デイリーアーカイブ 12月 8, 2016

「ながらスマホ」並みに視界が悪いロードバイクの視界についての考えと対策方法をまとめてみる

中日新聞の記事で、ロードバイクの前傾姿勢はながらスマホ並の視界になるという記事が出た。 http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2016120602000188.html 詳しい内容については上記の記事を見てほしいが、左右方向の視線は軽快車の半分以下の範囲しか見ていなかったようだ。車種はGIANTのロードバイクで比較的前傾姿勢になりにくいDEFY?で、現代の前傾姿勢を強要される競技仕様のロードバイクなら、ながらスマホ以下の視界になるのではないかと思う。 もっとも計測方法はあまりにも雑すぎる問題がある。自分ならママチャリ・DEFY・TCR・TRENITY・ANYROAD・ESCAPE RXの適正サイズを使用し、時速10・20・30・40km/hで走行した場合の視線を測るだろう。はてなブックマークのコメント欄も「実際のロードバイクの姿勢はそれほどきつくない」という珍妙な意見があるが、本気で自転車を知ればそんなことは言えない。前傾姿勢を決める要素の1つであるヘッドチューブ長を比較すると、競技用ロードバイクのTCR SLRは148mm。非競技用のドロップハンドルスポーツバイクのANYROADは185mmとなっている(Mサイズで比較)。この差は簡単に埋めることはできない。さらに書くとフロントフォークのクリアランスが大きいANYROADのほうがハンドル高が上がるためフレームの数値以上に変わるだろう。 画像写真ではドロップハンドルの下ハンドルを握った状態となっている。街中ではあまり使用しないが、長い下り坂では構造的な問題で下ハンドルを握らないと下れないことが多い。世の中には自転車で下り坂を走るのが楽しくないという人がいるらしいが、前傾姿勢で下ハンドルを握った状態で下るから楽しくないのではないかと思う。 前傾姿勢を強要されるロードバイクの乗車姿勢を改善させる方法   前傾姿勢を改善させる方法はの一番簡単なのは、アップライトな乗車姿勢にできるステムやハンドルを装着すること。競技用ロードバイクを無理やりアップライトな姿勢にしようとすると後輪に荷重がかかりすぎるが、やらないよりはマシだろう。 https://www.cyclorider.com/archives/14044 部品交換でも前傾姿勢を軽減することが出来ない場合はフレーム交換するのがベストだが、前傾姿勢を取らないロードバイクというのは今は存在しない。あえて言うのならかつて存在したSpecialized Sequoiaが当てはまるだろう。 https://averagejoecyclist.com/specialized-sequoia-elite-2009-review/ 前傾姿勢を取らないロードバイク時代のSequioa。現代のロードバイクを見ると変な風に見えるが、このような前傾姿勢を取らないドロップハンドルは、フランスの長距離サイクリング「ディアゴナール」の発案者であるVelocio(Paul de Vivie)が使用した自転車と類似性があったりする。 http://bike.apiotrowski.net/rando/?action=history

ジャスト・ライド──ラディカルで実践的な自転車入門が2016年10月24日発売になる

非競技者のための自転車本「ジャスト・ライド──ラディカルで実践的な自転車入門」が、ついにAmazonで表紙が出た状態で予約できるようになった。 ジャスト・ライド──ラディカルで実践的な自転車入門 posted with カエレバ グラント・ピーターセン Pヴァイン 2016-10-24 Amazonで探す 楽天市場で探す Yahooショッピングで探す 7netで探す 前回、非競技者のための自転車本「JUST RIDE ラディカルで実践的な自転車入門」ついに日本語版が発売 | シクロライダーも紹介したが、日本でも一部の人がKindleや英語版ペーパーバックを読んでいて、「自転車雑誌を3年購読するより自転車とその楽しみ方に近付く事が出来る」や、「自転車の雑誌や専門書・エッセイ等を40~50冊も読みあさったが、世間の常識に惑わされずに、自分が本当に望んでいる自転車ライフを実現したいのであれば、この本をおいて他には考えられない。」など、非常に評価が高いことで知られている。   自転車界の常識にメスを入れる 海外で話題を呼び、自転車文化に一石を投じた問題の書がついに翻訳刊行される! この10年、スポーツバイクは人気の趣味/人気のスポーツとして定着している。オランダ、ドイツ、北欧、イギリスのように、自転車が安心して走れる都市の道路の再整備は、いまでは先進国のトレードマークでもある。日本も安いママチャリの時代から脱し、最近では、少々値は張るが性能的に優れたスポーツバイクに乗る人たちの姿が日常的に見られている。気合いを入れて、ぴっちりしたレーサージャケットに、もっこりしたレーサーパンツ(通称レーパン)を履いて、ロードバイクを漕いでいる人たちの姿は珍しくない。しかし、それって本当に正しい乗り方なのか? ロング・ライドはどこまで健康に良いのか? ダイエットに良いって本当なのか? ベンディングペダルにすれば引き足も使えるなんていうのは幻想だって? そもそも自転車を楽しむのに、なんで服からアクセサリー、細かいパーツまでプロの真似をしなければならないのか? 自動車を楽しむ人たち、スキーが好きな人たち、みんなプロの真似をしていないのに、なんで自転車乗り(バイクライダー)だけが何でもかんでもプロの真似をしているのか。それってどこかおかしくないかい? 長年自転車業界で仕事をしている著者=グラント・ピーターセンがサイクリング文化の間違いを説く。自転車を乗る上でのすべての常識をひとつひとつ検証し、読者に新たな考えを巡らせる。そして、自転車生活の魅力をあらたに提唱する。 サイクリスト必読の書、ついに翻訳刊行! Amazonから引用。出版社はPヴァイン。恐らくレコード会社・出版社のPヴァインだと思われる。従来の自転車関連の出版社では無く、自転車と関係が無い出版社から出るが、自転車と関係が無い出版社だからこそ刊行できるのだろう。勿論購入してレビューするつもりだ。

