松尾産業、米国スタートアップEV「TELO」に投資 – 高密度バッテリー技術の活用を提案

松尾産業は4月25日、世界最小の長距離クラス全電動ピックアップトラック「TELO Trucks」の開発を進める米国スタートアップTELO Trucks Inc.へ投資を実施したと発表した。

TELO社は、TELO Trucksの極めてコンパクトなボディを実現するために、米国市場で普及する電気自動車(EV車)と比較してスペース使用率が最大50%縮小可能となる独自のバッテリーを開発するなど、高いバッテリー技術を有している。松尾産業はTELO社のバッテリー技術に着目し、Tier1として80年以上自動車業界に伴走してきた実績とネットワークを活かし、日本の自動車業界との架け橋としてTELO社のバッテリー技術の活用や連携の提案を進める。

TELO社が開発中の全電動ピックアップトラック「TELO Trucks」は、従来のアメリカ車とは異なり、小型で環境に優しい車を目指している。大型化したピックアップトラックが引き起こす様々な課題を解決するため、ピックアップトラックのサイズと機能をゼロから再設計に挑戦した。EV車ならではの柔軟な車両デザインやモジュール式の設計を採用することで、最もコンパクトで実用的な電動ピックアップトラックが誕生した。

TELO Trucksの大幅に短縮された外観は全長約3.86メートルとミニクーパーと同程度のサイズで、街中でも駐車しやすく、二酸化炭素を排出しない環境に優しいEV車だ。106キロワットのバッテリーを搭載し、充電残量20%から80%に回復させるのに20分程と急速充電にも対応している。加速性においても4秒で時速96キロメートルに達し、最高速度は時速約200キロメートルとEV車ならではの車両性能に加え、航続距離は約550キロメートルと市場で普及するEV車と遜色ないスペックを有する。

TELO社は、初期のテスラ・ロードスターのバッテリーパックの開発を手掛けるなど、EV車のバッテリーに関して15を超える特許を取得した経験豊富なCTOのフォレスト・ノース氏、「ローバー・グループ」「日産」「アストンマーティン」など、自動車メーカーの重職を歴任したアンディ・パーマー氏、自動運転車両の最初のLiDARとレーダーシステムを開発し、市場に最初の高容量商用EVを出荷したCEOのジェイソン・マークス氏など自動車業界の先駆者が創業したチームだ。さらに、ハーマンミラー、サムスン、プーマといった企業デザインを多数手がける世界的なデザインファーム「fuseproject」の創業者イヴ・ベアール氏がCCOとして参画し、コンセプトをデザインとして体現させている。

TELO社は2024年後半の発売に向けて生産開始を予定しており、実機はプロトタイプのみにも関わらず、消費者ニーズを反映させたプロダクトとコンセプトに2,000件近くの予約が入るなど注目が集まっている。生産開始に向けて540万米ドル(約8億円)の資金調達に成功し、テスラの共同創業者であるマーク・ターペニング氏が取締役として加わるなど、最先端の電動化と先進の安全技術を融合させた高機能かつ強力なEV車の誕生が期待されている。

松尾産業は、近年のオープンイノベーションの重要性の高まりを受け、スタートアップが持つ柔軟な発想やテクノロジーに着目、ハードテックや製造分野に特化した特徴ある国内外の隠れた技術や素材を探索し、取引先への提案や協業を行うなどインキュベーションへの取り組みを加速させている。TELO社への出資では、投資と並行した協業を通じ、同社が自動車業界でTier1として80年以上伴走してきた実績とネットワークを活かし、日本の自動車業界との架け橋となり高密度バッテリー技術の活用と連携の提案を進める方針だ。

松尾産業株式会社 (matsuo-sangyo.co.jp)

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