは前3段・後ろ7段以上の外装変速機のクロスバイクだ。これには理由があり、重いギアから軽いギアまで一通りあり”とりあえず”色々な場面に対応が可能で潰しが効くためだ。 GIANT Escape RXなど一部のクロスバイクには前2段のモデルがあるが、個人的にはお勧めしない。一般的な前2段のクロスバイクに採用されているフロントギア(クランク)は、ロードバイク用のクランクを採用しているクロスバイクが殆どだ。ロードバイク用のギアは前傾姿勢で荷物を積まないで舗装路を高速で走り、ストップ・アンド・ゴーが無い道を走るためのギアだ。 一方、アップライトな乗車姿勢で、荷物を積んだり砂利道を走ったり、ストップ・アンド・ゴーを頻繁に行う街中を走るクロスバイクには合わない。前2段のギアでもギア比を下げることは一応は可能で、最悪は前3枚のギアに交換する方法もある。 前ギアが一枚のクロスバイクもあるが、これは街乗り限定か、流行のマウンテンバイク用ギアを入れたものが殆ど。軽いギアが必要な場合、前2・3枚に増やす方法や、フロントシングル用のコンポーネントを流用する方法があるが、お金は結構かかるだろう。 前ギアの枚数変更は多額の金が必要で、峠越えレベルで前2段・1段のギア比を下げる場合はお金がかかる物だと思うのがいい。どの位お金がかかるのかは自転車店などで相談したほうが良いだろう。後ろのギア(スプロケット)が8段以上を推奨しているのは、7段以下はギア比の選択肢が少ないというのもある。 写真の自転車はKCTP 銀輪。内装8段変速を採用した街乗り自転車 ギアや変速機が飛び出ていない内装変速機については、変速機が覆われていて耐久性が高く、メンテナンスが少なくてすむ利点がある。ヨーロッパでは80万円クラスのツーリング車に採用される内装変速機もあるが、日本ではメジャーな存在ではない。ギア比の設定などの情報が乏しいため、現時点ではサイクリング用としてつかうのは自転車に詳しい中級者以上でないと難しいと思う。 https://www.cyclorider.com/archives/14750 ギア比が重くて坂が上れない場合、最悪は押して歩く方法がある。重い荷物を積む超長距離のサイクリングではこの方法は難しいが、押して歩けば最終的には目的地に付くためだ。 車体価格は最低でも5~6万円以上のモデルが良い理由 クロスバイクを購入するときに気になるのが車体価格。安いモデルでは2-3万円の物から、10万円を超える物まで様々なモデルが存在する。 シクロライダーがお薦めするのは最低でも5~6万円のクロスバイクはほしい。これには様々な理由があるが、最低価格以下になると選択肢が極端に減るためだ。かつては税込み4万円台で有名ブランドのクロスバイクが購入できた時代があったが、2018年現在4万円台のクロスバイクで薦めることができるのは僅かしかない。全国の店舗で購入できるモデルでは、サイクルベースあさひのプレシジョンスポーツとNESTO Vacanze、NESTO LIMIT2、Khodaa-Bloom Rail700Aぐらいだろう。 プレシジョンスポーツやNESTO Vacanze、NESTO LIMIT2、Khodaa-Bloom Rail700A等、一部の低価格クロスバイクが例外として候補に入っている所の共通点は、会社規模が大規模で大量生産で低価格を実現している所だろう。例えば、NESTOは車体価格45,000円で4,000円のタイヤを標準装備するクロスバイクを製造しているが、なぜ他の自転車ブランドと比較して異様に安いのか理由を訪ねたら、マルキンブランドでシティサイクルを大量に販売していて(マルキンブランドのみで年間10万台と語っていた)利益を出すことで、NESTOの利益を落としても売ることができるとのことだ。 実際に2万円クラスのクロスバイクに乗った時、4万円台中盤のクロスバイクと比較して走りの違いが大きく、長距離は走りたくないと思った。もし2万円クラスのクロスバイクを買う場合は街乗り用と捉えて、無名ブランドの物は選ばないようにしたほうがいい。 https://www.cyclorider.com/archives/12280 ロードバイクとクロスバイクを選ぶならどちらがいいか 鋸山林道/GIANT Escape RX4 一般的にクロスバイクに乗るとロードバイクに乗り換えると言われているが、自分はシクロクロスバイク→ロードバイク→クロスバイクと乗り換えている。2018年にはスペシャライズド・Diverge E5を購入したが、Diverge E5に乗るに連れて2台のGIANT Escape RXは手放せないと確信した。 現在、自分がロードバイクに乗っていないのは、ロードバイクは舗装路でスピードを出すのを重視し、他の性能を犠牲にしており汎用性がないからだ。 写真のSCOTT CR1 LIMITEDは、登場時の定価はフレームセットのみで¥366,450。カンパニョーロレコード仕様にMavic...