デイリーアーカイブ 1月 3, 2017

アップハンドル・スポーツバイクは流行するか?

2016年では、公道仕様ロードバイクと原付の衰退を偶々的中してしまったが、2017年はどういう物が流行するかと考えたら、アップハンドル・スポーツバイクが流行する可能性はあるのではないかと思う。 GIANT Escape RX4はGIZAプロムナードハンドルローライズ+TOGSを装着し、1日300キロ走り、Escape RX3はVenoメトロポイントハンドルバーを装着して、ブルホーンバーでは体験できなかったダートでも安定したハンドリングとハンドル位置に満足している。 最終的にRX3/RX4にこのようなハンドルを装着したのは、手首を拗じらないでハンドルを握ることができるのと、グリップを握る前後方向に自由があるので、その日の体調や気分、道路条件に容易に快適で安全に走ることができるため装着している。 日本ではアップハンドルをスポーツバイクに装着するのは馴染みがないが、ヨーロッパのトレッキングバイク/ライトツーリングバイクでは、ドロップハンドルが絶滅状態なのに対しアップハンドルを採用している。自転車部品ブランドのSATORIのサイトを見ると、様々なハンドルがあるのがわかる。 http://www.satoribike.com/pro.php?m=l&f=2&cid=8   日本では行うことができないが、セミオーダーメイドKOGA SIGNATUREでは、ツーリングモデルのセミオーダーを行うことが出来る。ハンドルバーを選択する時、フラットバーやマルチポジションバーに混じって、アップタイプのトレッキングハンドルのKOGA THE BIRD/KOGA TOURINGがあり、英語でTouring Handlebarと明確に書いてある。 https://www.koga.com/en/koga-signature 最近ではSURLY Troll/OGRE/ECRのようにオフロードツーリングモデルにアップタイプのハンドルみたいなベントしたハンドルを装着する自転車や、マウンテンバイクでオフロードツーリングをするのにアップハンドルを装着する例もある。 http://ja.surlybikes.com/bikes/ogre アップハンドルだけでなく、アップハンドル専用モデル「Rivendell Clemsmith Jr」が日本にも輸入されている。輸入元のBLUE LUGのサイトを見ているとそれなりに売れているみたいで、在庫処分セールを行う可能性は無い雰囲気だ。 https://www.cyclorider.com/archives/16307 アップハンドルの種類 ここでは単純にアップハンドルと言っているが、アップハンドルと言っても様々なのがあり、アップハンドル専用の古典的な自転車に採用されていたクラシックタイプ、ヨーロッパで多く見られるトレッキングバイクタイプ、アメリカのMTBツーリングで見るダートツーリングタイプが存在する。 注目すべきなのはアメリカ系ダートツーリングタイプ。SURLYのMOLOCO BARのように、ダウンヒルポジションやGPSなどを装着する部分が組み合わさったマウンテンバイク用アップハンドルが存在している。Velo OrangeのCasey's Crazy Barや、Jones BikeのH-Barsもダートツーリングタイプに入るだろう。 http://ja.surlybikes.com/parts/handlebars/moloko_bar http://www.jonesbikes.com/h-bars/ https://store.bluelug.com/velo-orange-casey-s-crazy-bar-silver.html アップハンドルの選び方はドロップハンドルやフラットハンドルと比べると非常に難しい理由 フラットバーやドロップハンドルでは、選び方が確立されていて形状もだいたい同じなのに対して、アップハンドルは非競技用部品のため多様な考えで作られている。そのため様々な形状が存在している。自分が気にするのはだいたいこんな感じ。 ハンドル幅 ライズ(どれだけハンドル位置が上がるか) スィープ角度(どれだけハンドルが絞られるのか) ステム装着位置とブレーキレバーの位置 グリップ装着位置の長さ 従来のドロップハンドルやフラットハンドルには無い数値が登場し、従来のスポーツ自転車のポジション設定の感覚が通用しない。自分は日東B302AA、GIZAプロムナードハンドルローライズ、Veno メトロポイントハンドルバーの3つを使ったことがあるが、ハンドルを交換すると走りが激変し同じハンドリングにならない。日東B302AAだと、ステム長を短くしないとハンドリングが安定せず、ステムを短くしてもやや神経質になる。GIZAは落ち着いたハンドリングにマウンテンバイク風味の操作性を持っている。Venoはハンドリングは非常に落ち着いているが、ライズが非常に少なくアップライト感は無いといった感じだった。(装着車種はGIANT Escape RX) また、同じハンドルでも別のジャンルの自転車に装着するとハンドリングが変わる。かつてBianchi Lupo(シクロクロス車)にBeam プロムナードハンドルを装着したら、ハンドリングが過敏で扱いにくかったのに対し、メリダのカラハリ570(26インチMTB)に装着したらハンドリングが安定した。 世界的な例や日本でのショップでの改造を見る限りでは、アップハンドル・スポーツバイクの需要はあるだろう。ただ安易にハンドルを交換しただけではマトモに走れないので、色々な情報や実践を行い開拓しないといけないのが最大の問題だ。