中国車は日本にやって来るのか? ヨーロッパに進出してきた中国車

Top Gear(イギリスの自動車番組)でも登場するようになった中国車。中国車は中国国内だけでなく、海外に進出するようになった。というわけで、今回は中国車について書こうと思うが、中国では、関税などの関係で外資系企業が、中国国内向けに中国で自動車生産している。

これらの自動車と混同しないようにするため、ここでの中国車の定義は中国で誕生した会社が、設計・生産した自動車のことを、中国車と呼ぶことにする。

 一部の中国の自動車会社は国内で販売するだけでは無く、海外にも販売するようになった。中国車は安価な自動車を求める層が多い新興国で発売されるのが大半だったが、一部の企業はヨーロッパで発売し物議を醸すことになった。

 2005年に中国の江陵汽車の陸風(LandWind)がヨーロッパで初めて発売される中国車となった。ドイツ自動車連盟(ADAC)が、ヨーロッパの衝突安全テスト基準「Euro N CAP」に準じた基準で、衝突安全性テストを行ったが、衝突時の乗員保護性能がゼロという評価が下された。

 陸風は、90年代前半に発売された、いすゞ初代ウィザードのコピーではないかと思われる。その理由は、アメリカのIIHSのクラッシュテスト(Euro N Capと同等のテスト)で、同じような変形をしたためだ。90年代前半の自動車は、全面で衝突させるフルラップ試験対策は行われていても、片面だけを衝突されるオフセット試験対策は行われていない。90年代前半のクルマをコピーした陸風の衝突安全が極端に悪いのは当然といえる。

 2006年には長城汽車(Great Wall Motors)がイタリアで4輪駆動車「Hover」とピックアップトラック「STEED」を販売開始した。2009年には「Hover」を2700台販売し、2010年は7000台の目標を立てている。長城汽車は、23年以内に、欧州各地域に進出するとの幹部の発言や、2012年末にフィリピン、マレーシア、セネガル、ブルガリア、ベネズエラに各国の投資パートナーと手を組んで組み立て工場を建設すると発表するなど海外進出に積極的な企業でもある。

Great Wall Motors

 2007年には、華晨汽車がヨーロッパに進出し、ブリリアンスブランドで乗用車を販売する。2007年に中型セダン「BS6」をドイツで発売するが、ドイツ自動車連盟(ADAC)が衝突安全テストを実施したところ、江陵汽車の陸風と同じく、衝突時の乗員保護性能がゼロという評価だった。2008年には、小型セダンのBS4を販売し、ドイツ自動車連盟(ADAC)が衝突安全テストを実施したところ、結果は星ゼロの評価となった。運転席エアバッグが正しく展開しなかった点、金属製パーツが衝突の際に鋭く尖り危険な点、ペダルが乗員の足に深刻なダメージを与える点などが指摘された。

 安全性の問題と、2011年に欧州市場で行われる、排気ガス規制「ユーロ5」対策を断念し、20105月に華晨汽車は欧州市場から撤退した。華晨汽車は、5年間で158千台を販売することを目標としていたが、これまでの販売台数は4000台に満たなかったとの報道がある。
2012年後半には、提携しているBMWと合弁会社を設立し、オリジナルブランド車を発売するらしい。おそらく、これは中国政府の自社ブランド政策の関連で、中国国内限定なのではないかと思われる。

 2012年には吉利汽車が、イギリスに進出すると発表した。吉利は、ボルボやロンドンタクシーを買収する一方、自社開発も力を入れている。イギリスで発売される小型セダン「Emgrand」はEuro N Capのテストでは、星4つという高評価を出し、かつてのブリリアンスの二の舞は避けようとしている。

(参考リンク)

吉利汽車の躍進支える広島大学出身の中国人副総裁と日本の自動車産業
中国BMWの製造・販売を手がける華晨宝馬がオリジナルブランド車発売へ

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