自転車には、長距離サイクリングやレース等様々な楽しみ方がある。その中でも誰でも気軽に楽しめるのが、街中や観光地を自転車で巡る「ポタリング」。自転車で走って楽しめるだけでなく、気軽に自由に様々な場所に行ける利点もある。

このようなポタリングは、テーマを決めて走ると面白さが増していく。テーマは人によって様々だと思うが、筆者がテーマにしているのは「社会科見学」。ポタリングしたい時は、工場や博物館、旧跡など自転車で巡るのを楽しんでいる。このような施設は気軽に入ることができ、知識も増えるので一石二鳥だ。

自転車初心者が社会科見学ポタリングを行うのなら、有名観光地を選ぶのがベスト。このような場所はレンタサイクルやシェアサイクルを運営している会社が多くあり、公共交通機関やレンタカーなど代替交通も充実している。仮に雨が降っても、レンタサイクルからレンタカー、バス等の公共交通機関に乗り換えれば良いのだ。

今回「社会科見学ポタリング」でピックアップするのは、神奈川県の横浜市。外国との貿易で日本で最初に開かれた港の一つとしても知られている。ランドマークタワーがそびえるみなとみらい地区や中華街だけでなく、昔ながらの異国情緒あふれる建物や、かつての横浜を歴史を知ることができる資料館が数多くある。今回は、筆者が今まで言ったことがある場所をピックアップしてみた。

JiCA(独立行政法人国際協力機構) 横浜 海外移住資料館

独立行政法人国際協力機構 横浜センターの2階には海外移住資料館がある。ここでは海外移住の歴史から、移住した理由、暮らし、仕事の内容、日系人の文化活動まで様々な内容を見ることができる。また、海外移住に関する参考文献、資料がある図書館も併設している。

筆者がここを薦めるのは、現代では聞かない日本人の移民について知ることができるから。明治時代から始まり、1973年(昭和48年)に移民船による移民廃止と、つい最近まであった移民の歴史はあまり知られていない。決して楽ではない激動の歴史を知ることができる海外移住資料館。公式サイトでは企画展を紹介する特別サイトが残っており、これを見るだけでも海外に渡った日本人の歴史を知ることができる。

  • 〒231-0001 神奈川県横浜市中区新港2-3-1
  • 料金:無料

海外移住資料館

ニュースパーク(日本新聞博物館)

新聞について詳しく学べるミュージアム。新聞記者になり取材体験を行うゲームから、新聞の歴史などを見ることができる。筆者が気に入ったのは歴史的瞬間をピックアップした新聞紙面を公開している新聞広場と、新聞協会賞を受賞した新聞報道から見る記者の思いを見るコーナー。特に後者は、新聞記者という「造り手」の面で解説する貴重な内容を見ることができる。因みに、ニュースパークがある横浜情報文化センターは、関東大震災後に建てられた横浜商工奨励館と新しいビルを組み合わせた建物だ。そのため、横浜情報文化センター旧貴賓室など、かつての歴史を感じる部分が残っており、ニュースパークに興味がない人でも入る価値はあるだろう。

  • 神奈川県横浜市中区日本大通11横浜情報文化センター
  • 料金:一般 400円

ニュースパーク

横浜税関資料館

税関の仕事から密輸取締まで気軽に見ることができる横浜税関資料館。コンテナの壁を2重にする覚醒剤密輸の実態から、キャラクターグッズからブランド物のバッグといった、コピー商品と本物の商品の違いを見分けるコーナー、ワシントン条約で輸入が禁止されている物の展示まで、様々なコーナーがある。

2018年には新たに税関のお仕事体験コーナーが新設。金属探知機体験やファイバースコープ体験ができる。税関職員は一体どのような事を行っているのかわかる資料館だ。

  • 横浜市中区海岸通1-1 横浜税関本関1階
  • 料金:無料

横浜税関資料館

日本郵船歴史博物館

日本郵船の始まりから豪華客船時代、戦争での壊滅、そして現在を見ることができるミュージアム。一部では、その時代おいて日本郵船が使っていた船の模型が展示や、客船時代のパンフレットや食器、現代の日本郵船が行っている事業内容を見ることができる。日本郵船歴史資料館の近くには、激動の歴史を生き抜いた氷川丸が展示されている。筆者としては日本郵船歴史博物館を見てから、氷川丸に行くのをお薦めする。

  • 横浜市中区海岸通1-1 横浜税関本関1階
  • 料金:一般 400円

日本郵船歴史博物館

日本郵船氷川丸

1930年(昭和5年)に竣工し、太平洋戦争では病院船、第2次世界大戦後は1960年(昭和35年)まで運航しつづけた氷川丸。戦前より唯一現存する日本の貨客船と貴重な船だ。

一番の特徴は、昔ながらの船内を見ることができること。今の時代にはないクラシックで豪華な客室や食堂が見られる。公式サイトではGoogleストリートビューで船内が見れるが、自分の目で見て体験したほうが良い。近くには日本郵船歴史博物館があり、日本郵船博物館に行ってから氷川丸を見るのがお薦めだ。

  • 住所:神奈川県横浜市中区山下町山下公園地先
  • 料金:一般 300円

日本郵船歴史博物館

工作船資料館

2001年 12月22日に東シナ海で発生した「九州南西海域工作船事件」。海上保安庁が北朝鮮の工作船を追跡、停船命令を無視し、最終的には銃撃戦となり、不審船が自爆して沈んだ。その後、船体は引き上げられ、現在は工作船資料館で見ることができる。ここでは、工作船だけでなく、回収物や海上保安庁の当時の状況を映した映像もあり、見応えがある資料館だ。

  • 住所:神奈川県横浜市中区新港1-2-1・赤レンガパーク隣
  • 料金:無料

海上保安資料館 横浜館

シェアサイクルやレンタサイクルが多くある横浜エリア

観光名所が多い横浜エリア。筆者は何度が自転車で横浜を巡ったことがあるが、歩道や車道は人が多いので、レーシーなロードバイクで走るのには向かない。クロスバイクやシティサイクルなど低速でも安定して走れる自転車や、鉄道網が豊富なのを生かして折りたたみ自転車で走るのも一つだ。

また横浜には、シェアサイクル(ドコモ・バイクシェア「BayBike」)やレンタサイクル(Cycle TravelationパノレンYOKOHAMA CYCRUISING)がある。自前の自転車を持っていかず、レンタサイクルやシェアサイクルを使うのも一つだ。

自転車で走ることで気晴らしになり、社会科見学もできる社会科見学ポタリング。全国にはこのような場所が沢山あるので、シクロライダーで随時紹介します。

(マツモトケンタロウ)