サイクリング視点で見るスルーアクスル規格の利点と欠点(グラベルロード編)

ディスクブレーキを装備したマウンテンバイクやロードバイク、グラベルロードを中心に「スルーアクスル」規格を採用した自転車が増えている。スルーアクスルとは、車輪を装着するシャフトの直径を大きくし、強度や剛性を高めた物。従来のスポーツサイクルに採用されている。

グラベルロード/ディスクロードのスルーアクスル規格まとめ

現在、筆者が乗っているグラベルロード「Specialized Diverge E5 (2018)」は、12ミリスルーアクスルを採用している。使っていていくうちにつれて、クイックリリースと利点と欠点がわかったのでまとめてみた。

利点

剛性が高い・捻れにくい

スルーアクスルは、現在主流のクイックリリースよりもシャフトの径が太く、剛性が高い。そのため、荒れた道を走るマウンテンバイクから採用された。それほど荒れていない砂利道でもスルーアクスルは効果があり、砂利道を同タイヤ・同ルートで走った所(クイックリリース:GIANT Escape RX4・スルーアクスル:Specialized Diverge E5)、スルーアクスルを装着した自転車のほうが捻れにくく安定して走れると感じた。

ホイールが同じ所に装着できる

クイックリリースの場合、ホイールを装着しようとすると微妙にズレている時がある。これはハブやエンド等の精度が関連しているとのこと。特にディスクブレーキの場合、ブレーキパッドとローターの隙間をギリギリまで詰めるため、ホイール装着時のズレが問題になることもあるらしい。スルーアクスルの場合、ホイールを毎回同じ所に取り付けることができる構造のため、ズレる問題は無い。

欠点

乗り心地が硬い

Specialized Diverge E5で舗装路で走らせた時、しならない板に乗っていると思った。乗り心地を向上させるために、Specialized Espoir Sport 30C(標準装備)・Panaracer GravelKing 28C/38CPanaracer GravelKing SK 32C・CST PIKA 38Cなど様々なタイヤを装着したが、しならない板に乗っている感覚は変わらなかった。車で言うと硬いサスペンションが入っている感覚だ。

クイックリリース用の部品が使えない

サイクリング視点で見た場合のスルーアクスル最大の欠点は、クイックリリース用の部品が使えないことだ。輪行時に使うエンド金具や、自動点灯するハブダイナモライトが安価に手に入らない。特に長距離ライドや街乗りライドを行う人にとって、安価なハブダイナモライトが手に入らないのは大きな欠点だ。スルーアクスル用部品は増えつつあるが、スルーアクスル規格が普及していないので部品の値段が高い問題がある。

スルーアクスル規格は非競技ユーザーに合っているか

レースシーンではロードバイク、マウンテンバイク、グラベルロード、シクロクロスなど車種を問わず、スルーアクスル規格が流行している。しかし、サイクリングなどの非競技ユーザーには、スルーアクスル規格はだれにでも合っているとは思えない。

スルーアクスル規格が合っているのは、スポーティなライディングを楽しむ人だ。Diverge E5で初めてグラベルコースを走った時、今までの自転車よりも走行ラインが”太くなった”のは今でも覚えている。ディスクブレーキ車の場合、装着時のズレなどを考えるとスルーアクスルのほうが良い。

一方、コミューターや舗装路だけのサイクリングを行うのなら、スルーアクスル規格は足かせになる。自転車業界にはクイックリリース用の部品が沢山あり、その中にはハブダイナモライトやスタンドなど、実用性が高い部品が多い。低価格で自由に楽しむのなら、筆者はクイックリリース仕様の自転車を選ぶ。

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