ファッショナブルでスポーティなカーボンE-Bike「BESV PS1」を解説 2020年モデルの特徴やPSA1との違いも紹介

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電動アシストスポーツ自転車「E-Bike」には、既存の自転車ブランドだけでなく、E-Bike専門のブランドが登場している。日本で有名なのがBESVだろう。

BESVは台湾のE-Bike専門ブランド。他のE-Bikeと比較してデザイン性を重視しており、2013年のLX1から世界の様々なデザイン賞を受賞している。

今回紹介するBESV製E-Bikeは「PS1」。日本市場では2015年に登場し、E-Bikeブーム前史の時に発売されたミニベロE-Bike。グッドデザイン賞2014ベスト100を受賞しているPSシリーズのフラグシップモデル。価格は27万6000円(税抜、以下同)。

2015年に発売したPS1は、年度ごとにアップグレードを行っており、2020年モデルでは小型フルカラー液晶ディスプレイを採用。また、大々的に発表されていないが、モーターを新型に変更しており、自動車で言うならばビッグマイナーチェンジ相当の改良を行っている。今回、紹介するのは2020年モデルだ。

PS1の車体をチェック

 

BESV PSシリーズのデザインで特徴なのが、シートポストが途中で切れているフルサスペンションマウンテンバイク風のデザインを採用している所だ。

 

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このスタイルはマウンテンバイクのフレームデザインでは、シートポストの調整位置の調整が難しいため、今ではあまり見られなくなったタイプ。このデザインは一般的な自転車のデザインよりも近未来的に見える。2015年に日本市場で発売されたが、今でも古さを感じさせない。

PSシリーズの中でもPS1は、フレーム素材にカーボンを採用している。なめらかで一体感があるデザインだけでなく、前後サスペンションを搭載したE-Bikeでは軽量で、車体重量は17.6キロを実現した。

バッテリーはBESVオリジナルの36V 10.5Ahの378wh。一般的なE-Bike用バッテリーは汎用性を重視しているが、PS1はPSシリーズ専用設計を採用しており、車体と一体感があるデザインとなっており、車体中央部に装着されている。車体中央部にバッテリーを装着することで、極端な前輪荷重がかかりにくく、重量バランスが良い部類に入る。

また、PSシリーズは電源オン/オフも鍵を使う。電源オン/オフを行う場合、バッテリーに装備されている鍵穴を使う方法で、他のE-Bikeではあまり見られない。この方法の利点は車体やハンドルに電源スイッチを装備しなくても良い事。欠点は電源オンの時は、バッテリーにキーを装着する必要があるため、キーホルダーを付けると漕いでいる時に脚に当たりやすい。

出典:besv.jp

PS1は、2020年モデルから小型フルカラー液晶ディスプレイを搭載。speed/average speed/max speed/range/odo/rpm/power/clock/calorieと9つのモード選ぶ事ができる。また、ディスプレイにはUSBType-C規格のコネクタが装備されており、給電が可能だ。

モーターアシストにアップライトな乗車姿勢、サスペンションで街乗りは楽しい

BESV PSシリーズは、街乗りを重視したE-Bikeと言われている。E-Bikeは従来の人力自転車とは違い、今回、サイクリングだけでなく街乗りも試してみることにした。

街乗りでのPS1の利点は、前後サスペンションによる乗り心地とアップライトな乗車姿勢、取り回しの良さの3つだろう。

PS1にはフロントサスペンションとリアサスペンションを装着している。一般的な人力自転車のサスペンションはオフロード走行が多いマウンテンバイクで使うのが一般的で、舗装路用ではあまり見られない。その理由は、サスペンションロスにより軽快さが損なわれる、車体重量が重くなるという欠点があるからだ。

しかし、E-Bikeに関しては、モーターアシストによりサスペンションロスや車体重量の欠点は殆どなくなる。そのため、サスペンションの効果により、街中での段差やうねりによる衝撃を抑えてくれるため、精神的に疲れにくい。また、2インチとママチャリよりも太いタイヤを採用するおかげで、荒れた砂利道も不安なく通過できるほどの、安定性を持っている。そのため、人力ミニベロにありがちな不安定感は無い。

