話題のグラベルタイヤ「パナレーサー グラベルキングSS」をE-Bikeでテスト!(Specialized Turbo VADO SL編)

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E-Bikeカスタムを行う場合、まず最初に行う物と言えばタイヤだろう。E-Bikeに限らず人力自転車のカスタムでも定番のタイヤだが、E-Bikeの場合、人力自転車よりもパワフルに走ることができるため、従来の人力自転車とは違う考えで選ぶ必要があるだろう。

左:グラベルキングSS 700×32C、右:グラベルキングSS 700×43C

今回のE-Bikeテストで使用するタイヤはPanaracer GravelKing SS。グラベルキングは、舗装路から未舗装路まで自由に快適に走りたいサイクリストのために開発されたスポーツ自転車用タイヤのシリーズ。スリックタイプの「グラベルキング」と、セミブロックタイプの「グラベルキングSK」の中間を埋める、セミスリックタイプのグラベルキングだ。

タイヤパターンは、センター部に転がりを重視した全く新しいパターンに加え、サイドにはGravelking SKのセミノブを改良して配置することでオンロードでの走りの軽さと、グラベルでの走破性を両立している。

テクノロジーはグラベルキングと同じく、耐久性と耐摩耗性に優れた「ZSGナチュラルコンパウンド」、軽量で衝撃吸収性に優れた「AX-αケーシング」、サイドカットやリム打ちに効果を発揮する「アンチフラットケーシング」を採用し、長距離走行でも疲れない高性能なグラベル・アドベンチャータイヤを売りにしている。

今回、700×32Cと700×43Cの2種類のタイヤを比較する。インプレッションで仕様するE-Bikeは、Specialized Turbo VADO SL 4.0。Turbo VADO SLはアシストのパワー調整が可能で、今回のインプレでは標準設定を使用。ピークパワー/アシストは、TURBOモードが100/100、SPORTモードが60/60、ECOモードが35/35。ファームウェアはバッテリーが2.4.11、モーターが44.6.33、ディスプレイが2C.B.0となる。

標準装備タイヤ「Specialized Pathfinder Sport 700x38C」をインプレ

今回、Panaracer GravelKing SSをインプレする前に、Turbo VADO SL 4.0に装着されているSpecialized Pathfinder Sport 700x38cをインプレしよう。

Specialized Pathfinder Sportは、センタースリック仕様のグラベル向けタイヤ。ケーシングは60TPI
、ビードはワイヤービードでフラットプロテクションはBlackBeltを採用している。

タイヤ幅は38ミリ相当と太めだが、グラベルでの走行はアシストパワーによりパワフルでそれなりにスピードを出すため、タイヤが太い感覚は無い。元気に走行した時の体感は35ミリ幅のグラベル向けタイヤを装着していると感じる。しかし、カーブを少しオーバースピードで通過しても、左右のノブがグリップしてくれるため、安心感は高い。

舗装路に関しては、グラベル重視のタイヤの形状のため抵抗が少し多い。ECOモードのアシスト設定は標準でも問題なく、アシストOFFでも走行できるが、SpecializedのロードバイクタイプのE-Bike「Turbo Creo SL」の感覚を知っていると少し重いと感じるだろう。

総評としては、舗装路はアシストを多用するが、グラベルでも安心して走行できるので、標準タイヤとしては悪くない選択だろう。

Panaracer GravelKing SS 700×32Cをインプレッション

まず最初にTurbo VADO SL 4.0に装着したのがGravelKing SS 700×32C。GravelKing SSの一番細いタイヤは700×28Cがあるが、リム幅の関係で32Cを選択した。

E-Bikeはモーターパワーにより細いタイヤと相まって、発進ではタイヤがスリップするのでは?と思う人もいるかもしれないが、最大出力が一般的なE-Bikeよりも低いTurbo VADO SL 4.0(最大出力240W)の場合、アシストモード最大でもタイヤがスリップしなかった。

