デイリーアーカイブ 2月 9, 2017

650Bロードプラスタイヤのグラベルロード KONA ROVE NRB DLに乗ってみた

26インチよりも大きく29インチ(700C)よりも小さい650B規格ホイールはマウンテンバイクでは主流になり、グラベルロードの世界でもこの規格が採用されつつある。 KONA ROVE NRBは650B✕47Cのスリックタイヤ「WTB HORIZON」を採用したグラベルロードだ。このタイヤはWTBが提唱するロードプラスタイヤというもので、700✕30C相当の直径で、47ミリ相当(1.75インチに近い幅)のタイヤ幅を持っているスリックタイヤだ。舗装路や砂利道では絶対的スピードは出ないが、舗装路では荒れていても乗り心地が良くてパンクしにくく、ロードバイクでは走れない砂利道も楽しく走ることができるのが特徴となっている。 KONA ROVE NRB DLは650Bホイールを採用したROVE NRBシリーズの上級モデル。アルミフレームを採用したモデルでディスクブレーキも装備している。ちなみに650Bホイールを採用したROVEはROVE NRBだけでなくレイノルズ853クロモリフレームのROVE LTDも650Bホイールを採用している。 http://www.konaworld.com/rove_nrb_dl.cfm 今回は弱虫ペダルスターライトクロスのレースコースが開放されている時間に試乗してきた。舗装路はわずかで急坂もあり、サイクルモードの試乗コースよりも遥かに公道に近い。 試乗して良いと思ったのは車輪の大きさが程よく、スリックなのにタイヤも太い。油圧ブレーキなのでブレーキの効きも良くて安心感が高いこと。 一般的にスリックタイヤは舗装路向けのタイヤだが、WTB Horizonは、タイヤ幅が47ミリと太く、安心して走ることができる。グラベルキング32CのEscape RXでは、安心して通過できると思われるシーンでは、WTB Horizonだと安心して操縦を楽しめた。 シマノの油圧ディスクブレーキとWTB Horizonタイヤのお陰で、シクロクロスコースを楽しむことができた。シクロクロスやマウンテンバイクレースを行う人ならともかく、一般のサイクルツーリストだと躊躇する急な下り坂など、シクロクロス独特のコースを楽しむことができた。 このあとにSUTRA LTDやROVEに乗ろうと思ったが、タイヤが細いROVEで同じように走ったら怖い(自分の自転車ではなく、NRBと同じ感覚で走ったら怖いと感じたため) SUTRA LTDは去年、ミニコースで試乗したとき車輪が大きすぎて、あのコースでは手にあまりそうと思ったため乗らなかった。 ROVE NRB DLのような650Bホイールのグラベルロードは、ある意味すべてがハンパなグラベルロードだろう。しかし中途半端な道しかない公道ではこんなホイールを採用した自転車があっている。公道レベルの舗装路、未舗装路、段差に強いグラベルロードの一台だと思う。 最大の欠点はタイヤの価格。WTB HORIZONの価格は8000円と非常に高価で似たタイヤがない。チューブもホームセンターや自転車量販店で容易に入手することが難しいため、遠出をするときはチューブは二本ぐらい持っていったほうがいいだろう。

