マンスリーアーカイブ 5月, 2017

ロードバイクにアップハンドルをつけるという変な自転車が生まれる理由

自転車カスタムの中でも理解不能なカスタムの一つはアップハンドルを装着したロードバイクだ。 引用:http://ratio-c.jp/neocot Ratio and CのN7は、ロードバイクに無理やりアップハンドルを搭載した自転車だが、ドロップハンドルの装着を前提としたロードバイクにアップハンドルを搭載してもマトモな自転車はできない。 https://www.cyclorider.com/archives/17705 上記の記事にあるRivendell Clem Smith Jrのように本物のアップハンドルの自転車は、ロードバイクよりも鷹揚とした車体となっているのがわかるだろう。 自転車やオートバイなど2輪車の世界では、ハンドルは車体設計を決める重要な部品だ。オートバイの世界では、オフロードオートバイはややアップした幅広のハンドルを装着するのに対し、スポーツ走行を楽しむオンロード用オートバイは幅が狭く低めのハンドルを採用する傾向にある。 もっとも、時代によってはオンロード用のオンロードでも、幅広でアップしたハンドルを採用する事例もある。高校生が大型オートバイに乗る1970年の第1次バイクブームではCB750FOURや650W1スペシャルのような大柄なアップハンドルを装着したオンロード用オートバイが流行した時代があった。そのため、幅広のアップハンドルが似合わないオートバイ(ヤマハ・スポーツRX350やXS650等)まで装着するを得なかったとのこと。 https://www.cyclorider.com/archives/14044 70年代にレーサースタイルを標準装備したオートバイは国産車には存在しなく、一部の外国車の特権だった。MVアグスタ350Sが良い例だろう。 引用 MV Agusta 350 S Ipotesi, Classic Italian Motorcycle MVアグスタ350S:某氏の弟が嘗て乗っていたオートバイ。70年代の日本車にはフル装備されて無かったセパレートハンドルやキャストホイール、テールカウルをフル装備している。70年代前半の日本唯一の2サイクルレーサーレプリカ、ヤマハ・RX/DXシリーズよりもレーサー風のスタイルとなっている。新車価格は約30万円とCB500FOURよりも安いため、外車入門用オートバイの扱いだった。 引用:Honda CB 500 Four - Wikipedia アップハンドルを装着した70年代のオンロードバイクだが、コンチネンタルハンドル等の低めのハンドルに交換すると雰囲気が変わり本質が見える。現役時代では高校生・警察・プレスライダー御用達のドリームCB500FOURはアップハンドルが標準装備されているが、写真のように低めのハンドルに交換すると、スポーティなオンロード用オートバイという本質が見えてくる。 ロードバイクにアップハンドルをつけるという変な自転車が生まれるのは何故か ロードバイクにアップハンドルをつけるという変な自転車が生まれるのは、カッコだけしか見ないからだと思う。オートバイで言うのなら、ドコドコと振動が出るバランサーシャフトが無い古典的2気筒エンジン、ハイバックシート、アップハンドルをつければ、どんなオートバイでもハーレーに見えると思っているのと同じだろう。 写真のオートバイはNorton Commando Hi-rider。古典的2気筒エンジン、ハイバックシート、アップハンドルがついているが、誰もがCommando Hi-riderを見てハーレーみたいなアメリカンスタイルのオートバイと思う人はいないだろう。因みにこのCommando Hi-riderは変な改造車に見えるがカタログモデルのようだ。 参考としてアメリカンスタイルのオートバイを挙げてみる。写真のオートバイはHaley Davidson 883。 アップハンドルのロードバイクという謎な自転車が出るのは、恐らくカッコだけ見て似ているようにみえるためだと思う。Norton Commando Hi-riderとHaley Davidson 883では明らかに車体のデザインが違うため容易に区別できる。 しかし、自転車のデザインは区別しにくく似ているように見えるため、本質を無視してハンドルを交換して見た目だけカスタムを行ってしまうのだと思う。特にRivendellのようなアップハンドル車はBlue Lugに立ち寄った時以外は見かけたことが殆どない。 ロードバイクにアップハンドルを付けて、アップライトな姿勢で乗りたいのなら、ドロップハンドルやブルホーンハンドルでアップライトなステムのポジションで乗るのがベスト。それでもアップハンドルを装着したいのならVeno メトロポイントハンドルバーしかないだろう。 https://www.cyclorider.com/archives/17104  

