まるで装甲車!ファットタイヤを装備したアメリカの3輪Eバイク「Rungu Dualie’s」

通常の電動アシスト自転車、Eバイクでは砂地や雪道を気軽に走ることは難しく、そのような場面では4輪バギーやオフロードバイクなどを使うのが一般的だ。しかし、海外では、そのような道なき道を走るためのEバイクが存在する。そんな荒れ地走行用のEバイクの中でも、アメリカのStandard Bearer Machines, LLCは、Rungu Dualieシリーズという非常に派手なEバイクを展開している。

ファットタイヤは、雪上や砂地でも車体が沈みにくい特徴があり、従来の自転車よりも幅広い場所を走ることができる。また、モーターを装着することで転がり抵抗に打ち勝つ推進力を付加することができるようになった。しかし、ファットタイヤのEバイクは、柔らかい砂の上では直線的に走れる一方で、曲がろうとしたり方向転換したりするとすぐにクラッシュしてしまうという欠点がある。

Runguは、特許取得済みの2つの前輪を持つデザインによって問題を解決したと謳っている。旋回するとき、一方のファットタイヤの車輪は常に旋回半径の内側にとどまることで流されるのではなく「食い込む」のを実現し、泥や雪の上でも4輪ATV並の走破性を実現したと謳っている。

また、Runguはオートバイのようにカーブに入る時、簡単にバンクさせて曲がることができるため、4輪ATVのように、アスファルトの上でコーナリングする時に発生するハイサイドクラッシュを避けることができる。

各フロントホイールには3インチ以上のサスペンショントラベルを持つシステムであるFreeRide Independent Suspensionを搭載。このシステムにより、不整地を走行する際、9インチ離れた2つの前輪が独立して作動することができ、地面からの衝撃や振動を吸収し、厳しい地形でもスムーズな走りを実現したようだ。

Runguは、ペダルパワーとモーターパワーの両方を使って1回の充電で30マイル(48キロ)以上走行でき、 R重量は、最大でも120ポンド(約52キロ)となっている。ガソリンエンジンのATVやUTVは1ガロンあたり30~40マイルほど走るが、重量は400ポンド(約181キロ)以上と重い。 また、ATVやUTVを電動化し、航続距離30マイルを達成するには、最新のリチウムイオンバッテリーテクノロジーを採用しても、重量は少なくとも250ポンド(約157kg)追加する必要があり、 一人乗りの場合だと重量は最低650ポンド(294キロ)になる。 Rungu Dualieは、ATVと比較すると軽い。

Rungu Dualieは、長いホイールベースと強力なモーターにより、50%を超える急な坂道や、幅広いATVでは通れないような狭いコースや障害物も走破することができる。さらに、ユタ州モアブにあるhells revengeトレイルなど、ATVの走行が禁止されている場所にも走行可能だ。

Rungu Dualieは、350ポンド(約150キロ)の重量を運ぶことができ、オプションのヒッチを使用すると、さらに300ポンド(136キロ)を牽引することができる。

音に関しては、4輪ATVよりはるかに静かです。モーターは最も静かなATV(サイレンサー付き)の6倍の静かさを実現。そのため、騒音規制のある混雑した場所でも、自転車と同程度の騒音で利用することができます。

前後荷重に関しては、前輪に75%、後輪に25%の重量がかかる75対25という重量配分を実現。同社は、この重量配分により、ターン時や上り坂でフロントタイヤが地面にとどまり、90/10の重量配分を持つ従来の自転車やEバイクと比較して、安定性とハンドリングが向上しているとのこと。

また、従来のEバイクよりもホイールベースが長いため安定性が高く、ライダーの体重はハンドルバーからさらに後ろにかかるようになっているため、坂道の上り下りが楽になり、ハンドル操作による転倒の可能性も低くなると謳っている。

Eバイクながら、一般的な自転車とは逸脱した設計により「Texas Off-Road E-ATV of the Year (2022)」に選ばれいるRungu Dualie。最上級モデルのRungu Dualie XR Rubicon Trail Editionでは、重量は130ポンド(58キロ)。

モーターはバーファンBBS HDで最大トルク不明(他社のスペックでは最大トルク160Nmと表記あり)。バッテリーは52V、936Whでデュアルバッテリー化により1872Whにすることもできる。

出力やアシストは複数あり、フルパワーペダルアシスト(PAS)で出力は1429Wでサムスロットルを両立しアメリカ国内法で公道走行不可のオフロード用、ペダルアシスト(PAS)出力は749Wに制限され、速度は時速20マイルに制限されておりスロットルなしでアメリカ国内法で公道走行可能なクラス1規定、 PAS出力は749Wに制限され、速度は時速20マイルに制限しスロットルを含んだアメリカ国内法で公道走行可能なクラス2規定の3種類を用意。いずれも日本国内法では公道走行は不可。価格は8459ドル(日本円で110万円)から。日本での発売は不明だ。

関連リンク

関連記事

編集

Eバイクや電動アシスト自転車、自動車、アクティビティなどを紹介しているWebメディア。「Eバイク事始め 次世代電動アシスト自動車がよくわかる本」が好評発売中。

当サイトはアフィリエイト広告を採用しており、掲載各社のサービスに申し込むとアフィリエイトプログラムによる収益を得る場合があります。

spot_img
spot_imgspot_imgspot_img