マンスリーアーカイブ 11月, 2018
フラットハンドルにポジションを増やす「TOGS」を紹介
フラットハンドルの自転車の欠点はハンドルを握る場所が1つしかないことだ。それに加えハンドルを握ると手首が不自然になってしまい、長時間乗るのはしんどい時がある。それらの問題を解消するため、バーエンドバーというものがある。
しかし、バーエンドバーはハンドル左右に装着するため、実際に握った場合、腕が広がってしまい力が入りにくい問題がある。
今回紹介するのは「TOGS」親指を引っ掛けてハンドルを握ることで腕に力がはいり、パワフルに走れるようになる部品だ。
部品が小さい
ハンドル内側に装着する部品で、通常のバーエンドバーよりもはるかに小さくスペースを取らない。装着しても比較的邪魔にならないし、バーエンドバーとの組み合わせもできるだろう。
握ってもブレーキをかけやすいようになっている
バーエンドバーはハンドルの両端に装着するため、バーエンドバーを握った場合ブレーキをかけることができない問題がある。しかし、TOGSの場合はTOGSを握ったところでもブレーキングができる位置関係となっているため、バーエンドバーより安全性能は高いだろう。
実際に使用した例
今回、Escape RX4にTOGSを装着してみた。TOGSはマウンテンバイク等の真っ直ぐなフラットハンドルに装着するのがベストに見えるが、Escape RX4はGIZAプロムナードハンドル・ローライズを装着しているため、若干逆ハの字になっている。
それでも、親指を引っ掛けることが可能で使うことはできる。親指をTOGSに引っ掛けた状態だと引きつけやすくて力が入る。引きつけを行う場合でも、バーエンドバーだとブレーキがかけられない問題があるが、TOGSならブレーキもかけることができ、シフトも簡単にできるのでバーエンドバーよりも使えるだろう。麦草峠に行った時TOGSを使ってみたが、TOGSを親指にかけて力を入れると、力が入るのが明確にわかり、個人的にはバーエンドバーよりも使えると感じた。
プロムナードハンドルにTOGSを装着すると、2つのポジションを得ることができる。TOGSを握る位置は前傾姿勢になりパワーを出せるポジション。TOGSが無いハンドル端部に近いポジションは、アップライトな姿勢で視界が良くコントロールしやすいポジションとなっている。上り坂やスピードを出したい場合はTOGSを使い、従来のポジションは下りのコーナーや街中、スピードを出さない場合と分けることができる。外観もバーエンドバーを装着するよりも見た目がすっきりする。
(TOGSを装着しているが、この写真では殆どわからない)
プロムナードハンドルでパワーと安楽さを両立できるが、フラットハンドルのマウンテンバイクでも、ポジションを増やすことができる効果があるTOGS。コンパクトなのでバーエンドバーと両立できるアイデア商品で個人的にはお薦めの一品だ。
TOGSには樹脂製とカーボン製の物がある。カーボン製に関しては、オープンエンドとなっており簡単に装着することができる。
電動アシスト折り畳み自転車「ハリークイン PORTABLE E-BIKE」を解説
自動車ブランドの自転車や、ルノー・ライトシリーズなど超軽量折りたたみ自転車を売りにしているGic。近年では電動アシスト仕様の折りたたみ自転車の販売も行っている。有名なのが「TRANS MOBILLY」ブランドのULTRA LIGHT E-BIKEがあるが、ハリークインブランドから電動アシスト折りたたみ自転車「PORTABLE E-BIKE」が登場した。サイクルモード2018で試乗できたので、インプレッションも行う。
PORTABLE E-BIKEについて解説
ハリークインの折りたたみ自転車と言えば、ブロンプトンのデザインを模した折りたたみ自転車が有名だ。デザインはブロンプトンに似ているこの折りたたみ自転車は、折りたたみ時のサイズはブロンプトンよりも大きい。
PORTABLE E-BIKEもブロンプトンの設計をオマージュしているが、一番の特徴は電動アシスト自転車だということ。海外ではブロンプトンの電動アシスト自転車版が存在するが、ハリークインのPORTABLE E-BIKEは、電動アシストブロンプトンの設計をオマージュしているわけではないようだ。
https://www.cyclorider.com/archives/19177
電動アシストブロンプトンではバッテリーは、前方に装着されたバッグに搭載されていた。しかし、ハリークイン・PORTABLE E-BIKEはフレームに綺麗に収まるようデザインされている。駆動方式は前輪インホイールモーターだ。
PORTABLE E-BIKEは転がし輪行ができるためバッテリー容量も大きい、ULTRA LIGHT E-BIKEは車体を軽くして気軽に持ち運べるように、24V/2.8Ahのお小型バッテリーを搭載しているが、PORTABLE E-BIKEには36V/7Ahの大容量バッテリーを装備。航続距離も最大80kmほどと長く走れるようだ。公称重量は約12.9kgだが、本体重量はバッテリー、ペダルを除いているため注意が必要。価格は税抜き135,000円。
ハリークイン PORTABLE E-BIKEのインプレッション
サイクルモード2018で、ハリークイン PORTABLE E-BIKEに試乗することができた。この電動アシスト折りたたみ自転車は、ブロンプトンに似たスタイリングを採用しているため、ブロンプトンに似た乗車姿勢だ。ハンドルとサドルの距離が長いため、一般的な16インチ折りたたみ自転車と比べて、大柄な人でも楽な乗車姿勢で運転できる。
