プロムナードハンドル・トレッキングハンドルのススメ 利点と欠点・お薦めハンドルを紹介

自転車で長距離を走る時重要なのは変速機のグレードよりもハンドルの形状が遥かに重要だ。自分はフラットハンドル・ドロップハンドル・ブルホーンバー・マスタッシュバーなど様々なハンドルを購入し、最終的に長距離を走るメインマシンは、ドロップハンドルでもなくブルホーンハンドルでもなく、フラットハンドルでもなく、ヨーロッパのトレッキングバイクに装着されているプロムナードハンドル・トレッキングハンドルを採用している。

東京→直江津300kmを走行後、能登半島を走っている時の写真。このときはまだポジションに苦心している時期。

ヨーロッパではツーリングハンドルとして紹介されている事例がある。KOGAのセミオーダーブランド「KOGA SIGNATURE」では、絞りが少ないKOGA THE BIRDはスポーティツーリングハンドルバー。絞りが大きいKOGA TOURINGはCLASSIC TOURING BARと書いてある。日本でもBLUE LUGなどが、このようなハンドルを販売している。

プロムナードハンドル・トレッキングハンドルを装着できる自転車、装着できない自転車

プロムナードハンドル・トレッキングハンドルを装着する場合、装着可能な自転車・装着不可の自転車の2種類がある。

装着不可(できるだけやめたほうがいい)の自転車は、ドロップハンドルを装着したロードバイクタイプの自転車・車体サイズが小さい自転車だ。

ドロップハンドルを装着したロードバイクは、ドロップハンドルの関係上、トップチューブ長が短くなる。フラットハンドルのクロスバイクの場合は

フレームのトップチューブ長+ステム長

で辻褄が合う設計なのに対し、ロードバイクの場合は

フレームのトップチューブ長+ステム長+ハンドルのリーチ長

で辻褄が合う設計となっている。プロムナードハンドル・トレッキングハンドルはハンドルが手前に来るため

フレームのトップチューブ長+ステム長-ハンドルのバックスイープ長

となるため、ハンドルのリーチが必要なドロップハンドルのロードバイクフレームでは窮屈すぎて乗りにくくなる問題がある。ツーリングモデル「SALSA MARRAKESH」にはフラットハンドルとドロップハンドルモデルの2種類があるのは、ハンドル設計の違いがあるのだと思う。

車体サイズが身長のわりに小さい場合も同じで、このような場合はプロムナードバーやトレッキングバーを装着するよりも、ブルホーンバーを装着したほうがいいだろう。

写真のTern Link N8は自分にとってはトップチューブが不足ぎみだったので、ブルホーンバーをチョイス。

プロムナードハンドル・トレッキングハンドルの利点と欠点

 

バックスイープが大きいハンドルは、ハンドルを握る位置が幅広いという大きな利点がある。写真を見ればわかると思うが、ハンドルの握る前後位置がステムから見て0mmから-100mm近くまで無段階にあり、ブレーキを容易に握れる位置で姿勢を可変することができる。また、ハンドルがハの字になっているので、乗車姿勢がアップライトになればなるほど肩が広がる。そのためハンドル幅が広がりハンドルの抑えが効く。この利点を活かして、体が温まっていない発進時は手前を握りアップライトな姿勢にして、徐々に慣れてきたら握る位置を奥にすることが可能だ。また、ハンドルがハの字になっているため手首が自然な位置で握ることができ、長時間の乗車でも非常に疲れにくい。

欠点は前傾姿勢を取ってスピードを追求するハンドルではないことだろう。このようなハンドルでスピードを出したいと思う場合、ハンドルを強く握る(やってみればわかるが、これだけでも脚に力が入る)か、体を少し伏せてドロップハンドルのロードバイクみたいに少し前傾姿勢にする必要があるが、あくまでもツーリングハンドルだ。

乗車姿勢は極端にアップライトな乗車姿勢にしてもパワーが出ないため、少し前傾姿勢の乗車姿勢となる。写真のEscape RX3はハンドルとサドルの落差は無いように見えるが、実際はサドルよりもハンドルが少し低い状態となっている。

スポーツサイクル用プロムナードハンドル・トレッキングハンドルでお薦めのハンドルは?

プロムナードハンドル・トレッキングハンドルは様々な物があるが、この手のハンドルはスポーツサイクル用とアップハンドル車(ロードスターやBenno Balloner・Revendell Clem Smith Jr等)専用の物がある。アップハンドル車専用の物は、ハンドルのバックスイープ角度がきつく、ハンドルを握る位置が大きく手前になる物が殆どでスポーツサイクルには不向きだ。

MTBタイプのアップライトツーリング自転車「Rivendell Clem Smith Jr」

スポーツサイクルにプロムナードハンドル・トレッキングハンドルを取り敢えず試してみたい場合、おすすめするのがGIZA PRODUCTSのプロムナードローライズ(NR-AL217BT)。バックスイープ角が比較的緩く、ハンドルポジションが後ろすぎず、ハンドルの幅が広いためハンドリングがある程度安定し、ネット通販価格では2,000円以下と安い。写真のGIANT Escape RX3に装着しているハンドルで、スポーツサイクル用プロムナードハンドル・トレッキングハンドルの叩き台としてお薦めだ。

関連記事

編集

Eバイクや電動アシスト自転車、自動車、アクティビティなどを紹介しているWebメディア。「Eバイク事始め 次世代電動アシスト自動車がよくわかる本」が好評発売中。

当サイトはアフィリエイト広告を採用しており、掲載各社のサービスに申し込むとアフィリエイトプログラムによる収益を得る場合があります。

spot_img
spot_imgspot_imgspot_img