気をつけたいのは、E-Bikeはスピードが出るため、細いタイヤでも想定されているスピードより出てしまう事。後輪がグリップする感覚に騙されて、前輪のグリップが想定している速度よりも速く走れ、モーターアシストがあってもグラベルに関しては滑る場面は殆どなくグリップしている。その一方で、前輪のグリップ力は32ミリ幅で想定している速度を超えて走ることもあり、後輪のグリップ力に騙されて、前輪がスリップする速度でカーブに入ることもしばしばあった。

乗り心地に関しては、タイヤが細くタイヤの中に入っている空気の量も少ないので硬め。ただ、E-Bikeは人力自転車よりも高いスピード領域で走行するためか、フレームがしなる感覚が少ないと思うほど剛性が高い。

人力自転車のようなルックスと言われているVADO SL 4.0も、一般的なアルミフレームの人力クロスバイクと見比べると、トップチューブやダウンチューブは二回りほど太い。特に、アルミ製のフロントフォークは、オンロードタイプのシャープな造形とは裏腹にリジッドMTBと思わせるほどの太さだ。

人力クロスバイクと比較すると過剰剛性と思わせるほどの硬い乗り心地のため、700×32Cと細いタイヤでグラベルを走ると振動の多さであまり楽しくない。

一方、舗装路では、砂利道重視のグラベル用タイヤ特有の抵抗感が少なく、ほぼスリックタイヤの感覚で走行できる。そのため、アシストオフになる時速24キロ以上の速度でも楽々と巡航可能で、標準装備のタイヤ「Specialized Pathfinder Sport 700x38c」では感じなかった、SpecializedのロードバイクタイプのE-Bike「Turbo Creo SL」を少し思い出す。

乗り心地も、タイヤにあるノブのおかげか舗装路用のスリックタイヤよりも柔らかめの乗り心地となっている。車体剛性が高いE-Bikeの場合、舗装路だけ走る場合でもあえてグラベルキングSSを装着するのもありだろう。

Panaracer GravelKing SS 700×43Cをインプレッション

次に装着したのがGravelKing SS 700×43c。VADO SLシリーズはフェンダーを装着しない状態で42ミリ幅のタイヤに対応しているが、GravelKing SS 700×43cを装着しても、車体とタイヤの隙間には余裕があった。

グラベルでは、700×32cとはうって変わり、E-Bikeのスピードで走行しても、タイヤが路面にグリップしてくれる。走り方も700×32cでは意図的にスピードを抑えて走ることが殆どだったが、700×43cではモーターパワーをフルに活かして、パワフルな走りが可能だ。

そのため、グラベルはグリップしやすいグラベルキングという感覚で軽快に楽しめる。カーブでのグリップ不足やパンクの不安が少ないため、走ることに集中できるので楽しい。乗り心地もタイヤが太く、空気圧を少し低めにして走ることもできるため、グラベルライド重視なら、こちらがお薦めだ。

一方、舗装路では、太いタイヤのお陰で乗り心地が良いが、アシストオフ時の加速は鈍い。舗装路でも太いタイヤのおかげで乗り心地が良く、ちょっとした段差も気にしないで走行でき、アシストが発生する速度なら、太いタイヤでも特に問題は無いが、アシストの力が消える速度で走る場合、タイヤの重さや路面抵抗を感じるのは否めないだろう。

Panaracer GravelKing SSの選び方は?(E-Bike編)

舗装路メイン、砂利道も”通過”したい人向け、アシスト可能距離を限界まで追い求めるのなら「Panaracer GRAVELKING SS 32C」

E-BikeでGRAVELKING SS 32cを組み合わせて使う場合、公道の舗装路をメインに走る人にお薦めだ。

砂利道に関しては、GravelKing SS 32cはE-Bikeのパワーを活用してパワフルに走るにはグリップが物足りない。グラベル性能を重視しないのなら、GravelKing SS 32cではなく、他の舗装路用のクロスバイクタイヤを選択すればいいと思うかもしれないが、公道でのサイクリングでは、荒れた舗装路や河川敷の砂利道など、様々な道が登場する。

このような場面だと、舗装路用のクロスバイクタイヤでは通過レベルの速度でも不安な事が多い。これがGravelKing SSだとスピードを出さなければ、セミスリックタイヤのお陰で砂利道でも安心して通過できるのだ。