ロードバイクにアップハンドルをつけるという変な自転車が生まれる理由

自転車カスタムの中でも理解不能なカスタムの一つはアップハンドルを装着したロードバイクだ。 引用:http://ratio-c.jp/neocot Ratio and CのN7は、ロードバイクに無理やりアップハンドルを搭載した自転車だが、ドロップハンドルの装着を前提としたロードバイクにアップハンドルを搭載してもマトモな自転車はできない。 https://www.cyclorider.com/archives/17705 上記の記事にあるRivendell Clem Smith Jrのように本物のアップハンドルの自転車は、ロードバイクよりも鷹揚とした車体となっているのがわかるだろう。 自転車やオートバイなど2輪車の世界では、ハンドルは車体設計を決める重要な部品だ。オートバイの世界では、オフロードオートバイはややアップした幅広のハンドルを装着するのに対し、スポーツ走行を楽しむオンロード用オートバイは幅が狭く低めのハンドルを採用する傾向にある。 もっとも、時代によってはオンロード用のオンロードでも、幅広でアップしたハンドルを採用する事例もある。高校生が大型オートバイに乗る1970年の第1次バイクブームではCB750FOURや650W1スペシャルのような大柄なアップハンドルを装着したオンロード用オートバイが流行した時代があった。そのため、幅広のアップハンドルが似合わないオートバイ(ヤマハ・スポーツRX350やXS650等)まで装着するを得なかったとのこと。 https://www.cyclorider.com/archives/14044 70年代にレーサースタイルを標準装備したオートバイは国産車には存在しなく、一部の外国車の特権だった。MVアグスタ350Sが良い例だろう。 引用 MV Agusta 350 S Ipotesi, Classic Italian Motorcycle MVアグスタ350S:某氏の弟が嘗て乗っていたオートバイ。70年代の日本車にはフル装備されて無かったセパレートハンドルやキャストホイール、テールカウルをフル装備している。70年代前半の日本唯一の2サイクルレーサーレプリカ、ヤマハ・RX/DXシリーズよりもレーサー風のスタイルとなっている。新車価格は約30万円とCB500FOURよりも安いため、外車入門用オートバイの扱いだった。 引用:Honda CB 500 Four - Wikipedia アップハンドルを装着した70年代のオンロードバイクだが、コンチネンタルハンドル等の低めのハンドルに交換すると雰囲気が変わり本質が見える。現役時代では高校生・警察・プレスライダー御用達のドリームCB500FOURはアップハンドルが標準装備されているが、写真のように低めのハンドルに交換すると、スポーティなオンロード用オートバイという本質が見えてくる。 ロードバイクにアップハンドルをつけるという変な自転車が生まれるのは何故か ロードバイクにアップハンドルをつけるという変な自転車が生まれるのは、カッコだけしか見ないからだと思う。オートバイで言うのなら、ドコドコと振動が出るバランサーシャフトが無い古典的2気筒エンジン、ハイバックシート、アップハンドルをつければ、どんなオートバイでもハーレーに見えると思っているのと同じだろう。 写真のオートバイはNorton Commando Hi-rider。古典的2気筒エンジン、ハイバックシート、アップハンドルがついているが、誰もがCommando Hi-riderを見てハーレーみたいなアメリカンスタイルのオートバイと思う人はいないだろう。因みにこのCommando Hi-riderは変な改造車に見えるがカタログモデルのようだ。 参考としてアメリカンスタイルのオートバイを挙げてみる。写真のオートバイはHaley Davidson 883。 アップハンドルのロードバイクという謎な自転車が出るのは、恐らくカッコだけ見て似ているようにみえるためだと思う。Norton Commando Hi-riderとHaley Davidson 883では明らかに車体のデザインが違うため容易に区別できる。 しかし、自転車のデザインは区別しにくく似ているように見えるため、本質を無視してハンドルを交換して見た目だけカスタムを行ってしまうのだと思う。特にRivendellのようなアップハンドル車はBlue Lugに立ち寄った時以外は見かけたことが殆どない。 ロードバイクにアップハンドルを付けて、アップライトな姿勢で乗りたいのなら、ドロップハンドルやブルホーンハンドルでアップライトなステムのポジションで乗るのがベスト。それでもアップハンドルを装着したいのならVeno メトロポイントハンドルバーしかないだろう。 https://www.cyclorider.com/archives/17104  

