サイクリングで E-Bikeに拘る理由とは?人力自転車や電動アシスト自転車にはない利点を解説

E-Bikeを所有すると、従来の人力自転車は殆ど乗らなくなり、E-Bikeしか乗らなくなる傾向にあるが、E-Bikeを所有していない人にとっては、なぜ、人力自転車や電動アシスト自転車ではなく、高価なE-Bikeを選ぶのかが気になるだろう。そこで、今回は、サイクリングで人力自転車や電動アシスト自転車ではなく、E-Bikeを選ぶ理由を解説する。

人力自転車は制約の多さとコース自由度の低さが問題

筆者はE-Bikeを購入する前はロードバイク、クロスバイク、マウンテンバイクなど、さまざまな人力自転車に乗っており、今迄、人力自転車で1日300キロを走行するチャレンジを行っていたこともあった。

ただ、E-Bikeを購入してからは、人力自転車でロングライドを行うことは全く行わなくなった。これは、筆者が普通のサイクリングを重視しており、E-Bikeがその使い方に合っていたのだろう。

所謂、普通のサイクリングというのは、距離は長くても150キロ程度で舗装路や未舗装路を一般的な速度(一番速い速度は精々時速26キロぐらい出せれば良い)で走行でき、途中で気兼ねなく停車したり、上り坂を気軽に走ることができることだ。

このような一般的なサイクリングで重要なのは、一発のスピードではなく、どんな道でも、荷物の積載の有無や体調でも安定してストレスなく走行できること。

一般的な人力スポーツ自転車で、舗装路のスピードを重視すると、前傾姿勢の強要や、パンクに弱い細いタイヤを装着する必要があるため、重い荷物を積むことができない、グラベルを走るのが難しいといった問題がある。

また、上り坂でのスピードは人力自転車は非常に遅いという問題がある。サイクリングでは一瞬の高速走行よりも一定の速度で走行した方が、目的地までのたどり着く時間の計算が容易だ。E-Bikeの場合、ロードバイクと比較すると時速30キロの走行などはできないため遅く感じるかもしれないが、向かい風や坂道での様々な要因によるタイムロスが少ないため、時間計算が簡単なので精神的な安心感が高い。

一方で、人力自転車の場合、高速走行できるロードバイクでも、向かい風や坂道でのタイムロスがあるため、目的地までの時間計算が難しく精神的な安心感は少ない。

サイクリング用自転車は、単一機能を上げるだけでは、非常に不便で、総合的に機能を上げるにはE-Bikeの選択しかないのが実情だ。

電動アシスト自転車はパワーと車体性能が問題になる

サイクリング用自転車を選ぶ際、高価なE-Bikeではなく電動アシスト自転車を選べば良いと思う人もいるだろう。E-Bikeは富裕層が多い欧州市場を念頭に置いて製造されている物が多いため、大手ブランドのモデルは30万円、40万円以上のモデルが最低価格帯になりつつある。一方、日本国内で販売されている通常の電動アシスト自転車は、原付の代替品としての意味合いもあるため、10万円台で購入できるのが多い。

様々なE-Bikeを試乗している筆者も、電動アシスト自転車に乗っているが、サイクリング用で一般的な電動アシスト自転車を選ばなかったのは、あちらはあくまでも短距離走行用だからだ。例えば、スポーツタイプの電動アシスト自転車で人気のTB1eは前輪にモーターを装着しているので、カーブを曲がる際にハンドリングが重くて運転しにくい、一般的な電動アシスト自転車は脚を低回転で回すのを重視しており、高回転で漕ぐような高速域ではモーターのアシストパワーがかかりにくい、E-Bike用のモーターと比較すると、パワフルではなく踏んだ時のレスポンスが悪いアシストが多く、長時間走行での快感性能が低い、車体にコストをかけることが難しいのでE-Bikeと比較すると弱いアシストで航続距離を重視する走行を行うのが難しいため、航続距離を伸ばす技が使えないなどの問題がある。

そのような欠点は、一般ユーザーがDIYで簡単に解決できる物ではなく、どのようなことを行っても、最終的には車体を変更するしかないのが実情だ。

実際、E-Bike購入前に短距離走行用である電動アシスト自転車も少し興味はあったが、このような細かい欠点が積み重なっており、長距離走行だと快感性能が低いので除外した。

E-Bikeでサイクリングを楽しむ際に欠点と言えるのが、車体重量が重いので電池が切れた際の走行感覚が重い、輪行が難しいという問題がある。

しかし、電池が切れた時の走行感覚の重さに関しては、電池容量を増大させて電池切れを抑える、車体重量を軽くするといった方法があり、海外ではすでに様々なモデルが販売されている。また、輪行が難しいという問題に関しては、車体が軽い軽量 E-Bikeを使用する、折りたたみE-Bikeとキャリーカートを組み合わせる、ヤマト便のらくらく家財宅急便を活用する方法がある。

一度、E-Bikeを所有すると、人力自転車はコースどりや荷物積載量などの様々な限界があるため楽しく走る自由度が少ない問題にぶつかり、電動アシスト自転車はE-Bikeよりも低コストで作られているためパワーやレスポンス不足、車体コストがかけられないため快感性能の不足が問題になる。筆者ならE-Bikeが壊れても再度E-Bikeを所有するだろう。

文:松本健多朗

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