また、舗装路重視のロングライドならGravelKing 32cが良いだろう。E-Bikeでロングライドを行う場合、アシスト可能距離を限界まで追い求めるため、車体やタイヤなど、モーターの力に頼らない人力性能が重要となる。

VADO SLとGravelKing SS 32cの組み合わせでは、舗装路の平地やちょっとした上りならアシストを切っても少し重いクロスバイクという感覚で普通に走る事ができるため、モーターの力をできるだけ頼らず、効率的に走ることができるだろう。GravelKing SS 32cは、アシスト可能距離を限界まで追い求めたり、公称値を超える走りをしたい人に向いているだろう。

舗装路も砂利道も自由に楽しみたい、アシスト可能距離はほどほどで良いのなら「Panaracer GRAVELKING SS 43C」

E-BikeでGRAVELKING SS 43cを組み合わせて使う場合、舗装路も砂利道も自由に楽しみたい人にお薦めだ。

砂利道は太い43ミリ幅のセミスリックタイヤにより、安心して走ることができる。舗装路も太いタイヤの割に軽快で、安心感が高くて乗り心地が良い。公道にある殆どの道なら安心して走行できるため、散策を行うのならGravelKing SS 43cが良い。

特にE-Bikeはモーターアシストのお陰で、ちょっと気になった道があったら気軽に入れる。このような道は、綺麗な舗装路だけでなく荒れた舗装路や砂利道だったというのが多い。こんな場面でも、GravelKing SS 43cなら気軽に入ることができるだろう。

一方で、舗装路のロングライドを行う場合、GravelKing SS 43cはタイヤが太いため不利だろう。GravelKing SS 43cは、標準装備タイヤ「Specialized Pathfinder Sport」と比較すると、軽快に走ることができるが、モーターの力をできるだけ頼らず、効率的に走るのならタイヤが細いGravelKing SS 32cを選ぶのがベスト。GravelKing SS 43cは、アシスト可能距離を限界まで求めないで、アシスト可能距離は7~8掛け程度のほどほどで楽しむのが良いだろう。

(参考)Specialized Turbo VADO SL4.0のスペック

  • フレーム: E5 Aluminum, Fitness/Transportation Geometry, bottom bracket motor mount, fully integrated down tube battery, internal cable routing, fender/rack mounts, Smooth Welds, reflective graphics
  • フロントフォーク:Specialized Stealth Stem, alloy, 14 deg, 31.8mm, integrated TCD-W mount
  • 重量:-
  • ブレーキ:Tektro HD-R290, hydraulic disc
  • ギア(前):Praxis, 44t, 104BCD
  • ギア(後):Shimano Deore, 10spd, 11-42t
  • フロントホイール:Specialized alloy front hub disc, sealed cartridge bearings, 12x110mm, Center Lock™, 24h+700C disc, 22mm rim depth, 21mm internal width
  • リアホイール:Specialized alloy rear hub disc, Center Lock™, sealed cartridge bearings, 12x148mm, 28h+700C disc, 22mm rim depth, 21mm internal width
  • タイヤ: Specialized Pathfinder Sport, 700x38c
  • ドライブユニット:Specialized SL1.1(最大出力240W、最大トルク35Nm)
  • アシスト方式:ミッドドライブ
  • バッテリー:内蔵式 48V 320Wh
  • 充電時間:約2.5時間
  • アシストモード:3段階(ECO/SPORT/TURBO)
  • 航続距離:最大130キロ

パナレーサー グラベルキング SS スペック

  • サイズ/重量:700×28C(310g)、32C(黒サイド320g/茶サイド330g)、35C(380g)、38C(410g)、43C(480g)、650B×48(540g)
  • カラー:ブラック/ブラック・ブラウンサイド
  • タイプ:TUBED(チューブド)/ 28C TUBELESS COMPATIBLE (チューブレスコンパーチブル)/ 700×32C,35C,38C,43C,650B×48
  • テクノロジー:
    ・「ZSG Natural Compound」(ゼットエスジー ナチュラル コンパウンド)
    ・「AX-α Cord」(エーエックス アルファ コード)
    ・「Anti-Flat Casing」(アンチフラット ケーシング)

URL:https://panaracer.co.jp/

文:松本健多朗

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