16インチ超軽量折りたたみ自転車 RENAULT MAGNESIUM8とDAHON Curve D7を比較する

超軽量折りたたみ自転車を売りにしているRENAULT LIGHTシリーズ。新しく登場したRENAULT MAGNESIUM 8は、16インチ変速機付き折りたたみ自転車で重量は僅か8.2キロと軽量なのが特徴だ。今回はRENAULT MAGNESIUM 8の紹介と、ライバルであるDAGON CURVE D7の比較を行いたい。 RENAULT MAGNESIUM8の解説 RENAULT MAGNESIUM8のフレーム素材はマグネシウムを採用。かつてマグネシウム素材を採用した自転車といえば、メリダのレース用自転車やピナレロ・ドグマで有名だった。かつては高価なフレーム素材で知られていたマグネシウムが、今では7万円の折りたたみ自転車に採用されているのは不思議な感覚だ。 ブレーキはブランド名不明のVブレーキ。ギア比は前は47T、後ろは11-28Tの7速スプロケットを採用しているらしいが、型番がTZ21のためボスフリーではないのか?もしかしたら14-28Tの可能性がある。16インチを車輪が小さく、多くの20インチ小径車よりも軽いギア比となっている。タイヤは16×1.75インチでタイヤのブランド名は不明。 RENAULT MAGNESIUM8とDAHON CURVE D7を比較する RENAULT LIGHTシリーズのライバルと言えばDAHONだろう。14インチ折りたたみ自転車のRENAULT ULTRA LIGHT7はDAHON DOVEよりもよく出来た所が多かった。ULTRA LIGHT 7は軽量な車体重量、高級感がある部品、身長が高い人でもポジションが出る利点があり、DAHON DOVEではなくULTRA LIGHTを選ぶ人がいてもおかしくはなかった。 https://www.cyclorider.com/archives/16991 RENAULT MAGNESIUM8のライバルはDAHON CURVE D7だろう。DAHON CURVE D7の車体重量は11.6kg。MAGNESIUM8の8.2kgと比較すると重い。しかしCURVE D7はMAGNESIUM 8と比較すると有利な点がある。 CURVE D7のフレームにはリアキャリアの取り付けやボトルケージが取り付け可能な台座がある。ヘッド周りには、ハンドルの動きに左右されないフロントキャリアが取り付けられるブラケットがある。このような台座は折りたたみ自転車をシティコミューターとして使うには重要な部分だ。 スタンドもMAGNESIUM 8はちゃちなサイドスタンドなのに対してCURVE D7はセンタースタンドを装着している。因みにMAGNESIUM 8はセンタースタンド装着のための台座がないため、CURVE D7のようにセンタースタンドの装着はできない。 CURVE D7の折りたたみサイズはW73×H60×D34cmとなっており、MAGNESIUM8よりも折りたたみ時の長さが3cm長い。これはハンドル~サドル間の長さがCURVE D7のほうが長いということだろう。身長が高い人ならハンドル~サドル間はある程度長いほうが良い。身長183cmの自分がCURVE D7に乗った時、多少前傾姿勢になったが窮屈な乗車姿勢ではなかった。身長がある程度高い人ならCURVE D7のほうが良いのではないかと思う。 折りたたみヒンジはMAGNESIUM 8はDAHON ROUTEなどに採用されている標準的なタイプなのに対して、CURVE D7はV-Clampテクノロジーというシステムを採用している。DAHONによると軽い力でレバーのロックがかかるとのことで、20万円を超えるDAHONのハイエンドモデルでも採用されているシステムだ。ハンドルを装着するレバーもCURVE D7のほうが大きくて操作が行いやすい。このレバー部分の違いは日常的に折りたたみを行う人ほど気になるだろう。 ギア比はMAGNESIUM 8は前は47T、後ろは12-28Tの7速スプロケットなのに対して、CURVE D7は前は52T、後ろは11-28Tの7速スプロケットと高速仕様となっている。ただ、16インチ折りたたみ自転車は20インチよりも段差の通過に弱いので、MAGNESIUM 8が不利だとは思わない。 https://www.cyclorider.com/archives/16824 RENAULT MAGNESIUM 8は軽さばかりクローズアップされていで持ち上げられているが、個人的には見ている部分が浅いとしか言えない。DAHON CURVE D7と比較すると日常的な使い方はCURVE D7のほうが有利な所が多い。このような部分は人によっては軽さよりも重要な場合があるからだ。 個人的には、徹底的に軽さを重視したいのならMAGNESIUM...