Ternが2018年モデルを発表 新モデルのLink A7や新色が登場

Ternの折りたたみ自転車、LinkシリーズのエントリーモデルLink B7が売り切れになり、2018年モデルからLink A8が登場するとのこと。 公式サイトによるとスペックは以下の通り。 Speeds:7 Wheel Size:20"(406) Weight:11.9kg Suggested Rider Height:142-190cm Seatpost to Handlebar:Min:600mm Max:650mm Saddle to Pedal:Min:700mm Max:960mm Folding Size:W80×H73×D39cm カラーリングは、Black / Gray、Gunmetal / Gray、Dark Red / Red、Dark Bule / BuleはLink B7からの継続色。Link A7はSilver / Grayが新たに登場。 因みに女性と写っているLinkの写真があるが、恐らく2016年のLink C8のため注意。 http://www.zitensyadepo.com/archives/6927 まだ具体的な写真が出ていないため、変更点は不明だ。価格は税抜き46000円 https://ternbicycles.blogspot.jp/2017/05/2018LinkA7.html 折りたたみ自転車のLink N8とVerge D9/Verge N8シリーズも新色が登場した。カラーリングは一部は継続だが、一新している https://ternbicycles.blogspot.jp/2017/04/Tern2018.html また、非折りたたみ自転車のRoji Bikeシリーズも新色が登場。RipはSilk Polish、ClutchはLght BlueとPink、CrestはForest、Surgeは新色は後日公開とのことだ。 https://ternbicycles.blogspot.jp/2017/05/2018RojiBikes.html

キャノンデールらしさを融合したストリートクロスバイク Cannondale Bad Boy

日本では一般的にクロスバイクと言えば、700cのホイールを採用し、舗装路走行を中心に行うように設計された自転車だが、海外ではマウンテンバイクのようにサスペンションを搭載したモデルなど様々なモデルが存在する。 キャノンデールのクロスバイクにはQuickシリーズとBad Boyシリーズの2種類が存在する。Quickシリーズは、700Cホイールを採用した一般的なクロスバイクなのに対し、Bad Biyシリーズは片持ち式フロントフォークを採用し、マウンテンバイク風味を加えたストリートタイプのクロスバイクとなっている。今回、ワイズロード東大和でBad Boy 4に試乗してきた。 Bad boyの特徴はマウンテンバイクとストリートスタイルをかけ合わせたデザインだ。ややアップライトな車体に片持ち式フロントフォークはマウンテンバイクのデザインを意識している。一方、車体を立てかけて置いても傷つけにくいようにするためにフレームの一部(トップチューブ)にラバーが貼ってあったり、ダークなイメージを連想させるカラーリングはストリート系統の自転車だと物語っている。 フロントフォークはレフティのリジッドフォーク。キャノンデールは片持ち式フロントフォーク「Lefty」をブランドのアイデンティティとしており、Bad BoyシリーズにもLeftyを採用している。Bad BoyのLeftyフォークはサスペンション機構が無い。Bad Boyの上級モデルにはLEDライトが埋め込まれたモデルも存在する。 ブレーキはPromax製機械式ディスクブレーキを採用。タイヤはSchwalbe KOJAK 27.5×1.75と、流行の650B(27.5インチを採用している。) マウンテンバイクスタイルで舗装路を速く走れるBad Boy Cannondale Bad Boyは、GIANT Escape RXなど舗装路をスピードを出すクロスバイクとは違い、やや太めのタイヤで街中の段差を気にしないで走るクロスバイクだろう。 車輪径は700Cよりも小さく、26インチよりも大きい27.5インチを採用している。走りの感覚は26インチの細いスリックタイヤを履いたマウンテンバイクに近い。26インチのマウンテンバイクに細いスリックタイヤを履くと発進は軽いが、車輪径が小さくなり700Cと比較して速度が乗らない感覚がある。 Bad Boy 4の27.5×1.75は、感覚的には発進は700Cと比較してやや軽く、高速で走るには700Cよりはスピードは乗る感覚は少ないが、26インチのスリックタイヤよりはスピードが乗る感覚はある。個人的な意見として街乗りでも27.5インチは有効だと思う。ただ、27.5インチのタイヤやチューブを販売している所は少ない欠点がある。 ProMax製ブレーキはあまりいい印象が無かった。ブレーキレバーを握った感覚が少しグニュとしていて、ダイレクトな感覚が少なくブレーキの制動力自体もVブレーキ以下で、シマノ製のVブレーキ本体のほうが制動力は高いのではと思う。 走りの感覚は、オフロード用のマウンテンバイクというよりは、舗装路用のクロスバイクの感覚に近い。安価なマウンテンバイクにスリックタイヤを装着したモデルよりは車体は軽くスピードが出て、マウンテンバイクではなく舗装路用のクロスバイクだと実感する。 Bad Boyシリーズが合っている人は、マウンテンバイクスタイルで舗装路を快適に走りたい人だろう。マウンテンバイクのデザインはオートバイ的な雰囲気を持っていて、マウンテンバイクのスタイルが気に入って舗装路しか走らないがマウンテンバイクに乗りたい人にピッタリだ。