アップライトな乗車姿勢も街乗りでの快適さを増幅してくれる。一般的なスポーツサイクルの乗車姿勢は、ハンドルとサドルの高さが同じ前傾姿勢なのが主流。しかし、このような乗車姿勢は前方の視界が見えにくいため街乗りには不向きだ。

一方でPS1は、ハンドル位置はサドルよりも高いアップライトな乗車姿勢を採用。視界が良いだけでなく、前傾姿勢による疲れも少ないため、初心者でも安心して運転できる。ただ、サドルが前傾姿勢用の細めのスポーツサドルを装着しているため、お尻が痛くなりやすい。お尻が痛くなりにくいPS1に合ったデザインのサドルを装着して欲しい所だ。

降車時の取り回しに関しても、PS1の評価は悪くない。カーボンフレームにより車体重量は17キロ台と軽く、バッテリーを車体中心部に装着したおかげで取り回しの感覚も良い部類に入る。

因みに、サイドスタンドは標準装備。また、純正オプションでリアキャリア、前後フェンダーを用意しているので、好みに合わせてより街乗り性能を高める事ができる。

BESV PS1のサイクリング性能はどんな感じか

街乗り向けE-Bikeと売りにしているBESV PS1だが、街乗り向けと言ってもサイクリングを行える性能は持っている。

かつて、房総半島をSpecialized S-WORKS Turbo Creo SLとCorratec E-POWER X VERT CXと一緒に房総半島を走った事がある。

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その時に走行した限りでは、特に問題なくサイクリングを行う事はできる。バッテリー容量は378Whで航続距離は60キロから100キロと、20万円台のE-Bikeでは一般的な容量、航続距離だ。舗装路での人力サイクリング+αレベルでは必要十分の容量だろう。

ロングライドや、山越えを何度も行うE-サイクリングを行うのならオプションの追加バッテリーを購入する必要がある。この場合378Wh+378Whで758Whとなる。バッテリーの価格は4万1000円。

PSシリーズは街乗り用E-Bikeというイメージがあるので、あまり評価されていないが、実は、PS1は曲がりくねったワインディングが楽しいE-Bikeだ。

これは、ミニベロ特有のクイックなハンドリングに、前後サスペンションと太いタイヤ、油圧ディスクブレーキで荒れた舗装路でも安定して走る事ができ、車体中心部に装着されたバッテリーにより、重心位置が良くリラックスして走れるからだ。

2020年モデルのBESV PS1は何処が進化した?フィーリングはどのように変化したか?

2015年に登場したBESV PS1は、現代まで細かい所に改良を加えている。2020年モデルでは小型ディスプレイと新型モーターを採用した。

筆者は、PS1登場初期のバッテリー容量6.6Ah(237Wh)仕様と、バッテリー容量10.5Ah(378Wh)の旧型モーター仕様に試乗した事があるが、荒っぽいアシストが残っていると感じた。

特に初期の6.6Ah仕様のPS1は、弱い入力にセンサーとモーターが細かく制御していなく、乗り手の意思に反してビュンと前に進む感覚があり、大手企業のE-Bikeと比較するとアシストが荒削りという印象があった。

2020年モデルの現行型PS1は、アシストの荒っぽさが消えて、弱い反応でもアシストが追従し正確性が向上し自然なアシストに進化した。

アシストの感覚はリアインホイールモーター独特の感覚がある。一般的なE-Bikeは脚で漕ぐクランクにモーターパワーを組み合わせるため、モーターパワーと脚力の直結感がある。PS1のリアインホイールモーターだと、モーターパワーと脚力の直結感がなく、後輪でスーッっと押されている感覚で、いい意味で他とは違うアシスト感があると感じた。

アルミフレームのBESV PSA1とカーボンフレームのPS1の違いを解説

BESV PSA1

PS1を購入する時に、気になるのがPSシリーズで一番安いPSA1だろう。BESV PSA1は、PSシリーズのエントリーモデル。アルミフレームながらPS1を意識したデザインを採用したベストセラーモデルだ。価格は18万5000円。