ハンドルにはアシストスイッチが装備。電池消費は数字ではないシンプルな方式だ。ドライブユニットは前輪インホイールモーターを採用。アシストはタイムラグがあり、アシストを常に維持しながら走行するのが向いている。アシストのセッティングは同じ前輪インホイールモーター方式を採用した「Benelli MiniFold16」や「Qi Cycle EF-1 Pro」のほうが、タイムラグが少なく、こちらのほうがアシストの爽快感があるだろう。
Qi Cycle EF-1 Pro
Benelli MiniFold 16
一方、ハリークイン Portable E-bikeにも利点がある。それは重量。本体重量はバッテリー、ペダルを除いて12.9kg。バッテリーの重量を除いているため正確な重量がわからなかったため、バッテリー込の重量を聞いてみた所14kgを切るとのこと。軽量なバッテリーを装備しているため、転がし移動や持ち運びは電動アシスト折りたたみ自転車の中では楽だろう。メーカーはバッテリー込みの重量を書くべきだろう。最長航続距離80kmを実現しつつバッテリー込みの車体重量が14kgを切るのはアピールポイントになるのだ。
2018年12月6日追記
メーカー公式Webサイトによると重量は14.6kg。本家ブロンプトンの電動アシスト自転車版が16.6kg、Qi Cycle EF-1 Proが15.8kgと考えると、電動アシスト折りたたみ自転車で15kgを切るのはアピールポイントになるだろう。
http://www.gic-bike.com/hq-portable_lp/hq-portable.html
https://www.cyclorider.com/archives/17120
ロードバイクはどのくらい荷物を積むことができるのか調べてみた
ロードバイクで長距離ツーリングをする時、どうしても荷物を積む必要があるが、ここで問題になるのが車体の積載重量。ロードバイクでツーリングを行うのが流行っているため、重い荷物をロードバイクに積むのが普通になっているが、ロードバイクは重い荷物を積む設計になっているのだろうか?
今回は英語版の自転車ブランドの取扱説明書を見て、ロードバイクの積載重量がどうなっているのかまとめてみた。
Cannondale・FELT・Jamis
Cannondale、Jamis、Feltはハイパフォーマンスロードバイクには4.5kgの荷物を積むことができるとのこと。荷物を積む場合、ハンドルにバッグを装着するかシートポストバッグの装着のみとなっていて、荷台を装着することはできないようだ。
http://www.cannondale.com/en/USA/Support/OwnerManuals/Road
http://www.feltbicycles.com/USA/Single-Nav/Inside-Felt/Manuals/Road.aspx
http://www.jamisbikes.com/usa/support.html
Specialized
Specializedはフレームによって、耐荷重が違うようになっている。
ラックマウント付いている場合:25kg
非カーボンフレーム車:14kg
カーボンフレーム車:2.3kg
因みにロードバイクの場合はフロントに荷物を積む項目はない。
スペシャライズドの英語版取扱説明書(PDF)
Canyon
ロードバイクは荷台の装着不可。荷物を運ぶ場合は専用のサイクリング用リュックサックを使うのが唯一の方法と書いてある。
https://www.canyon.com/ja/service/downloads/
ブリヂストンサイクルの場合
CYLVA D等のロードスポーツ車の取扱説明書では10kgまで。前は3kgまでとなっている。
http://www.bscycle.co.jp/support/pdf/
GIANT
GIANTの場合、ハイパフォーマンスロードバイクはフレーム素材に関わらず1.5kgの荷物しか積めない。
https://www.giant-bicycles.com/us/owners-manuals
パナソニック・オーダーシステムの場合
車種にもよるが、ロードバイクやシクロクロス車は荷台の装着は想定していないのか、荷台の装着はできないと書いてある。
http://cycle.panasonic.jp/manual/
Surly(Pacer、Midnight Special)
ロードバイクながらASTM規格では砂利道や多少の段差を走行しても大丈夫なカテゴリー2を採用しているSurly Pacer。説明書では14kgの荷物を積むことができるようだ。
http://ja.surlybikes.com/bikes/pacer
Midnight Specialに関しては、詳しい記述がなく乗員体重と荷物を合わせて136kgと定めている。
https://ja.surlybikes.com/bikes/midnight_special
https://www.cyclorider.com/archives/20408
競技用ロードバイクでバイクパッキングや長距離ツーリングは不可能か?
F1カーが荷物を積んで走るのを想定していないのと同じように、競技用ロードバイクで重い荷物を積むことはできないと思ったほうが良い。バイクパッキングなどで重い荷物を積む場合、自転車が壊れても仕方ないのを承知で行うしかないようだ。意外だったのがSpecialized。アルミフレーム車なら、荷台が装着できなくても14kgの荷物を積むことができるということ。他の競技用ロードバイクではこれほどの荷物は積めないため、上手く宣伝すれば大きなアドバンテージになるだろう。
https://www.cyclorider.com/archives/18276