4万円台のスピードタイプのクロスバイクではお薦めの1台 Nesto Vacanze

シティサイクル等を中心とした自転車ブランドの「マルキン」のスポーツ自転車ブランド「Nesto」のクロスバイク「Vacanze」は4万円台のクロスバイクではピカイチの走りの良さを持っているクロスバイクだ。

6061アルミ素材を採用したフレーム・フロントフォークのお陰か、車体重量は税抜き価格46,000円のクロスバイクでは脅威の9.9kgとなっている。参考としてかつて存在したEscape Airがフレームサイズ500mmで9.9kg、車体価格は税抜き価格66,000円だ。

2014 Giant Bicycle [ESCAPE AIR]

また、Escape Airに搭載されているホイール「GIANT SPINFORCE SL 」はスポーク数が少ないが、Nesto VacanzeはEscape Airよりもスポーク数が多く、Airよりも少しは耐久性が高いように見える。その気になればもっと車体重量は軽く出来るだろう。リアエンドは130ミリとのことなので、Escape R3のようにロードバイクのホイールに交換が可能だ。

ブレーキはVブレーキ。普通のVブレーキで必要十分の性能は持っている。ギア比は前は48/38/28T、リアスプロケットはシマノ11-28Tの7段カセットスプロケットで錆びにくいメッキタイプ。リア7段の自転車はボスフリータイプとカセットスプロケットタイプの2種類があり、ボスフリータイプは構造的に車軸が折れやすい欠点があり、カセットスプロケットタイプを選ぶのが良い。ロードバイクよりも軽いギアがあるので坂道をのんびり走ることができると思う。

タイヤはMAXXIS DETONATOR FOLDABLE 700×28C。5万円台の自転車ですら装備されない定価4000円台のタイヤを装着している。

DETONATORはGIANT Escape R3にも装着していたが、Escape R3に装着されていたDETONATORは低価格版のワイヤービード版で、VACANZEのタイヤよりもランクが低い。またEscape R3は2017年モデルではKENDA K-193「KWEST」を採用している。K-193 KWESTは安価なスポーツ自転車用タイヤで、グリップしない、乗り心地が硬い、走りが重い等、一般ユーザーから自転車店の店員まで非常に評価が低い。KENDA KWESTはVacanzeのDETONATOR・ケブラービードバージョンと比較すると雲泥の差で、あえて買ってまで使うタイヤでは無いと思っている。

https://www.cyclorider.com/archives/10075

使いきらない内にダメになるタイヤ KENDA KWEST

4万円台とは思えないレベルの走りを持っている NESTO Vacanze

ワイズロード東大和でNESTOの試乗会が行われていたので、VACANZEを試乗したが、4万円台のクロスバイクとは思えない走りの良さに驚いた。少なくとも、部品を交換しないストック状態なら自分が新車購入したEscape RX4(タイヤはKENDA K193 KWEST)よりも走りは軽い。タイヤをパナレーサーグラベルキング28Cに交換したEscape RXと比較するとロードバイク風に重いギアを踏んで加速するような場合はEscape RXのほうが良いと思う。

走りはGIANT Escape R3のような軽快さに感じた。ロードバイクみたいに重いギアを使って加速するよりも、軽いギアを多用して加速するのが合っているタイプに感じた。アルミフレーム・アルミフォークなのに乗り心地は比較的良いと思ったのはタイヤが良い物を採用しているからだろう。NESTO Vacanzeを購入してタイヤを交換する場合、2000円クラスの安価なタイヤを装着するとグリップ力や乗り心地といった部分の性能ダウンする可能性があるので、タイヤ交換の場合は、定価4,000円クラスの標準装備されているタイヤと同等レベル以上のものでないとガッカリするのではないかと思う。
NESTO VACANZEは舗装路をスピードを出して走るスピードクロスで、ライバルはEscape R3(税抜き価格50,000円)だろう。ただ、Escape R3の標準装備タイヤは駄目タイヤのKENDA KWESTが装着されているので、そのままの状態で走るのなら、走りの軽さや乗り心地はNESTO Vacanzeのほうが上なのではないかと思う。

NESTO Vacanzeの欠点はフレームサイズが2種類しかない、リアの段数が7段しかない、カラーリングがフレームサイズによって異なるということだろう。フレームサイズは2種類しかなく420mmと480mmのみ。Escape R3は女性用のLivモデルもあり幅広い人に対応している。リアの段数が7速しか無いのは、お金をかけないでスプロケットの歯数を変更する時が問題になる。特に小さい歯数が多くあるロードバイク用のスプロケットに交換するとき、7段用のスプロケットが少ないため改造してリアのスプロケットの段数を8段以上にしたほうがいい。カラーリングもフレームサイズ480mmではカラーリングが少ないため購入時は注意が必要だ。

多少の欠点はあるが、Vacanzeは4万円台のクロスバイクではありえないレベルの走りを持っている。またNESTOは多くの店で手軽に買えるスピードクロスだというのも注目したい。多くの店で買うことができるのを評価しているのは、GIANT等のスポーツ自転車ブランドは、販売店を絞っているためNESTOやBRIDGESTONEのように街の自転車店で気軽に買えるのが重要になっているからだ。 個人的には、新車価格5万円台で中古価格3万円の中古クロスバイクや、3~4万円で売られているよく分からないブランドのクロスバイクを買うのなら、もっと金を出してNESTO Vacanzeを買うのを薦める。

NESTOのクロスバイク「Vacanze1」と「LIMIT2」は何が違うのか?

シクロライダー流クロスバイクの選び方 お薦めモデルも紹介

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