PS1とPSA1の違いは以下の通り。

  • フレーム素材はPS1はカーボンで、PSA1はアルミ
  • フロントサスペンションはPS1はSpinner GRIND20 50mmトラベルで、PSA1はRST CAPA 20 50mmトラベル
  • リアサスペンションはPS1はKindShock A5-RR1で、PSA1はKindShock A5-RE
  • ブレーキはPS1がTEKTRO 油圧式 ディスクブレーキで、PSA1はTEKTRO 機械式ディスクブレーキ
  • タイヤはPS1はSchwalbe Big Apple 20×2.0で、PSA1はCST C1854 20×1.95
  • リアスプロケットは12-28Tで同じだが、PS1は10段変速でPSA1は7段変速
  • モーターは同じだが、アシストの”味付け”はPS1は反応を良くしてシャープに、PSA1は反応をマイルドにして扱いやすさを重視した

PS1はPSA1より、車体が軽くて、フロントサスペンションがしなりにくく、ブレーキが軽く握っただけでよく効き、良いタイヤが付いているので乗り心地が良く、細かく変速でき場面に合ったギアが選びやすい。

そして一番大きいのがアシストの味付け。筆者は2020年モデルのPS1と、2020年モデル仕様(モーター変更)のPSA1に乗った事がある。アシストに関しては荒さが消えて、弱い反応でもアシストが追従し正確性が向上したのは両方とも同じだが、味付けの違いは今でも残っている。

PS1のアシストはスポーティなフィーリングを重視している。アシスト出力の出し方は強めに行うが細かく制御を行っているため、かつてのPS1と比較してアシストの微妙なタイムラグが少ない印象だ。また、アシスト出力を強めにかけて、スポーティ感を出すことにより、実際のパワーは同じだが、パワー感はPS1が強いと感じた。

一方で、PSA1は初心者でも乗れる扱いやすさを重視しており、アシストの出し方はPS1よりもマイルドに設定されている。細かく制御を行っているのはPS1と同じだが、PS1よりもアシストの微妙なタイムラグはPSA1のほうが感じやすく、このあたりは旧型に近いと感じた。恐らくアシスト出力の出し方をマイルドにしているが、インホイールモーターのため、アシストで重い車輪を回す時、弱い出力だと車輪が動かないため、アシストラグを感じるかもしれない。

PS1とPSA1はフレームだけでなく、殆どの部品が違うため全く違うE-Bikeと思ったほうが良い。筆者なら、予算に余裕があり、走行性能や軽さを重視したい、メインのE-Bikeにしたい人にはPS1。コストを抑えて初めてのE-Bikeや街乗り向けのセカンドE-BikeならPSA1をお薦めする。

進化させる事で今でも他社に負けないE-BikeになっているBESV PS1

2015年に登場したBESV PS1が、同時期に登場したE-Bikeとは違うのは、今でも20万円台のE-Bikeの中ではトップクラスの価値を持っている事だろう。自動車の世界では、8年前のコンパクトカーでも販売ランキング1位を取る車があるが、E-Bikeの世界は僅か1年で大きく進化する世界。2015年から2016年に登場したE-Bikeの殆どは旧態化し一線を退いている一方で、BESV PS1は今でも購入する価値はある。

その理由はPS1の独特のデザインとバランスなどの車体設計が良いだけでなく、BESVがPS1に常時改良を行い、価値を上げているのもある。特に2020年モデルの進化は大きく、小型カラーディスプレイにより航続距離表示が可能になり、新型モーターでフィーリングが向上したのは嬉しいニュースだ。

PS1はE-Bikeの中でも独自のキャラクターを持っており、街乗りの実用性能やサイクリング性能を持っている。街乗りだけでなく、サイクリング用E-Bikeの選択肢の1つに加えても良いE-Bikeだ。

(参考)BESV PS1 スペック

  • フレーム:カーボンフレーム(リアサスペンション付き)
  • フロントフォーク:Spinner GRIND20 50mmトラベル
  • 重量:17.4kg
  • ブレーキ:TEKTRO 油圧式 ディスクブレーキ (エレクトリックブレーキ装備)
  • ギア(前):48T
  • ギア(後):12-28T 10段変速
  • フロントホイール:20インチ
  • リアホイール:20インチ、インホイールモーター
  • タイヤ:Schwalbe Big Apple 20×2.0
  • ドライブユニット:BESV インホイールモーター(定格出力250W、最大トルク不明)
  • アシスト方式:リアインホイールモーター
  • バッテリー:36V 10.5Ah(378wh)
  • 充電時間:約4.5時間
  • アシストモード:3段階+スマートモード
  • 航続距離:100/83/60km

文:松本健多朗

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