YPJ-Rのフラットハンドルモデル ヤマハ・YPJ-CとYPJ-Rを比較してみる

ヨーロッパ圏を中心に電動アシストスポーツ自転車が多くラインナップされているが、日本では、電動アシスト自転車は街乗り用の買い物自転車のモデルがほとんどだった。 パナソニック・ハリヤ等のスポーツタイプも存在しているが、従来型の電動アシストスポーツ自転車は国内の電動アシストユニットではアシストON・OFFの違いが大きく、アシストOFF時に走りが重くなる欠点があった。 そんな日本の電動アシスト自転車市場で、ヤマハはヨーロッパ市場の電動アシストユニットを搭載した本格的電動アシストスポーツ自転車「YPJ-R」を登場させた。試乗した限りでは電動アシストロードバイクというコンセプト以外は、アシストのオンとオフが非常にわかりにくいのに、確実に力を出す滑らかなアシストは感動し、電動アシスト自転車の新たな時代を感じさせた。 (電動アシスト自転車インプレッション)ヤマハ YPJ-Rに乗ってみた(シクロアシスト) アシストセッティングが素晴らしい一方で、公道用自転車なのに競技仕様を元にした汎用性が低い車体設計は、電動アシスト自転車のよさをスポイルしていると感じた。 ユーザーインプレッションを見ても、補助ブレーキレバーや泥除けの装着に難儀していて、スタンドの純正オプションが無いという、街乗り用自転車としては欠点が多い。 ヤマハ・YPJ-Rのユーザーインプレッションをまとめてみた(シクロアシスト) そんなYPJ-Rは、2017年モデルではYPJ-Rのフラットハンドルモデルである、YPJ-Cが登場した。 フレームは、700×28Cタイヤを装着するためか、YPJ-Rよりも隙間が多少ながら大きくなった。しかし、ロードバイク用のキャリパーブレーキを装備しているため、シティサイクルに近い32ミリ幅のタイヤは装着できそうになさそうだ。 ハンドル~サドル長(トップチューブ長)はYPJ-Rよりも長く、フラットハンドル車用に最適化されている。しかしハンドル高さを決めるヘッドチューブ長はYPJ-Rとあまり変わらないためやや前傾姿勢で乗る自転車となっている。 フロントフォークは泥除けが装着できる穴がある一方、フレーム側には、荷台や泥除けが装着可能な台座が無いように見え、ちぐはぐさが出ている。因みにYPJ-Rでは泥除け、荷台の装着可能な台座は無い。 ギア比はYPJ-Rは前クランクは50-34T、後ろスプロケットはロードバイク用の11速で、全体的に重めのギア比なのに対し、YPJ-Cは前クランクは46-34T、後ろスプロケットは11-30Tのマウンテンバイク並に軽いギアがある9速を採用している。アシスト可能な距離はYPJ-RとYPJ-Cは同じだが、YPJ-Cは軽いギアがあるため、軽いギアで走行してアシストを少なくした燃費走行ができるだろう。 ハンドルはYPJ-Cはフラットハンドルを採用している。街乗りではフラットハンドルのほうが乗りやすいが、スイッチ類はドロップハンドルモデルのYPJ-Rと変わらない。 アシストユニットは恐らくヤマハ・PWシリーズと思われる。2017年モデルから海外では、ヤマハ・PWシリーズはPW-Xと名前を変えて進化している。PWよりも小型、軽量化を行い、高出力、クイックレスポンス化を行い、EXPWモードというパワーモードよりも1ランク上のパワーモードが登場しているが、日本にはまだやってこないようだ。 YPJ-CはYPJ-Rを元にしているため、街乗り自転車として見ても各部の爪が甘い所は残っているが、28ミリタイヤを装着しているためYPJ-Rよりも街乗りに向いている。個人的には公道を走るのなら、YPJ-Rよりも太いタイヤを装着し、軽いギア比を採用しているYPJ-Cを選ぶだろう。 YPJ-C - YPJ,YAMAHA | ヤマハ発動機株式会社 参考:YPJ-C 100キロインプレッション http://cycloassist.com/archives/1095