シートアングルを寝かすとどのような効果があるのか?

通常のシートポストよりもオフセット量を多くした(シートアングルを寝かした)Dixnaのアークシートポストに交換して感じたことは、少しトルク重視のゆったりとした走りに変わったことだと思う。若干の緩い上り坂を走っていると、シートアングルが立っている自転車は、スピードは出せるけど、パワーが無いと回転数が少しづつ落ちて最悪失速気味になるのが、シートアングルを少し寝かすと、高速のスピードは出せない一方、脚の使う筋肉が分散されている感覚になって、シートアングルが立っている時よりも失速しにくく、ゆったりと走れるように感じた。

シートアングルが立っていると回転重視、シートアングルが寝ているとトルク重視と言われているが、この理屈がわからないので、調べてみることにした。

同じクランクの長さを使っても、サドルの前後位置によって、脚の各関節の開き具合が違う、ということがあります。サドルが前進して、脚の関節は開く角度が狭いほど回転をあげるのには有利になりますが、筋肉の収縮量は大きくならないので、じわじわパワーを長時間出すには向きません。後方にひくと、回転はあがりませんが、低回転で長時間トルクを出し続けるのには悪くありません。

これをポジションにあてはめると、ペダリングピッチの最も早いトラックレーサーはサドルが前進し、ツーリング車や町乗り車には速い回転が必要ないので、サドルは後退する。ロードはトラックとツーリングの中間にありますが、山岳ではサドルは後ろ目、タイムトライアルやスプリント勝負のあるステージの車輌ではサドルは前目になるわけです。

英国式自転車生活 -ライデイング・ポジション検証方法3から引用。、脚の関節は開く角度が広いほど低回転で長時間トルクを出し続けることができるらしい。

みなさん、トルクとか引き足とよく言いますけど、瞬間的なピークトルクのことしか着目していません。

テコの原理に囚われているからですね。
ペダリングとは、瞬間的なものを指すのではなく、クランク一回転分を考慮する必要があります。クランクを360度回した時のトルク曲線をイメージしなければなりません。

詳細は難しくなるのでここでは説明できませんが、一言にまとめるとすると、「有効なトルク回転角が広がる。」のだと思います。
人間側からいうと、「脚の筋肉を有効に使うことができる範囲が広がった。」んだと思います。
これは、測定器で測定した結果ではありません。私が実走した体感からの推測です。
実際にどんなトルク曲線を描くのか興味津々です。イメージと異なる曲線になったらもっと面白い発見ができるんですが、残念ながら測定する手段を持っていません。

クランク長さ・シートアングルから考える – 妻苦輪愚狂会 – Yahoo!ブログから引用。シートアングルとクランク長の関連性についている記事内でのコメント。

また、CiNiiのシートアングルの違いがペダリング出力に及ぼす影響では、シートアングル65度の自転車のペダリング出力結果では、最終速度は一番低い一方、30秒時踏力は一番高く、仕事率は一番低い結果が出ている。またグラフを見ると、シートアングル65度の自転車のみ、最高速度と仕事率の比率が他のシートアングルが立っている自転車とくらべて、速度等と仕事率の差が大きい結果が出ている。

シートアングルの違いは、ペダリング出力の関連性だけでなく、自転車の設計まで変えるようだ。

ペダリング設計には大きく分けて2つある。

①ペダルを下方向に踏むことにより推進力を得る(現行)。
②ペダルを前下方向に踏むことにより推進力を得る。

①は競技用自転車に適しているが、乗りこなすには鍛えられた肉体が必要だ。そして、なぜかこの考えがツーリング車からママチャリまで広がってしまっており、ママチャリでは力が出ないのは当然のように思われている。

①の自転車にアップハンドルを付けてしまったら、全くパワーの出ない自転車になってしまう。①は前傾姿勢と強靭な腕力により腰を固定することにより成り立っている自転車だからだ。

そこで②の方法が必要になってくる。②のペダリング設計した自転車はアップハンドルでなければならない。前傾姿勢を取るとパワーが出せないのである。

ツーリング車からママチャリまで、つまり競技用以外の自転車は②のペダリング設計が必要である。この設計を取り入れれば、電動アシストは不要となる。

しかし、②の設計ができる技術者は皆無と言って良い。

ペダリング設計 – 妻苦輪愚狂会 – Yahoo!ブログから引用。シートアングルを寝かすことによって、ペダルの反力で体を浮くのを防ぎ、前傾姿勢でなくても高出力が出せる自転車が作れるとのこと。

さらに、シートアングルは装着可能なサドルのサイズまで左右されるようだ。

2013-11-04 16.13.28-1

シートアングルが立っている自転車は幅が広いサドルを取り付けるとサドルと太ももの内側に当たる問題があるらしい(英国式自転車生活 -ライデイング・ポジション検証方法3)例えばママチャリはシートアングルが立っているので、サドルを上げてスポーティな走りをすると、サドルのへりが両端がふともも内側に当たるため、細いサドルにしないといけない一方、シートアングルが寝ている自転車(写真のエレクトラ・タウニー等)は、ママチャリよりも遥かに幅が広いサドルが装着されていても、通常のスポーツ自転車みたいに快適なペダリングをすることができる(サイクルモードの試乗で実証済み)

シートアングルを調べていると、現代の自転車はまだまだ改良の余地があるのは間違いないだろう。

スポンサーリンク